権世市野々村(読み)ごんぜいちののむら

日本歴史地名大系 「権世市野々村」の解説

権世市野々村
ごんぜいちののむら

[現在地名]金津町権世市野々

権世川の切開いた加越山地の谷間に位置する。当村から風谷かざたに峠を越えて加賀国風谷村(現石川県江沼郡山中町)に通ずる道が早くから開かれていた。天文三年(一五三四)加賀の大一揆と小一揆(朝倉孝景と同盟)とが加越国境で争った際の「朝倉始末記」の記事にも「又牢人衆当国牛ノ屋ヲ在陣トシテ、賀州上郡ヘ日々足軽ヲゾ出シケル。然処ニ、黒瀬左近四郎出陣スル体ニモテナシ、ウラガエリ、風谷ヲ越テ賀州ヘ行ケル程ニ、皆手ヲ失、打帰リヌ」と記されている。江戸時代には福井藩の口留番所が置かれ、番人が一人いた。御城代勤務諸覚書(松平文庫)中の権世市野々御番人ヘ被仰渡御条目(年未詳)には、

<資料は省略されています>

をはじめ、鷹・馬・鵜・奉書紙・楮ならびにいっさいの紙類・米穀・大豆・蝋・漆・油・鮭・刺鯖・鱈などの出入に関するものなどの指示がなされている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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