クロロベンゼン(読み)くろろべんぜん(英語表記)chlorobenzene

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロロベンゼン」の意味・わかりやすい解説

クロロベンゼン
くろろべんぜん
chlorobenzene

ベンゼン置換体の一つ。古くはクロロベンゾールといわれていた。独特のにおいのする無色液体鉄片塩化鉄触媒として塩素によりベンゼンの水素原子1個を塩素原子で置換することにより合成する。置換塩素化がさらに進むとジクロロベンゼンも生成するが、冷やすと結晶化するので除くことができる。銅を触媒として高温高圧アンモニアと反応させるとアニリンを生成し、水酸化ナトリウムと反応させるとフェノールとなる。多くの有機薬品、主要な染料中間体の原料として用いられるほか、溶剤としても利用されている。

[谷利陸平]


クロロベンゼン(データノート)
くろろべんぜんでーたのーと

クロロベンゼン

 分子式 C6H5Cl
 分子量 112.6
 融点  -45℃
 沸点  132℃
 比重  1.1064(測定温度20℃)
 屈折率 (n) 1.5248

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロロベンゼン」の意味・わかりやすい解説

クロロベンゼン
chlorobenzene

ベンゼンの水素1原子を塩素原子で置き換えた形の化合物。化学式 C6H5Cl 。沸点 132℃の液体。ベンゼンの塩素化によって合成される。フェノール,その他のベンゼン誘導体の合成中間体。

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