森林交付税(読み)しんりんこうふぜい

百科事典マイペディア 「森林交付税」の意味・わかりやすい解説

森林交付税【しんりんこうふぜい】

森林維持・保全のための新しい税制で,和歌山県東牟婁(ひがしむろ)郡本宮町の中山喜弘町長(当時)が提唱している。木材生産だけでなく,渇水洪水調節土砂の流出防止,大気浄化,野生生物の保護,レクリエーションの機会創出など,多面的・公益的な機能がある森林は,農山村に限らず人間が生活するうえで不可欠なものであり,それらを維持する費用は国民全体が負担するべきだという主張にもとづく。背景には林業の不振と中山間地域の財政困窮がある。 1992年には全国組織である森林交付税創設促進連盟が発足。また林野庁農林水産省とも農林業の多面的・公益的価値の再評価には積極的で,林野庁が森林の総合的機能価値を年間39兆2000億円(1991年)と試算,発表し,林業に対する国民の理解を求める姿勢を見せている。
→関連項目森林水源の森林づくり事業

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