拳銃(読み)ケンジュウ(その他表記)handgun

翻訳|handgun

デジタル大辞泉 「拳銃」の意味・読み・例文・類語

けん‐じゅう【拳銃】

片手で操作できる小型の銃。ピストル。短銃。
[類語]鉄砲銃器飛び道具ピストル短銃はじき機関銃機関砲小銃ライフル猟銃火縄銃散弾銃空気銃大砲迫撃砲ショットガンエアガンマシンガンカービン銃バズーカ砲ガス銃ガトリング銃カラシニコフ騎銃救難銃軽機関銃ゲベール銃高圧電流銃三八式歩兵銃実銃自動拳銃自動小銃重機関銃準空気銃水中銃スタンガンスナイドル銃短機関銃単身銃単発銃鳥銃二連銃村田銃モーゼル銃連発銃遊戯銃玩具銃模型銃光線銃水鉄砲豆鉄砲紙鉄砲威し鉄砲空鉄砲剣付き鉄砲竹鉄砲ふところ鉄砲山吹鉄砲トイガンモデルガンエアソフトガンエアライフルビームライフル

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精選版 日本国語大辞典 「拳銃」の意味・読み・例文・類語

けん‐じゅう【拳銃】

  1. 〘 名詞 〙 片手に持って発射できる小型の銃。短銃。ピストル。〔五国対照兵語字書(1881)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「拳銃」の意味・わかりやすい解説

拳銃
けんじゅう
handgun
pistol

ピストルともいい、片手で持って射撃できる小型の銃のことをいう。現在、自動装填(そうてん)式のセミオートマチック・ピストル(自動装填式拳銃/自動拳銃)と、回転する蓮根(れんこん)状の弾倉を備えたリボルバー(回転式拳銃)が、もっとも多数製造され使用されている。このほかに射撃スポーツに用いられる単発の製品や、複数の銃身をまとめた連発拳銃、手動で連発できるものなどもある。

[床井雅美]

現代拳銃の形式

自動装填式拳銃は、あらかじめ銃身内に装填された弾薬が撃発されると、射撃の反動などを利用して発射済みの空薬莢(からやっきょう)(カートリッジ)を排出し、続いて箱型をした弾倉(ボックスマガジン)の中に収めた弾薬を、自動的に銃身内に送り込んで、次の弾薬の発射準備を整える形式のものをいう。次の弾薬を撃発・発射するためには、一度引き金を緩めて引き直す必要がある。軍用などの特殊な目的には、引き金を引いている限り発射し続けるフルオートマチック・ピストル(全自動拳銃)もつくられた。

 回転式拳銃は、上述のように蓮根状の回転する弾倉(シリンダー)に弾薬を装填して、連発射撃できる形式の拳銃である。射撃方式として、引き金を引くだけで次々に連発できるダブルアクションと、ハンマー(撃鉄(げきてつ))を毎回起こしてから引き金を引くシングルアクションの2形式がある。

 単発の拳銃には、レバーアクションやボルトアクションなど機関部後端を開いて弾薬を装填するブリーチローダー(後装)や、銃身を回転させて中折れ式に弾薬を装填するものなど、多くの形式がある。

 複数の銃身をもつ拳銃は、リボルバーが発明される以前に連発式の主流であったが、重くかさばるため現在ではごく限られた特殊なものが製造されているだけである。

 手動連発式の拳銃は、自動装填式のさきがけとして製造されたものが始まりである。現在製造されている手動式拳銃は、大きな弾薬を小型の拳銃で射撃するためのものなどの特殊な拳銃に限られている。

[床井雅美]

第二次世界大戦で使用された拳銃

第二次世界大戦では、軍用拳銃としておもに自動装填式拳銃が使用された。第二次世界大戦で使用された代表的な拳銃には、ドイツ軍の使用したダブルアクションのワルサーPPKやワルサーP38、アメリカ軍の使用した大口径のM1911A1ピストル(コルト・ガバーメント・モデル)、イタリア軍の使用した小型のベレッタM1934ピストル、ソ連の使用した単純な構造のトカレフTT1933、日本軍の使用した十四年式拳銃や九四式拳銃などがある。旧式のリボルバーも補助的に各国で使用された。なかでもイギリス軍は、エンフィールド・リボルバーやウェブリー&スコット・リボルバー、アメリカ製のスミス&ウェッソンビクトリー・リボルバーを多数使用した。

[床井雅美]

現代軍用、警察用拳銃

現在軍用の拳銃だけでなく、警察用の拳銃も自動装填式拳銃に転換しつつある。各国で軍用、警察用に使用されている拳銃は数多いが、代表的な製品にベレッタM92F(イタリア原案)、グロックM17(オーストリア)、SIGザウアーP220シリーズ(スイス/ドイツ)、ヘッケラー&コッホP7M8(ドイツ)、マカロフ・ピストル(ロシア原案)などがある。警察用としてリボルバーの使用を続ける国も少なくない。

[床井雅美]

射撃用拳銃

射撃競技スポーツ用拳銃を製造するメーカーとして、スイスのヘンメリー社、ドイツのワルサー社、ドイツのアンシュッツ社などが有名である。射撃競技専用のエア・ピストルは、ヘンメリー社、ワルサー社、ドイツ・ファインエルグバウ社などが製造している。

[床井雅美]

拳銃の発展史

拳銃の起源は、銃砲と重なっている。中国で発明された火薬と原始的な銃砲は、アラビア人の媒介で13世紀前半にヨーロッパに伝わった。14世紀になるとドイツなどで原始的な火砲がつくられるようになったが、初めは技術的に小型にすることがむずかしかった。

 最初に拳銃についての記述がみられるのは、1364年にイタリア人のグラチーニの著した『イタリア歴史文庫』Archivio Storico Italianoのなかである。この書籍中に、全長190ミリの短いローマンキャンドルが、スパンspanの名前で記述されている。1364年に刊行された『現代百科事典』Chronicles di Modernaには、軽量の短い銃砲が、ソシオッピscioppiの名前で記述された。英語のハンドガンが初めて記述されたのは1386年のことだった。1449年に著わされた書籍に、当時の騎兵が騎乗して使用する全長180ミリの銃身の銃砲のことを、ペトロネルpetronelとよんでいたことが記述されており、この呼び名が、後の拳銃を表わすピストルpistolの語源ではないかとされている。

 片手で銃砲を扱うには、火縄を手に持って着火する初期のタッチホールロックでは不可能である。機械的な発火装置マッチロック(火縄式)が14世紀末に発明されて片手で射撃することが物理的に可能になった。だが、火薬の圧力に耐える銃身を軽く製造するには、さらに技術的な向上など時間がかかった。

 マッチロックが開発されると、初め全長の短い単発の拳銃が開発された。続いて、複数の銃身を備えた連発式拳銃や、回転式の弾倉を備えた回転式拳銃が試された。これらの考案は発火方式が、火打石を利用したフリントロック(燧石(すいせき)式)、火薬による点火のパーカッションロック(管打(かんだ)式)にかわるたびに繰り返し製品化された。

 拳銃が大きく変わるのは、18世紀に入って金属製のカップに弾丸、発射薬、雷管を一体化した薬莢(カートリッジ)が発明されてからである。薬莢が一般化すると、すでに高い発展段階にあった回転式拳銃は、弾薬の再装填が容易になり、さらに操作性のよいものになった。薬莢式の弾薬は、あらかじめ弾倉に装填した弾薬を、一本の銃身に次々と送り込んで射撃する連発式拳銃の可能性を生み出した。18世紀中ごろまでに、複数の銃身をもつ連発式拳銃や回転式拳銃は、点火・撃発方式を除けば、ほとんど現代の回転式拳銃と変わりないほどの発展を遂げた。

 1880年代に銃砲の発明家たちは、弾薬を自動的に銃身へ送り込んで連発射撃できる、いわゆるオートマチック・ピストル(自動式拳銃)の発明を競った。最初に実用化されたのは、おもにドイツやオーストリアで発明された、指でレバーを動かして弾薬を次々に銃身に送り込み連発する、ハンド・リピーティング・ピストル(外力利用式拳銃)だった。

 19世紀末になると、アメリカではジョン・M・ブローニング、ヨーロッパのドイツではゲオルグ・ルガー、フォン・パウル・マウザーなどが、弾薬を発射する際の反動を利用して発射済みの空薬莢を排除し、新たな弾薬を自動的に銃身に送り込んで連発する自動装填式拳銃を、次々に開発して実用化した。19世紀末から20世紀初頭にかけて、この3名の発明家だけでなく、数多くの発明家によって多数の自動装填式拳銃が発明されて製品化された。なかでも、ブローニングによって完成された構造は、単純かつ合理的だった。現代の多くの自動装填式拳銃も、原理的にはブローニングが提唱した構造を利用している。ブローニングは、拳銃だけでなく、自動装填式拳銃で使用する専用の弾薬も設計し、その多くの弾薬はACPの名前で現在でも使用され続けている。

[床井雅美]

日本の拳銃の変遷

日本初の国産近代拳銃は、東京造兵廠(ぞうへいしょう)で設計された回転式の二十六年式拳銃で、1893年(明治26)に軍用拳銃として陸軍に採用された。その後、南部麒次郎(なんぶきじろう)(1869―1949)によって南部式自動拳銃が開発されて、日本海軍の制式拳銃に選定され、タイや中国などにも輸出された。

 南部式自動拳銃を原型に十四年式拳銃が開発され、これは1925年(大正14)に軍の制式拳銃となり、大量に製造されて第二次世界大戦で日本陸軍と海軍で使用された。航空機パイロットや戦車兵用に小型軽量の拳銃の要請が高まり、1934年(昭和9=皇紀2594)には九四式拳銃が制定されて生産された。

 現在、日本の自衛隊は、SIGザウアーP220を制式拳銃に選定し、ライセンス国産させて供給を受けている。日本の警察は、主力の国産ニューナンブM60回転式拳銃のほか、ライセンス生産の自動装填式拳銃SIGザウアーP230日本型、輸入されたワルサーPPK/Sなどを使用している。

[床井雅美]

拳銃に関する法律

拳銃は、隠し持つことが可能で、犯罪に使用される恐れがあるところから、各国とも所持制限を加えている。先進諸国では、所持規制が基本的に私有財産の制限につながるところから、拳銃を射撃スポーツ用として所持許可を出している。

 所持許可範囲は、特定の口径を除外する国、所持台数を制限する国などさまざまである。また多くの国で、射撃場などで使用するための所持許可証と、弾薬を装填して体につけて携帯するための携帯許可証を、別の許可基準で発行している。社会的観点から、犯罪者、麻薬中毒患者、精神病患者などを所持許可の対象から外している国も多い。アメリカでは、すべての短銃購入希望者の犯罪歴や精神障害歴の調査を義務づけたブレイディ法が1993年に成立、1994年には攻撃性が高く軍用に準じた襲撃用の自動小銃などの製造、販売、所有を禁止する犯罪防止法が成立した。

 日本では、銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)によって、民間人の拳銃所持は、例外的に許可されるスポーツ射撃用を除き、基本的に禁止されている。この法律では、火薬を使用して弾丸を発射する拳銃だけでなく、空気圧やガス圧で一定以上のエネルギーで金属製弾丸を発射する拳銃や、現状で発射できなくても、容易な改造によって金属製弾丸を発射できる拳銃も規制の対象にしている。このような規制法は、先進諸国のなかではもっとも厳しいものである。民間人の拳銃所持を厳しく取り締まる同様の法律は、旧社会主義国や、一部開発途上国、独裁国家にしかみられない。日本で拳銃の所持が許可されているのは、職務上その必要があると認められる自衛官、警察官、厚生労働省麻薬捜査官、国土交通省海上保安官などの国家公務員に限られる。なお、火縄式やフリントロック式、パーカッション式などの古式拳銃は、とくに文化財として価値のあるものを対象として、文化庁が登録証を出して所持を許可している。これらの古式拳銃を射撃に使用することは原則として禁止されている。

[床井雅美]


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改訂新版 世界大百科事典 「拳銃」の意味・わかりやすい解説

拳銃 (けんじゅう)

ピストルあるいはハンドガンhand gunともいう。おもに護身を目的とする着装武器で,構造により(1)単発式(シングル・ショット・ピストルsingle-shot pistol),(2)回転式(リボルバーrevolver),(3)半自動式(セミオートマティック・ピストルsemiautomatic pistol)に大別される。このうち半自動式は,一般に自動拳銃またはオートマティックと呼ばれているが,機構的には引金を引いたのちの発射→排莢(はいきよう)→送弾のサイクルが自動化されているだけで,機関銃のように連射できる全自動式というわけではない。ふつう拳銃の威力は口径,銃身長,使用弾薬の大小に比例すると見られるが,最終的には作動および精度など拳銃の性能と,装薬の質と量から弾頭の形状といった弾薬の性能との相乗効果により,総合的に評価される。用途は軍用,警察用,民間の護身およびスポーツ用に分かれる。軍用拳銃はおもに航空機や戦車の搭乗員あるいは将校などの着装武器として,.45口径オートマティックが多用されている。これに対し警察用としては,片手操作が容易なリボルバーが好まれ,私服刑事には持ち運びの目だたぬ小型モデルが重宝がられている。警察拳銃は,威嚇による相手の行動制約あるいは一般市民と自己の生命を脅かす行動阻止が目的で,銃犯罪多発のアメリカでは,.45オートマティックを制式採用している警察署も多い。スポーツ拳銃は,ターゲット・モデルと称する標的射撃専用拳銃があり,このほかにアメリカでは狩猟用として各種拳銃を携行することも流行している。護身用として個人の拳銃所持が公認されているのはアメリカくらいのものだが,アメリカでも許可は家庭内常備にかぎられ,特別許可がなければ拳銃の携行は許されていない。また新たな傾向としては,限定核戦争や食糧危機などの非常事態を想定して,暴徒の略奪から一家を守り自活を目指すための“サバイバル・ガン”の発想と用途がアメリカでは生まれている。

今日の概念に最も近い形で登場した最初の拳銃は,16世紀初頭の火縄式短筒だが,湿気に弱く生火の常備を必要とする火縄式では実用性に乏しかった。その点火装置が火打石を利用したフリントロック式になる17世紀に入ると,拳銃はヨーロッパで騎兵の着装武器に制式採用されて実用化を果たした。このフリントロック拳銃は,1620年にメーフラワー号のイギリス清教徒らとともに北アメリカ大陸に上陸する。やがてこの大陸が拳銃生産のメッカになるわけだが,17世紀から18世紀にかけてはイタリアのブレシア地方が,年間4万挺にものぼる拳銃生産の中心地だった。19世紀に入ると,衝撃で火花を散らす雷酸塩と撃発(パーカッションpercussion)装置が開発され,それまでの“着火”は“撃発”へと改まる。さらに1812年になるとスイスのポウリーSamuel Johannes Pauly(1766-1820)が薬筒(カートリッジcartridge)を発明した。従来は発射薬,ワッド(詰めもの),弾頭を別々に銃腔にこめていたが,それが単体にまとめられたのである。こうした撃発装置と薬筒の出現が,マズルローダー(先ごめ式,弾丸を銃口から装てんする方式)からブリーチローダー(元ごめ式,弾丸を銃尾から装てんする方式)への転換とあいまって,拳銃メカニズム近代化の基盤となった。と同時に,その発展の場はアメリカへ移った。1834年S.コルトは,銃工ジョン・ピアソンの協力をえてパーカッション・リボルバー1号を完成,35-36年にイギリス,アメリカ両国で回転式弾倉の特許を取得した。またコルトは1847年に陸軍から大量の拳銃を受注した際,かねてから着眼していたホイットニービルの工場と契約し,初めて拳銃量産化の道を開いた。同工場創設者の初代E.ホイットニーは綿繰機の発明で知られるが,さらに小銃の量産化を互換性部品の分業生産と組立てラインにより達成して,アメリカ独自の生産様式に先鞭をつけている。コルトが同種様式完備の自社工場を建設したのは1855年のことであった。その前年に発足後2年を経たスミス・アンド・ウェッソン社が,アメリカ初の実用金属薬筒を開発,1858年には同薬筒専用リボルバーの販売に乗り出した。こうして軌道に乗ったアメリカにおける拳銃生産と普及は,18世紀から19世紀にかけての西部開拓史と,それに続く南北戦争を背景とし,なかでも機動性重視の騎兵隊が拳銃を着装武器として愛用したことが,需要と性能の向上に大きく貢献した。一方,その間にヨーロッパは,自動拳銃全盛期を迎えていた。ただアメリカでもコルト社だけは自動拳銃の将来性を予測して,1898年に初の試作モデルを,陸軍の評価テストに供している。これを契機にリボルバーの人気が根強いアメリカでも,自動拳銃の堅牢性と威力が見直される。そして第1次世界大戦以来,今日まで広く使用されているコルトM1911,コルトM1911A1が,ブローニングJohn M.Browning(1855-1926)の協力で登場した。
鉄砲
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百科事典マイペディア 「拳銃」の意味・わかりやすい解説

拳銃【けんじゅう】

ピストルともいう。護身用または至近距離戦闘用の片手で操作できる小型軽火器。引金を引くたびに弾丸を発射し同時に次弾の装填(そうてん)が自動的に行われる。弾数は通常6〜10発。口径はインチ単位で表し,45口径は45/100インチのこと,ほかに38・32・25・22口径など。重量は0.5〜1.3kg。5〜20mの射程で使用。銃身後部に蓮根(れんこん)状の弾倉をもつ回転拳銃(リボルバー)と,銃把(じゅうは)の内部が弾倉になっている自動拳銃(オートマチック)に大別される。前者は1835年米国のコルトが撃鉄を起こすと回転弾倉が連動するシングルアクションのコルト式回転拳銃の特許をとり,のち引金を引くと撃鉄が起き弾倉が回転するダブルアクションも発明された。自動拳銃では発射時の反動と弾倉ばねにより排莢(はいきょう)と次弾装填が行われる。特殊な拳銃としては信号弾用,催涙ガス弾用,競技用などもある。→小銃

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「拳銃」の意味・わかりやすい解説

拳銃
けんじゅう
pistol

ピストル,短銃とも呼ばれる。軍用または護身用の片手で操作できる小型の軽火器。 14世紀頃発明され,片手で使えることが利点となって,小銃と対となって同時に発達した。現在のものは弾数は6~18発であるが,大型弾倉を着けて数十発発射できるものもある。口径は,インチ数で表わすと,45 (約 11mm,おもに軍・警察用) ,38,32,25,22口径などがある。重量は 500~1300g,射程は普通5~20mであるが,50mに達する大口径のものもある。構造上,自動式 (オートマチック) と回転式 (リボルバー) があり,自動式は握りの内部が弾倉になっていて,発射の反動で遊底が後退し,空の薬莢をはじき出して次弾を装填する。回転式は輪胴 (れんこん形の弾倉) が回転して次弾が発射位置にくるようになっている。ほかに特殊なものとして発煙弾を打上げる信号拳銃,催涙ガス用のガス拳銃などがある。近代的拳銃の生産は 18世紀末のアメリカで始り,単発式から連発式になったのは 19世紀初めである。

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デジタル大辞泉プラス 「拳銃」の解説

拳銃

米国の作家エド・マクベインの小説(1976)。原題《Guns》。『魔の拳銃』の邦題もある。

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