山川 世界史小辞典 改訂新版 「武帝〔前漢〕」の解説
武帝〔前漢〕(ぶてい)
Wudi
前156~前87(在位前141~前87)
姓名は劉徹(りゅうてつ)。前漢の第7代皇帝。国家統一を完成し,漢の全盛時代を現出した専制君主。北は匈奴(きょうど)を討ち,西は西域諸国を経略し,南は閩越(びんえつ),南越,西南夷(い)を征し,東は朝鮮に楽浪郡以下4郡を置いて支配領域を広げた。内治では儒教による思想界の統一を図り,諸侯を抑え,郷挙里選(きょうきょりせん)の法により新官僚を登用し,元号を制定して,中央集権の実をあげた。反面財政難打開のため,塩鉄の専売,均輸法,平準法などの統制経済政策を強行したが,のちには不評を生み,人心不穏のうちに没した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報