榎崎B遺跡(読み)えのきざきBいせき

日本歴史地名大系 「榎崎B遺跡」の解説

榎崎B遺跡
えのきざきBいせき

[現在地名]鹿屋市郷之原町

高隈たかくま山地から流れる高須たかす川左岸に広がるシラス台地北東端に立地。旧石器時代、縄文時代早期・晩期、古墳時代、奈良―平安時代にかけての複合遺跡。平成一―三年(一九八九―九一)に発掘調査が行われた。旧石器時代細石器文化の時期の遺構は、ピット群二ヵ所・礫群九基が検出された。ピット群の一つはピットが集中しており、その周囲に調理施設と考えられる礫群が囲むように配置されている。両者は相互に関連した生活遺構と理解され、ピット群は簡易的な住居跡の可能性が指摘されている。このピット群内部は遺物が少ないが、近接して遺物量の多い区域がある。細石刃も多いことから、同区域は石器製作場であったと考えられている。礫群の下部には掘込みがなく、これは付近の白水しろみず西丸尾にしまるお遺跡、金峰きんぽう宇治野原うじのばる遺跡、入来いりき床並とこなみB遺跡などで確認された同時期の礫群と同様である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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