歴代三宝紀(読み)れきだいさんぽうき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「歴代三宝紀」の意味・わかりやすい解説

歴代三宝紀
れきだいさんぽうき

中国、隋(ずい)代の仏教書。15巻。費長房(ひちょうぼう)の撰(せん)。『三宝紀』『長房録』『開皇録』などともいう。597年(開皇17)に完成。後漢(ごかん)から隋代に至る間の訳経を歴代別に分類し、訳者の伝を記し、兼ねて三宝弘通(ぐつう)の史実を述べたもの。費長房は廃仏事件に遭遇した体験をもつため、護法精神も強かった結果、博引旁証(ぼうしょう)に努め、従来のいっさいの経録を直接間接に引用することが多い。今日、名のみ伝わる経録はすべてこの書によってのみ参照しうる、という長所をもつ。しかし、いっさいの経録を無批判に収めたため、玉石混淆(こんこう)である難点をももつ。唐代の諸経目録の範とされ、多く信頼を得ている『開元釈教録(かいげんしゃくきょうろく)』(開元録)が価値ある成績をあげえたのも、この書によるところが多いと考えられる。

丘山 新]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「歴代三宝紀」の意味・わかりやすい解説

歴代三宝紀
れきだいさんぼうき
Li-dai san-bao-ji

中国,隋の費長房の著。 15巻。開皇 17 (597) 年成立。仏教渡来から隋までの仏教について記した書。訳経 2146部を分類し,訳者 197人の略伝を記した。入蔵録2巻は大蔵経に収めるべき規準として唐代の諸経録の範とされた。

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