横笛草紙(読み)よこぶえぞうし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「横笛草紙」の意味・わかりやすい解説

横笛草紙
よこぶえぞうし

御伽草子(おとぎぞうし)。作者未詳。室町時代の成立。平重盛(しげもり)に仕える斎藤滝口(たきぐち)は建礼門院(けんれいもんいん)の侍女横笛を見初(みそ)め、やがて深い恋仲となったが、滝口の父は二人の結婚を許さない。世をはかなんだ滝口は嵯峨(さが)の往生院に遁世(とんせい)し、尋ねてきた横笛にもふたたび会おうとしなかった。横笛は絶望のあまり大堰(おおい)川に投身して果て、滝口は因果の身を悲しんで高野山(こうやさん)へ上り仏道修行に専念した。『平家物語』で知られる話と同材で、中世に数多い悲恋遁世談のなかでも、とくに哀れな物語として長く人口に膾炙(かいしゃ)した。

[松本隆信]

『市古貞次校注『日本古典文学大系38 御伽草子』(1958・岩波書店)』▽『大島建彦校注・訳『日本古典文学全集36 御伽草子集』(1974・小学館)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語 小学館

アジア諸国の友好と平和促進とを目的としたスポーツ大会。第1回は1951年にインドで開催。原則としてオリンピックの中間年に行われる。主催はアジア‐オリンピック評議会。→アジア冬季競技大会...

アジア競技大会の用語解説を読む