歩行者道(読み)ほこうしゃどう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「歩行者道」の意味・わかりやすい解説

歩行者道
ほこうしゃどう

車両進入を禁止し,歩行者のみの通行が許された道路のことをいう。自動車の増加につれて都市内では交通事故がふえ,歩行者は常に自動車の危険にさらされるようになった。しかし市民が安心して町を歩けることは都市生活における人間回復の重要な要素であり,日本の諸都市でも歩行者道の指定がふえつつあり,また今後なお普及することが予想される。歩行者道には,都心のショッピング街,生活道路の通学・通園道路や買物道路のほか,郊外の散歩道など種々の種類があるが,そのうちでも,人通りの多い都心の幹線道路が歩行者道に指定された場合,特に歩行者天国とか,歩行者広場と呼ばれることがある。この歩行者天国は,日本では日曜祭日にのみわずかに実施されている程度であるが,ヨーロッパではほとんどすべての都市に1年を通じた歩行者天国が普及しており,市民の日常生活の憩いとコミュニケーションにとって大きな役割を果している。

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