武井昭夫(読み)たけいてるお

百科事典マイペディア 「武井昭夫」の意味・わかりやすい解説

武井昭夫【たけいてるお】

批評家,思想運動家。神奈川県横浜市出身。旧制東京高校卒業。東京大学文学部在学中の1948年,全学連結成に参加,初代委員長となる。日本共産党の1950年の分裂問題の際には国際派に属して除名される。その後,日本共産党に復帰し,新日本文学会で花田清輝大西巨人らと活動,文学,映画,演劇評論で活躍するが,60年安保闘争で,日本共産党の指導方針に反対し,花田らとともに除名される。70年,新日本文学会を離脱し〈活動家集団思想運動〉を結成,以後はこの運動の機関紙《思想運動》・評論誌《社会評論》を拠点に活動を続けた。一貫してソ連キューバ北朝鮮の社会主義革命と体制を支持し,ソ連崩壊の後もその姿勢を変えなかった。著作に《武井昭夫批評集》3巻など。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「武井昭夫」の解説

武井昭夫 たけい-てるお

1927-2010 昭和後期-平成時代の文芸評論家。
昭和2年1月29日生まれ。昭和21年共産党に入党(のち除名)。東大在学中全学連初代委員長となり,中退後,新日本文学会にはいる。31年吉本隆明との共著「文学者の戦争責任」で注目される。奥野健男,吉本隆明らと「政治と文学」論争を展開。ほかに「創造運動の論理」「批評の復権」などを発表。47年新日本文学会を退会,雑誌「社会評論」などで活躍した。平成22年9月2日死去。83歳。神奈川県出身。著作に「創造運動の論理」「層としての学生運動」など。

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