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核分裂物質カットオフ条約 かくぶんれつぶっしつかっとおふじょうやく Fissile Material Cut-off Treaty

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知恵蔵2015の解説

核分裂物質カットオフ条約

核兵器に使用可能な核分裂物質の生産の禁止と、核不拡散条約(NPT)で規定された核(兵器)保有国(米ロ英仏中)の核兵器用核分裂物質の保有量を制限する条約の構想。核兵器用核分裂物質の国際的な管理構想は第2次世界大戦直後に生まれたが、具体的な動きは冷戦末期からで、1995年にはカナダのジェラルド・E・シャノン(Gerald E.Shannon)国連軍縮大使が、条約制定に向けたあらゆる問題を検討する臨時委員会(シャノン委員会)の創設を提唱した。委員会は実現しなかったが、核分裂物質制限における最初の具体的提案となった。2003年には日本が中心となって条約の草案内容に関する非公式検討が開始された。しかし、条約制定には核保有国の反対が強く、04年7月、ブッシュ米政権は核兵器用物質の生産禁止は基本的に支持するが、検証は技術的に困難で経費もかかり、さらに各国の安全保障方針に妥協が求められるとして反対した。05年5月のNPT再検討会議では全く進展がなかったが、06年5月18日、米国はジュネーブ軍縮会議において検証措置は含まず、兵器用や核爆発用核分裂物質の生産を禁じる内容の条約草案を提出して同年内の合意を目指したが、条約履行の有効な検証は不可能として検証制度が盛り込まれていないため、各国の賛同を得られなかった。

(江畑謙介 拓殖大学海外事情研究所客員教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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