楊太真外伝(読み)ようたいしんがいでん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「楊太真外伝」の意味・わかりやすい解説

楊太真外伝
ようたいしんがいでん

中国、宋(そう)代初期の伝奇小説楽史(がくし)(930―1007)の作。唐の陳鴻(ちんこう)の『長恨歌伝(ちょうごんかでん)』と同じく、玄宗楊貴妃(ようきひ)の悲劇を扱い、両者の出会いから、楊貴妃の死後、方士が玄宗にかわって仙界にいる楊貴妃に会いに行き、楊貴妃の伝言を預って戻り、それを玄宗に伝えるくだりまで、筋書きのうえでは『長恨歌伝』とほぼ同じ内容をもつ話だが、作者が歴史に詳しい人物であったためもあって、話中に多くの伝説異説を折り込み、『長恨歌伝』よりもはるかに詳しい話に仕立てあげられている。

高橋 稔]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「楊太真外伝」の意味・わかりやすい解説

楊太真外伝
ようたいしんがいでん

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世界大百科事典(旧版)内の楊太真外伝の言及

【楊貴妃】より

…翌年長安に帰った玄宗は隠密裏に改葬させたというが,その所在は不明である。《長恨歌》のあとも小説《楊太真外伝》をはじめ《梧桐雨》《長生殿》などの戯曲にいたるまで,貴妃に題材を求めた文学作品は多い。【藤善 真澄】。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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