遠心分離機(読み)えんしんぶんりき(英語表記)centrifuge

翻訳|centrifuge

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

遠心分離機
えんしんぶんりき
centrifuge

高速度で回転している遠心力場では,重力加速度よりはるかに大きい遠心加速度が作用する。この遠心力場で行う固-液 (固体液体) ,液-液などの機械的分離を行う機械をいう。おもなものに遠心脱水機 centrifugal filterと,遠心沈降機 centrifugal settling machineがある。 (1) 遠心脱水機は適当なろ材をつけた有孔板でつくられた回転円筒の内部に,たとえば結晶粒を含んだ液体を入れて高速で回転すると,液体のみがろ材を通して筒の外部に放出される。 (2) 遠心沈降機は孔のない回転円筒を回転させると,比重の大きい結晶粒などは円周側に,液体は中心部に集る作用を利用して分離する。

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百科事典マイペディアの解説

遠心分離機【えんしんぶんりき】

回転による遠心力を利用して液体中に懸濁している固体粒子や比重の異なる液体を分離する装置。使用目的により2種に大別される。(1)遠心沈降機。回転円筒に穴がなく,比重の差を利用して乳濁液やコロイド状物質の分離を行う。牛乳の脱脂,血液からの血漿(けっしょう)分離などに利用。(2)遠心ろ過機(用途によっては遠心脱水機とも)。回転円筒の側壁に多くの細孔があり,金網やろ布を張ってある。固体と液体の分離を目的とし,砂糖や硫安の結晶の母液からの分離などに利用。洗濯機用の脱水機もこの例。一般に遠心分離機では重力の数千〜数万倍の遠心力が働くため処理能力がきわめて大きく,床面積も少なくてすむ。→超遠心機
→関連項目養蜂

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世界大百科事典 第2版の解説

えんしんぶんりき【遠心分離機 centrifuge】

回転する遠心力を利用して,混合状態にある固体と液体,液体と液体などを分離する機械。基本的な構造は,家庭にある洗濯物用の脱水機と同じで,回転する容器(ボウルという)とこれを囲うケーシングとから成る。回転容器はふつう円筒形で,上述の脱水機のように筒壁部分に孔のあるものと,孔のないものの2種ある。前者は結晶や沈殿物を含む液体(懸濁液スラリー)の分離用,後者は懸濁液だけでなく,2相の状態で共存する液体混合物(乳濁液)の分離の両用がある。

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大辞林 第三版の解説

えんしんぶんりき【遠心分離機】

固体と液体、または液体と液体の混合物から、それぞれを分離する装置。容器を回転させて遠心力を働かせ、被分離物の密度の差を利用して分離する。遠心機。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

遠心分離機
えんしんぶんりき

遠心力を利用して、混合している液体と固体を分離したり、または濾過(ろか)する機械。水分を含んでいる洗濯物から水分を取り除くために、電気洗濯機に付属している回転する円筒(脱水機)も遠心分離機の一種である。遠心分離機は回転する容器からできている。このうち回転円筒に穴のあいていないものは、微粒子、コロイドなどを比重の差を利用して分離するのに使用される。たとえば牛乳の脱脂、血漿(けっしょう)の分離などである。この際は毎分5000~1万回転の高速回転をする。脱水機のように円筒に穴のあいているものは、濾過用として使われ、遠心濾過機ともいう。砂糖の結晶分離、ジュースの液を清澄にするときなどに利用されている。
 遠心分離機は、重力の何倍の遠心力を生じるかによってその性能が表される。これを遠心効果とよんでいる。すなわち、
 遠心効果=(遠心加速度)/(重力の加速度)である。
 遠心力の大きさは、質量×半径×(角速度)2で表されるから、したがって遠心効果は、遠心分離機の半径と回転速度によって決まる。回転速度は毎分1000回転から数万回転のものまである。遠心効果100以下のものを低速遠心分離機、1万程度のものを高速遠心分離機、10万以上のものを超遠心分離機という。遠心分離機は、選鉱、製薬、食品など工業用に広く使用されている。[中山秀太郎]

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世界大百科事典内の遠心分離機の言及

【超遠心機】より

…限外遠心機ともいう。一般に,毎分回転数2万回以上,遠心力加速度が重力加速度の数万倍以上に達する遠心分離機をいう。T.スベドベリの創案によるもので,高分子物質などを溶液中で沈降させるのに使用される。…

※「遠心分離機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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