六訂版 家庭医学大全科 の解説
正しいお酒との付き合い方
(肝臓・胆嚢・膵臓の病気)
欧米諸国では啓発活動の浸透によりアルコールの消費量は最近、減少傾向を示しています。日本でも一時のワインや発泡酒のブームが去り、アルコールの消費量は横ばいとなっています。
健康診断を受診した人が最も気にしていることのひとつは、「肝臓にお酒による障害がないか」ということです。酒は百薬の長といわれ、とくに持病のない人にとっては適度の飲酒は健康によいとされているのに、これではお酒は悪者扱いです。これはマスコミなどを通じた「適量の飲酒」に関する啓発が不十分であることを示しているのかもしれません。
アルコールを50~60g(日本酒なら2合、ビールの大瓶なら2本、ウイスキーならダブルで2杯)飲むと、健康な人では血中アルコール濃度が0.1%ほどの「ほろ酔い」状態で心地よく感じられます。1日量をこの程度で週2~3回にして、バランスがとれた食事をとることが、健康な人における正しいお酒との付き合い方です。
しかし、肥満や糖尿病、脂質異常症、痛風などの持病がある場合には、飲酒が持病に悪影響を及ぼすこともあるので、主治医とよく相談してください。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報