奥野健男【おくのたけお】
評論家。東京生れ。東京工業大学卒業。在学中に吉本隆明と知り合う。また《大岡山文学》に《太宰治論》を発表して注目される。以降旺盛な評論活動を展開,1972年の《文学における原風景》では,都市文学論に先鞭をつけるとともに,〈原風景〉という一種の流行概念を生んだ。1984年,評論《〈間〉の構造》で平林たい子文学賞,《三島由紀夫伝説》で1993年度芸術選奨文部大臣賞を受賞。《奥野健男文学論集》全3巻,《奥野健男作家論集》全5巻。
→関連項目井上光晴
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奥野健男 おくの-たけお
1926-1997 昭和後期-平成時代の文芸評論家。
大正15年7月25日生まれ。奥野健一の長男。東芝中央研究所に勤務,大河内記念技術賞などをうけた化学技術者でもあった。昭和31年「太宰治(だざいおさむ)論」を刊行して注目され,33年同人誌「現代批評」を創刊。作家論にすぐれ,「坂口安吾」「伊藤整論」などもあらわす。59年「“間”の構造」で平林たい子文学賞,平成6年「三島由紀夫伝説」で芸術選奨。多摩美大教授をつとめた。平成9年11月26日死去。71歳。東京出身。東京工業大卒。
出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例