大社(読み)タイシャ

デジタル大辞泉 「大社」の意味・読み・例文・類語

たい‐しゃ【大社】


きわめて大きな神社や、由緒ある名高い神社。
古く、神社を格式によって大・中・小に分けたうちの第一位の神社。
明治4年(1871)から実施された神社制度の社格で、官幣大社国幣大社のこと。社号としては出雲大社のみに許された。
出雲大社」の略。
[類語]神社神宮稲荷八幡鎮守本社摂社末社祠堂

おお‐やしろ〔おほ‐〕【大社】

出雲大社いずもたいしゃのこと。
「(丹波ノ出雲ハ)―をうつして、めでたく造れり」〈徒然・二三六〉
謡曲。脇能物観世金剛喜多流。観世弥次郎作。神無月朝臣あそんが出雲の杵築きづき大社にもうでると大神などが現れる。

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精選版 日本国語大辞典 「大社」の意味・読み・例文・類語

たい‐しゃ【大社】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 諸社の中で由緒ある規模の大きい神社。大所。
    1. [初出の実例]「今、但馬国出石(いつし)の郡に在る大社と為」(出典古語拾遺(807))
    2. [その他の文献]〔礼記‐祭法〕
  3. 社格が最上位の神社。古く神社の格式を大・小または大・中・小に分けたうちの第一位の神社。また特に、伊勢神宮八幡宮をさしていうこともある。
    1. [初出の実例]「謀大社者。徒一年。毀者遠流」(出典:律(718)賊盗)
  4. 明治四年(一八七一)に定められた神社制度の社格で、官幣大社・国幣大社の略称。また特に、出雲大社をさしていうこともある。

おお‐やしろおほ‥【大社】

  1. [ 一 ] ( 「いずものおおやしろ(出雲大社)」の略 ) 出雲大社(いずもたいしゃ)をいう。
    1. [初出の実例]「丹波に出雲と云ふ所あり。大社をうつして、めでたくつくれり」(出典:徒然草(1331頃)二三六)
  2. [ 二 ] 謡曲。脇能物。観世・金剛・喜多流。観世彌次郎長俊作。神無月に出雲の大社に諸国の神々が集まって、にぎやかな神遊びをするという祝福の曲趣。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大社」の意味・わかりやすい解説

大社
たいしゃ

島根県北部、簸川郡(ひかわぐん)にあった旧町名(大社町(まち))。現在は出雲市(いずもし)の北西部を占める地域。島根半島西端に位置する。旧大社町は、1925年(大正14)杵築町(きづきまち)と杵築村が合併して成立。新町名は出雲大社の鳥居前町門前町)であることによる。1951年(昭和26)荒木日御碕(ひのみさき)、鵜鷺(うさぎ)、遙堪(ようかん)の4村と合併。2005年(平成17)出雲市に合併。一畑(いちばた)電車、国道431号が通じる。南西部の砂丘地は古くは綿作で知られ、現在は種なしブドウの産地となっている。大国主命(おおくにぬしのみこと)を祀(まつ)る出雲大社のほか、式内社日御碕神社出雲日御碕灯台(国の重要文化財)、経(ふみ)島ウミネコ繁殖地(国の天然記念物)などがある。海岸一帯は大山隠岐(だいせんおき)国立公園域。

小松 聰]

『『大社の史話』(1978・大社史話会)』『『大社町史』全6冊(1991~2008・大社町)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大社」の意味・わかりやすい解説

大社
たいしゃ

島根県北東部,出雲市北西部の旧町域。島根半島西端に位置し,日本海に臨む。1925年町制。1951年荒木村,日御碕村,鵜鷺村,遥堪村の 4村と合体。2005年出雲市,平田市,佐田町,多伎町,湖陵町の 2市 3町と合体して出雲市となった。古くは杵築(きづき)と呼ばれ松江藩の米の積出港出雲大社の門前町として発展。1912年の一畑電鉄大社線開通後,駅通りに鳥居前までの町並みができた。神戸川河口周辺の砂丘地では明治初期までは綿花,近年はブドウ,メロン栽培が行なわれる。国譲の神話で知られる稲佐浜や,北部に日御碕,大社の西に出雲の阿国の墓がある。出雲大社本殿と社宝の秋野鹿蒔絵平箱,日御碕神社の社宝白絲威鎧はそれぞれ国宝。経島ウミネコ繁殖地,日御碕の大ソテツは国指定天然記念物。日御碕付近の海域は島根半島海域公園地区に,海岸一帯は大山隠岐国立公園に属する。

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百科事典マイペディア 「大社」の意味・わかりやすい解説

大社[町]【たいしゃ】

島根県北東部,日本海に面する簸川(ひかわ)郡の旧町。古く杵築(きづき)といい,出雲大社の門前町として発達。一畑(いちばた)電車が通じる。砂丘ではブドウの栽培が盛ん。稲佐浜(いなさのはま)は遠浅の砂浜で全国から出雲大社に集まる神々の上陸地とされ,陰暦10月10日に神迎え神事が行われる。海水浴場でもある。日御碕(ひのみさき)がある。2005年3月平田市,簸川郡佐田町,多伎町,湖陵町と出雲市へ編入。41.80km2。1万6258人(2003)。

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改訂新版 世界大百科事典 「大社」の意味・わかりやすい解説

大社 (たいしゃ)

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普及版 字通 「大社」の読み・字形・画数・意味

【大社】たいしや

国の冢社

字通「大」の項目を見る

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「大社」の解説

大社
たいしゃ

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
文政1.5(江戸・都座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の大社の言及

【社号】より

…祭神名,鎮座地名,祭場・祭祀の由来等によって名付けられる場合が多い。おのおのの神社は,その由緒によってそれぞれの固有呼称を有するが,長い神社制度史の中で神宮号,宮(ぐう)号,大社号,神社号など幾つかの称号が生じた。大神宮,神宮といえばすなわち伊勢神宮のことであるが,このほか皇室にゆかりの深い社などが神宮号を有する。…

【杵築】より

…出雲国(島根県)の地名。出雲大社の門前町。地名由来は《出雲国風土記》の神門(かんど)郡杵築郷の条に記してある所造天下大神(あめのしたつくらししおおかみ)の宮処を築いたことによる。…

※「大社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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