かいげんしゃっきょうろく‥シャクケウロク【開元釈教録】
- 一切経目録の一つ。二〇巻。智昇(六五八‐七四〇)が、唐の開元一八年(七三〇)に著作したもの。前半では漢訳仏典を編年史的に時代別、訳者別に整理し、後半では仏典の内容に従って種別してある。一切経の目録としては最も整備したもので、一切経の編纂はこれに基づいている。開元録。智昇録。→経録
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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開元釈教録 (かいげんしゃっきょうろく)
Kāi yuán shì jiào lù
中国,唐代の僧智昇が730年(開元18)に撰した20巻の一切経目録。初めの《総括群経録》10巻は,後漢から730年までの漢訳仏典と訳者の伝を記す。後の《別分乗蔵録》10巻は,入蔵録と従属目録から成り,現定入蔵録として1076部5048巻を収める。本録は訳経を重視するがゆえに,中国撰述の論著にやや疎略な面がある。しかし,既存の諸経録の誤りを正し,整然たる体裁をもち,後世の経録の範とされ,大蔵経(一切経)に収むべき仏教経典の基準とされた。
執筆者:愛宕 元
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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開元釈教録
かいげんしゃっきょうろく
Kai-yuan shi-jiao-lu
中国,唐の智昇編の訳経目録。略して『開元録』。 20巻。開元 18 (730) 年成立。中国に仏教が伝わってからだいたい 660年間に 176人の人々によって訳出された大小乗の経律論の三蔵と訳出者らの伝記,失訳 (訳者不明のこと) ,欠本などを記録した書物。全部で 1076部 5048巻を収め,序列整然として,記事が正確であるから,以後の大蔵経の内容を規定する標準となった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の開元釈教録の言及
【大蔵経】より
…これらの衆経ないし三蔵を,北朝の北魏で〈一切経〉と呼び,南朝の梁で〈大蔵経〉と呼んだといい,隋・唐初に及んで両者の名称が確立し,写経の書式も定着した。隋・唐時代にも多くの仏典目録が編纂されたが,最も重要なのは730年(開元18)に完成した智昇撰《開元釈教録》20巻である。智昇は,南北朝以来の経典分類法を踏襲して大乗の三蔵と小乗の三蔵および聖賢集伝とに三大別し,そのうち大乗経典を般若,宝積,大集,華厳,涅槃の五大部としたうえで,大蔵経に編入すべき仏典の総数を5048巻と決定した。…
※「開元釈教録」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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