極性化合物(読み)キョクセイカゴウブツ

化学辞典 第2版 「極性化合物」の解説

極性化合物
キョクセイカゴウブツ
polar compound

分子内に極性を有する化合物イオン結合からなる化合物はもちろん,共有結合性化合物でも,異なる元素からなるときは,電気陰性度の違いのために結合に電子分布の偏りが生じ,正負電荷重心が一致しなくなって極性化合物になる.極性化合物は,一般に大きな双極子モーメントを有する.結合に極性があっても,分子全体としては打ち消されて認められない場合も,その化合物を極性化合物とよぶことが多い.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「極性化合物」の意味・わかりやすい解説

極性化合物
きょくせいかごうぶつ
polar compound

分子が電気的極性をもつ化合物。イオン結合で結合している化合物は顕著な極性化合物である。共有結合化合物でも,分子中の正負の電荷の重心が一致しないで電気的双極子モーメントをもつものは極性化合物である。たとえば水,アルコール類,フェノール類,アンモニア,アミン類,ヨードホルムクロロベンゼンなどはこの例。これに対してメタンやベンゼン,p -ジクロロベンゼンなどは無極性化合物。

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世界大百科事典(旧版)内の極性化合物の言及

【極性】より

…分子または化学結合において電荷分布に偏りがあるとき極性があるといい,それぞれ極性分子polar molecule,極性結合polar bondと呼ぶ。また極性分子からなる物質を極性化合物,液体を極性液体polar liquid,あるいは極性溶媒polar solventと呼び,極性のある置換基を極性基と称する。極性分子は双極子モーメントをもち,誘電率が比較的大きく,その液体は他の極性分子やイオン結合化合物をよく溶かす。…

※「極性化合物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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