櫟谷神社(読み)いちだにじんじや

日本歴史地名大系 「櫟谷神社」の解説

櫟谷神社
いちだにじんじや

[現在地名]西京区嵐山元録山町

かつら川の南岸、渡月とげつ橋の南に鎮座。「延喜式」神名帳に載る葛野かどの郡「櫟谷イチイタニ神社」にあたる。左注に「松尾末社」とあり、中近世を通じて松尾まつお大社(現西京区)の末社七座の一で、近代も同じく境外摂社。祭神は櫟谷神、現在は宗像むなかた神を併祀。嘉祥元年(八四八)一一月二日無位より従五位下(続日本後紀)、貞観一〇年(八六八)閏一二月一〇日正五位下に叙され、同一二年一一月一七日には当社に近い葛野鋳銭所の新銭の早穂が奉じられた(三代実録)。また伝存する康治二年(一一四三)造立の女神像の墨書銘には願主親清、開眼は備後講師延尊の名が記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の櫟谷神社の言及

【松尾大社】より

…摂社の月読神社も《延喜式》で名神大社の扱いをうけ,安産守護の神としてまつられる。櫟谷(いちだに)神社は式内社で宗像神社とともに嵐山のふもとにあり,平安初期葛野鋳銭司に近く,新鋳銭を奉られたことがある。 平安前期に始まった神幸祭は4月下卯日,還幸祭は5月上酉日で渡御祭には摂末社合わせて7社(大宮,四大神,衣手,三宮,宗像,櫟谷,月読)の神輿が出て桂川の渡河の儀を行う。…

※「櫟谷神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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