郷挙里選(読み)キョウキョリセン

デジタル大辞泉 「郷挙里選」の意味・読み・例文・類語

きょうきょ‐りせん〔キヤウキヨ‐〕【郷挙里選】

中国代に行われた官吏登用制度。郷里の有能な者、有徳者地方長官が官吏に推薦するもの。

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精選版 日本国語大辞典 「郷挙里選」の意味・読み・例文・類語

きょうきょ‐りせんキャウキョ‥【郷挙里選】

  1. 〘 名詞 〙 漢代に行なわれた官吏登用制度。郷里における人物批評を重視する儒教理想に基づき、地方長官に官吏となる人物を推薦させる方法実際には郷里に勢力のある豪族子弟が多く推挙された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「郷挙里選」の意味・わかりやすい解説

郷挙里選
きょうきょりせん

中国、漢代に行われた官吏登用法の一つ。「郷より挙げ、里から選ぶ」の意。地方から人格、能力とも優れた者を有力者に推薦させて、これを官吏として採用する方式在野人士抜擢(ばってき)することは、必要に応じて行われていたが、これが制度化され、地方官を通して、毎年、一定人員を推薦させることになったのは、武帝による「孝廉科(こうれんか)」の設置に始まる。儒家理念に沿うものとして後漢(ごかん)期に盛んとなり、後の九品中正法(きゅうひんちゅうせいほう)に受け継がれたが、官吏の登用を地方の豪族層の裁量にゆだねるという道を開いた。

尾形 勇]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「郷挙里選」の解説

郷挙里選(きょうきょりせん)

漢代の官吏採用方法。有能な人物,特に徳行ある者を地方の長官が推薦して官吏とする方法で,儒家思想の具現である。武帝のとき制定され,後漢に受け継がれたが,多くは地方豪族の子弟が推挙された。

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旺文社世界史事典 三訂版 「郷挙里選」の解説

郷挙里選
きょうきょりせん

前漢武帝が始めた官吏登用の制度
地方の州・郡・国の長官に,必要に応じ,あるいは毎年,管内の有徳者を勅命官に推挙させた。後漢 (ごかん) になると,なれあいで豪族の子弟が多く推挙されるなど弊害が生じたので,三国時代の魏では九品中正が始められた。

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