椿市廃寺(読み)つばきいちはいじ

日本歴史地名大系 「椿市廃寺」の解説

椿市廃寺
つばきいちはいじ

[現在地名]行橋市福丸 上長町

京都みやこ平野の北西部に形成された小平野の西奥部にある古代寺院跡。現在旧伽藍の中心部の上に高野山真言宗願光がんこう寺が建つが、同寺境内には廃寺の講堂礎石や基壇、掘出されて移動された塔心礎が残る。昭和五二年(一九七七)・同五三年・同五四年と平成四年(一九九二)に発掘調査が行われ、金堂は未確認ながら講堂の位置と塔の推定位置から、主要建物が南北に並ぶ四天王寺式伽藍配置が想定されている。また掘立柱の回廊の存在も判明した。出土する軒瓦で最も多いのが、百済系の単弁軒丸瓦と重弧文軒平瓦で、創建瓦と推定されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android