正道官衙遺跡(読み)しょうどうかんがいせき

国指定史跡ガイド 「正道官衙遺跡」の解説

しょうどうかんがいせき【正道官衙遺跡】


京都府城陽(じょうよう)市寺田正道にある官衙跡。南山城、木津川東岸の標高40~50mにある南向きの丘陵末端に位置する。台地西端の池畔で瓦片や土器片が見つかって古代寺院があったと推定されたことから、当初は地名を取って正道廃寺跡と名づけられた。しかし、その後の発掘調査で、南を築地で限られた区画に奈良時代の郡衙(ぐんが)(役所)の中心部分と推定される掘立柱建物群跡が発見され、正道遺跡と改名された。さらに発掘調査を続けた結果、遺跡西側にも建物群跡のあることがわかり、5世紀の小規模な古墳と6世紀後半~7世紀の集落遺構、7世紀以降の整然と配置された大型の掘立柱建物群からなる官衙遺構などが重なり合う複合遺跡と確認された。とくに官衙遺構は、歴史・地理的背景や出土遺物などから、奈良時代の山城国久世(くぜ)郡の郡衙中心部であると推定される。遺跡は発掘調査後、埋め戻されて長い間広場になっていたが、史跡公園として遺構の一部が復元され、遺跡跡地は芝生や万葉植物を配した史跡広場として整備されている。1974年(昭和49)に国の史跡に指定され、2006年(平成18)に追加指定を受けた。JR奈良線城陽駅から徒歩約15分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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