歴史の終焉(読み)れきしのしゅうえん(その他表記)The End of History?

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「歴史の終焉」の意味・わかりやすい解説

歴史の終焉
れきしのしゅうえん
The End of History?

1989年夏季号の"National Interest"誌にランド研究所顧問のフランシスフクヤマが寄稿した論文題名。当時多くの人々がソ連東欧激動について,リベラルな民主主義体制が他の統治体制に優越する正当性をもつことを立証するものとみなしていることに対し,フクヤマは共産主義ファシズムあるいは君主制などの他の体制のような抜本的な内部矛盾をもたないがゆえに,この体制自体がヘーゲルなどのドイツ観念論のいう「一貫した進歩の過程」としての歴史の終りをすでに意味するものであろうと論じた。リベラルな民主主義体制のもつ本来的な「進歩性」を主張するこの論文は,当時冷戦後の未来社会に対する関心の深さを反映して各国で大反響を呼んだ。さらに彼は,92年に"The End of History and the Last Man"を著わして,この「歴史の終焉」に到達した「最後の人間」たる人類に待受ける将来問題を展望した。

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