止め手(読み)とめて

精選版 日本国語大辞典 「止め手」の意味・読み・例文・類語

とめ‐て【止手・留手・泊手】

  1. 〘 名詞 〙
  2. [ 一 ]
    1. 動いているものなどを止める役の人。
    2. 他人に思いとまるように勧める人。
      1. [初出の実例]「折檻にふり上る杖を、脇から留手(トメテ)がおそければ」(出典浮世草子傾城歌三味線(1733)五)
    3. とめやく(止役)
      1. [初出の実例]「草深い中だけにとめ手(テ)がないのでくたびれるまで泣いて仲直りした記憶もあった」(出典:黒い眼と茶色の目(1914)〈徳富蘆花〉二)
  3. [ 二 ] ( 泊手 ) 宿泊させてくれる人。
    1. [初出の実例]「扨はとめてがあらばとまらせられうとの御事で御ざるか」(出典:虎明本狂言・腹不立(室町末‐近世初))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の止め手の言及

【調子】より

… これら六調子の名称は,太食調の場合を除き,それぞれの宮の音にもとづいているが,実際の楽曲では,それらの音はかならずしも一曲の全体を支配するような機能をもっているとはかぎらない。しかし楽曲の演奏は,原則として各調子ごとに用意されている止め手,あるいは吹止め句を添付して終止させることになっており,その止め手や吹止め句は,いずれも各調子の宮で終止するから,楽曲の終止音に関しては,その曲が所属する調子の宮と一致する。しかし,六調子にとって,むしろそれ以上に重要なのは,各調子にはそれぞれ特有の旋(めぐ)り,すなわち旋律の動き方があることである。…

※「止め手」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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