国指定史跡ガイド 「極楽寺境内-忍性墓」の解説
ごくらくじけいだいにんしょうのはか【極楽寺境内-忍性墓】
神奈川県鎌倉市極楽寺にある真言律宗の寺院。極楽寺は市の西部、鎌倉七口(ななくち)の一つである極楽寺坂切通(きりどおし)の近くにあり、中世鎌倉を代表する寺院で、山号は霊鷲山(りょうじゅさん)。本尊は釈迦如来、開基は北条重時で、開山は忍性。忍性は鎌倉末期の律宗の僧で字(あざな)は良観。叡尊(えいそん)・覚盛に師事し、鎌倉に光泉寺・極楽寺を開き、道路や橋梁を設けたり各地に悲田院や施薬院を建て、社会福祉事業に貢献。極楽寺は京鎌倉往還の鎌倉側の入り口に位置し、交通路の支配と防御の拠点で、忍性が活動の拠点とした寺院であることから、1927年(昭和2)に国の史跡に指定され、2008年(平成20)、指定範囲が追加された。忍性の墓は安山岩製総高357cmの大五輪塔で、地輪から忍性と慈済の銘文がある納骨器が出土した。江ノ島電鉄極楽寺駅から徒歩約3分。