楯縫東郷・楯縫西郷(読み)たてぬいとうごう・たてぬいさいごう

日本歴史地名大系 「楯縫東郷・楯縫西郷」の解説

楯縫東郷・楯縫西郷
たてぬいとうごう・たてぬいさいごう

現平田市東郷町・東福とうふく町・西郷町を中心とする地域に展開した中世郷で、古代の楯縫郡楯縫郷が中世的所領に転身する過程で、東西に分れて成立したものであろう。文永八年(一二七一)一一月日の杵築大社三月会相撲舞頭役結番帳では第六番に「楯縫東郷四十五丁九反三百歩」「同西郷三十五丁三百歩」とみえ、両郷ともに相撲を勤仕し、かつての地頭はいずれも朝山左衛門尉であった。朝山氏は神門かんど朝山あさやま(現出雲市)本拠とする出雲国衙最有力の在庁官人で、近隣の三津みつ庄の地頭でもあった。鎌倉末期と思われる経田断簡(鰐淵寺文書)には杵築大社(出雲大社)造替中の大般若経転読料田として「楯縫西郷内、七反小、牧戸村」とあり、鎌倉時代になると郷内には牧戸まきど村などの個別所領が成立、また鰐淵がくえん寺領も散在していたと推測される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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