正平版(読み)しょうへいばん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「正平版」の意味・わかりやすい解説

正平版
しょうへいばん

南北朝時代の1364年(正平19・貞治3)に泉州堺(さかい)の道祐居士(どうゆうこじ)が出版した魏(ぎ)の何晏撰(かあんせん)『論語集解(ろんごしっかい)』10巻をいう。世に「正平版論語」と称され、『論語』の日本最初の印刷本として、また博士家(はかせけ)伝来古写本をテキストとしていることによって有名である。1364年刊行の初刻本、それをのちに覆刻した単跋本(たんばつぼん)、無跋(むばつ)本、双跋(そうばつ)本(本文一部補入あり)や、双跋本を1499年(明応8)に覆刻した明応(みょうおう)本などの版がある。

[金子和正]

『川瀬一馬著「正平本論語攷」(『日本書誌学之研究』所収・1943・大日本雄弁会講談社)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む