楢山佐渡(読み)ならやま・さど

朝日日本歴史人物事典 「楢山佐渡」の解説

楢山佐渡

没年:明治2.6.22(1869.7.30)
生年天保2.5(1831)
幕末盛岡藩(岩手県)家老。名は五左衛門,のち隆吉と改名。隆冀の庶子として盛岡に生まれる。嘉永6(1853)年の三閉伊一揆直後に家老となり,家老南部土佐,若年寄石原汀,田鎖茂左衛門らを罷免して藩政改革を断行。慶応4(1868)年戊辰戦争の勃発により藩論が沸騰したが,指導権を掌握して藩論を統一し,奥羽越列藩同盟を結び,鹿角口より秋田に進攻。明治1(1868)年藩が官軍に降伏したので帰国,禁錮に処せられ,東京に護送されて芝の金地院,のち麻布邸にて幽囚の日を送る。明治2年盛岡報恩寺で刎首の刑に処せられた。<参考文献>『盛岡市史』(復刻)8巻

(細井計)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「楢山佐渡」の解説

楢山佐渡 ならやま-さど

1831-1869 幕末の武士
天保(てんぽう)2年5月生まれ。嘉永(かえい)6年陸奥(むつ)盛岡藩家老となり藩政改革をおこなう。慶応4年藩論を統一して奥羽越列藩同盟をむすび,出羽久保田藩(秋田県)を攻撃するが新政府軍に敗れ,明治2年6月22日刎首(ふんしゅ)刑となった。39歳。名は隆吉。通称は五左衛門。
格言など】花は咲く柳はもゆる春の夜にうつらぬものは武士(もののふ)の道(辞世)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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