正倉院 螺鈿紫檀五絃琵琶

山川 日本史小辞典 改訂新版 の解説

正倉院 螺鈿紫檀五絃琵琶
しょうそういんらでんしたんのごげんびわ

正倉院に伝わる5弦の琵琶五弦琵琶インド起源をもつとされ,中国西域の壁画などに描かれているが,遺品としては正倉院のものが唯一。捍撥(かんばち)(撥受け)は瑇瑁(たいまい)地に螺鈿で西域の風俗の人物がラクダに乗り奏楽する図を表し,槽(そう)(背面)は紫檀材で,螺鈿により大宝相華文・鳥・雲などを表す。意匠や材料など国際性に富むことから,唐からもたらされたと考えられる。「東大寺献物帳」所載品で,正倉院の代表的宝物。長さ108.1cm。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報