世界のおもな美術館(読み)せかいのおもなびじゅつかん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「世界のおもな美術館」の意味・わかりやすい解説

世界のおもな美術館
せかいのおもなびじゅつかん

日本以外の、世界の主要美術館を州別・国別に、五十音順でまとめた。

名称などは、各美術館のホームページやThe Europa World of Learning 2008, Museums of the World 15th ed. ほかによる。


〔アジア〕
アフガニスタン
国立カブール美術館 Kabul Museum
〔所在地〕カブール
〔開館年〕1919
〔特色、所蔵品〕フランス考古学調査団が発掘した古都ベグラムの遺宝などを、一部を除いて遺跡ごとに展示。


〔イスラエル〕
イスラエル美術館 Israel Museum
〔所在地〕エルサレム
〔開館年〕1965
〔特色、所蔵品〕ルネサンス以降のヨーロッパ作品を展示するベザレル美術館、イサム・ノグチ設計の彫刻庭園、死海文書などを展示する聖典神殿、考古博物館などからなる。

ティコティン日本美術館 Tikotin Museum of Japanese Art
〔所在地〕ハイファ
〔開館年〕1959
〔特色、所蔵品〕オランダ系ユダヤ人による日本美術のコレクション。絵画、版画、根付(ねつけ)、漆工、金工、着物など。


〔イラク〕
イラク国立美術館 Iraq National Museum
〔所在地〕バグダード
〔開館年〕1923
〔特色、所蔵品〕イラク考古総局、付属図書館と同一建物にある学術的な総合機関。ウルを中心とするシュメールの発掘品、アッシリアの浮彫り、粘土板、ハトラの大理石像、イスラム陶器など。

モスル美術館 Mosul Museum
〔所在地〕モスル
〔開館年〕1951
〔特色、所蔵品〕先史時代の彩文土器、人面有翼獣などのアッシリア時代の彫像、象牙(ぞうげ)製品、ヘレニズム時代の彫像など、ニネベ、ニムルド、コルサバード、ハトラからの出土品。


〔イラン〕
イラン・バスタン博物館 Iran Basten Museum
〔所在地〕テヘラン
〔開館年〕1946
〔特色、所蔵品〕スーサ、ペルセポリスなどの発掘品、アルダビール廟(びょう)の中国磁器、マルリクの金銀製品など。


〔インド〕
インド博物館 Indian Museum
〔所在地〕コルカタ(カルカッタ)
〔開館年〕1814
〔特色、所蔵品〕インド最古・最大の博物館で、1866年ベンガル・アジア協会からインド政府に移管。旧英領インド各地から集められたあらゆる時代の遺品。

チェンナイ博物館・美術館 Government Museum, and National Art Gallery
〔所在地〕チェンナイ(マドラス)
〔開館年〕1851
〔特色、所蔵品〕考古学部門は、仏教、ジャイナ教、ヒンドゥー教の彫刻や、アマラバティの大ストゥーパを飾っていた浮彫り、欄楯(らんじゅん)など、南インド各地の出土品を展示。美術部門は同一敷地内にあるナショナル・ギャラリーが所蔵。

ニュー・デリー国立美術館 National Museum of India
〔所在地〕ニュー・デリー
〔開館年〕1949
〔特色、所蔵品〕1947年にロンドンで開催された「インド美術展」の出展品をもとに開設。先史時代からムガル朝に至る各地の考古美術遺品、オーレル・スタインが持ち帰った中央アジアや敦煌(とんこう)の遺品など。

プリンス・オブ・ウェールズ博物館 Prince of Wales Museum of Western India
〔所在地〕ムンバイ(ボンベイ)
〔開館年〕1922
〔特色、所蔵品〕イギリス皇太子の来訪を記念して開設。インダス文明以来の各地出土品、宗教彫刻、美術工芸品、ヒンドゥー、イスラムの細密画、中国陶磁器、日本漆器など。

マトゥラ州立美術館 Government Museum, Mathura
〔所在地〕マトゥラ
〔開館年〕1874
〔特色、所蔵品〕北インドの古代都市マトゥラ周辺の出土品を所蔵。収蔵品の主流は赤色砂岩を用いた石像で、カニシカ王の像、仏教の菩薩(ぼさつ)像、ジャイナ教、ヒンドゥー教の諸神像など。


〔インドネシア〕
インドネシア国立博物館 Museum National Indonesia
〔所在地〕ジャカルタ
〔開館年〕1868
〔特色、所蔵品〕インドネシア随一の国立総合博物館。5~15世紀の彫像、オランダ人ド・フリネス収集の数千点に上る中国、タイ、ベトナムの陶磁器など。

ソノブドヨ美術館 Museum Sonobudoyo
〔所在地〕ジョクジャカルタ
〔開館年〕1935
〔特色、所蔵品〕国立。この地にあるボロブドゥールの遺跡など、ジャワ出土の8~10世紀の仏教、ヒンドゥー教の石彫や青銅製品。


〔キプロス〕
キプロス美術館 Cyprus Museum
〔所在地〕ニコシア
〔開館年〕1882
〔特色、所蔵品〕新石器時代からローマ時代に至る線刻・彩文土器、青銅器時代からローマ時代のテラコッタ、金細工など。


〔シリア〕
アレッポ国立美術館 Aleppo National Museum
〔所在地〕アレッポ
〔開館年〕1931
〔特色、所蔵品〕オリエントの旧石器、新石器時代の出土品、メソポタミア、古代ヘレニスティック・ローマの考古美術品など北シリアの出土品。とくにフランス人パロが発掘したマリ遺跡のアラバスターや貝の奉納板が有名。

ダマスカス国立美術館 National Museum of Damascus
〔所在地〕ダマスカス
〔開館年〕1919
〔特色、所蔵品〕この地域の発掘遺品の増加に伴い、1936年新築開館。ウマイヤ朝の宮殿の一部やシナゴーグなど遺跡の一部を移築復原。ウガリト、マリの出土品、イスラム陶器など。


〔シンガポール〕
シンガポール国立博物館 National Museum of Singapore
〔所在地〕シンガポール
〔開館年〕1832
〔特色、所蔵品〕シンガポールやマレーシアで発見された先史時代の石器、アジアの陶磁器、絵画など。


〔スリランカ〕
コロンボ国立博物館 Sri Lanka National Museum
〔所在地〕コロンボ
〔開館年〕1877
〔特色、所蔵品〕イギリスのセイロン総督W・グレゴリーが開設。芸術分野では仏教関係の遺品をはじめ、陶磁器、装飾品、やし皮の写本など。


〔タイ〕
バンコク国立博物館 National Museum Bangkok
〔所在地〕バンコク
〔開館年〕1874
〔特色、所蔵品〕ラーマ1世の宮殿に開設。先史時代のバンチェン土器をはじめ、壁画、王室の遺品など、タイの歴史を系統的に紹介。


〔大韓民国〕
国立慶州博物館
〔所在地〕慶州(けいしゅう/キョンジュ)
〔開館年〕1926
〔特色、所蔵品〕日本総督府博物館慶州分館として発足。45年現在名に改称。本館と二つの別館からなり、4万点を数える金冠塚出土遺品など、新羅(しらぎ)の黄金、石造美術を中心に展示。

国立現代美術館
〔所在地〕果川(かせん/クヮチョン)
〔特色、所蔵品〕ソウル市徳寿宮内より1986年新築移転。現代韓国美術を展示、主導。ほかに西洋絵画、書など。

国立光州博物館
〔所在地〕光州(こうしゅう/クワンジュ)
〔開館年〕1978
〔特色、所蔵品〕1979年に引上げ作業が完了した新安海底遺物6000点余の一部を展示。その中国元(げん)時代の陶磁器類のほか、全羅南道の古代遺跡の出土品、仏教美術も所蔵。

国立中央博物館
〔所在地〕ソウル
〔開館年〕1972
〔特色、所蔵品〕李朝(りちょう)の宮殿、景福宮苑(えん)内に開かれていたが、1986年8月、旧日本総督府の建物の内部を改修して移転。広隆寺の木像と比較される金銅弥勒菩薩半跏思惟(みろくぼさつはんかしい)像をはじめ、白磁、青磁などに代表される陶磁器など、韓国5000年の美術と歴史を系統的に紹介。

国立扶余博物館
〔所在地〕扶余(ふよ/プヨ)
〔開館年〕1939
〔特色、所蔵品〕先史時代から百済(くだら)までの考古美術遺品。青銅器時代の上限設定の貴重な資料となった松菊里遺跡からの出土品、「百済の微笑」をたたえた仏像など。


〔中国〕
甘粛省博物館
〔所在地〕蘭州(らんしゅう/ランチョウ)
〔開館年〕1958
〔特色、所蔵品〕天水柴家坪(さいかへい)出土の陶製人面、秦安、天水出土の唐三彩など、西北地区の考古遺品4万点。また嘉峪関(かよくかん)の魏晋(ぎしん)時代の塼壁画墓を移築、復原。

広州博物館
〔所在地〕広州(こうしゅう/コワンチョウ)
〔開館年〕1972
〔特色、所蔵品〕1929年開設された市立博物館が前身。人民博物館、革命歴史博物館を経て、72年現在名となる。建物は1380年に建てられた5層の鎮海楼。印文陶器、漢代の明器(めいき)などを展示。

故宮博物院
〔所在地〕北京(ペキン)
〔開設年〕1925
〔特色、所蔵品〕紫禁城内にある。旧蔵品の多くは国民党政府により台湾に運ばれたため、現在はその後に収集された芸術遺品、宮殿付属の調度品を展示。歴代芸術館、絵画館、彫塑館、青銅器館、陶磁館、織繍(しょくしゅう)館、珍宝館、石鼓陳列室、鐘表(時計)陳列室の9部門からなる。

故宮博物院
〔所在地〕台北(タイペイ)
〔開設年〕1965
〔特色、所蔵品〕国民党政府が運んだ文物を収蔵展示。別称中山(ちゅうざん)博物院。中国宮殿風の4層建築に、中国5000年の芸術遺品62万点を所蔵し、3か月ごとに8000点の展示替えを行う。

湖南省博物館
〔所在地〕長沙(ちょうさ/チャンシャー)
〔開館年〕1956
〔特色、所蔵品〕この地方出土の考古、美術遺品十数万点を所蔵。帛画(はくが)、帛書、漆器など馬王堆(まおうたい)漢墓出土の遺品3000点を73年に完成した特設会場に展示。

上海博物館
〔所在地〕上海(シャンハイ)
〔開館年〕1952
〔特色、所蔵品〕上海地区の旧財閥が所蔵した美術遺品と周辺の遺跡からの出土品など所蔵品数3万点。青銅器、絵画の収集に優れ、2000点余を常設展示。

新疆(しんきょう)ウイグル自治区博物館
〔所在地〕ウルムチ
〔特色、所蔵品〕シルク・ロードの繁栄を物語る豊富な出土品。アスターナ出土の俑(よう)、唐代の仕女図、トゥルファン出土の銅鏡や写経など。

陝西(せんせい/シャンシー)省博物館
〔所在地〕西安(せいあん/シーアン)
〔開館年〕1955
〔特色、所蔵品〕前身は第二次世界大戦後開館した西北文化陳列館で、収蔵品は質量ともに中国屈指。「陝西地方史」「西安碑林」「歴代陶磁、青銅器、石刻芸術、乾陵陪葬墓出土文物」の3部門からなり、13の陳列室に展示。

天津市美術博物館
〔所在地〕天津(てんしん/ティエンチン)
〔開館年〕1957
〔特色、所蔵品〕出土品よりも、書画、陶磁などの伝世品を多く所蔵。苑寛、呉鎮(ごちん)、仇英(きゅうえい)などの明清(みんしん)絵画、蘇軾(そしょく)など隋(ずい)代の書、硯(すずり)や印章など。

南京博物院
〔所在地〕南京(なんきん/ナンチン)
〔開設年〕1950
〔特色、所蔵品〕南京城内にあり、前身は中央博物院。旧蔵品は台湾に持ち出されたため、現所蔵品はほとんど新中国成立後の収集。華東地区の出土品と中国全土の遺品を系統的に展示。所蔵品3万点のうち陶器のコレクションが重要。

遼寧(りょうねい/リヤオニン)省博物館
〔所在地〕瀋陽(しんよう/シエンヤン)
〔開館年〕1948
〔特色、所蔵品〕伝顧愷之(こがいし)『洛神賦図巻』、董源(とうげん)『瀟湘(しょうしょう)図巻』、徽宗(きそう)『遊春図』などの伝世品のほか、匈奴(きょうど)墓をはじめとするこの地方の出土品や歴史的資料。


〔北朝鮮〕
朝鮮美術博物館
〔所在地〕平壌(ピョンヤン)
〔開館年〕1954
〔特色、所蔵品〕4世紀から現代に至る2万点の美術品を所蔵。常時400点を展示。


〔トルコ〕
アンカラ考古博物館 Anadolu Medeniyetleri Müzesi (Museum of Anatolian Civilisations)
〔所在地〕アンカラ
〔開館年〕1921
〔特色、所蔵品〕初期青銅器時代の副葬品、ヒッタイトの粘土板文書、円筒印章、彩文土器、テラコッタ、ヒッタイト後期のマラティヤ出土のライオン像など。

イスタンブール考古博物館 Istanbul Arkeoloji Müzeleri
〔所在地〕イスタンブール
〔開館年〕1891
〔特色、所蔵品〕オスマン・トルコ領で出土したギリシア、ローマ、ビザンティンの遺品がおもな所蔵品。粘土板、赤色磨研土器、化粧タイル、ペルガモン出土のアレクサンドロス大王頭部像柱頭や、コインなど。


〔パキスタン〕
パキスタン国立美術館 National Museum of Pakistan
〔所在地〕カラチ
〔開館年〕1950
〔特色、所蔵品〕1969年新築移転。石器時代からムガル朝に至る考古遺品を展示。インダス川流域の出土品、ガンダーラ彫刻、イスラム時代の遺品など。

ラホール美術館 Lahore Museum
〔所在地〕ラホール
〔開館年〕1864
〔特色、所蔵品〕パキスタン最大・最古の美術館で、第1回パンジャーブ美術・工芸展の出品作を核に発足。ガンダーラの仏教美術を代表する石彫や塑像、バラモン、ジャイナ教の彫刻、インド、イスラムの細密画など。


〔フィリピン〕
フィリピン国立博物館 National Museum of the Philippines
〔所在地〕マニラ
〔開館年〕1901
〔特色、所蔵品〕旧国会議事堂に開設された総合博物館。フィリピン先住民の文化的遺品、スペイン統治時代の染織品、武具、楽器など。


〔ミャンマー(ビルマ)〕
ミャンマー国立博物館 National Museum of Art and Archaeology
〔所在地〕ヤンゴン(ラングーン)
〔開館年〕1952
〔特色、所蔵品〕マンダレー王朝の遺宝、ブローム、タートンなどミャンマー各地の出土品、仏教美術の遺品と近代のビルマ美術。


〔ヨルダン〕
ヨルダン考古博物館 Jordan Archaeological Museum
〔所在地〕アンマン
〔開館年〕1951
〔特色、所蔵品〕古代ローマの神殿とビザンティン教会が残るアクロポリスの上に建つ。死海文書をはじめ、石器時代からイスラム時代に至る歴史的遺品。


〔レバノン〕
レバノン国立美術館 Musée National (Natioral Museum of Lebanon)
〔所在地〕ベイルート
〔開館年〕1920
〔特色、所蔵品〕ビブロス遺跡から出土した青銅器時代の「フェニキアのモナ・リザ」を含む象牙(ぞうげ)細工、銀製品、テラコッタ、モザイクなど。


〔アフリカ〕
〔アルジェリア〕
アルジェ国立美術館 Musée National des Beaux-Arts d'Alger
〔所在地〕アルジェ
〔開館年〕1930
〔特色、所蔵品〕オリエント美術品、イスラム絵画、14~20世紀のヨーロッパ絵画、近代彫刻、フランス美術の影響を受けたアルジェリアの現代作家の作品。


〔エジプト〕
イスラム美術館 Museum of Islamic Art
〔所在地〕カイロ
〔開館年〕1881
〔特色、所蔵品〕アラブ人の居住区アル・フスタートからの出土品、シリア、エジプトのイスラム美術の遺品。

エジプト博物館(カイロ) Egyptian National Museum, Cairo
〔所在地〕カイロ
〔開館年〕1835
〔特色、所蔵品〕古代エジプト美術の収集では世界最大。先史からグレコ・ローマン初期に至る約10万点の美術考古品、ミイラを所蔵。「ツタンカーメン王の黄金のマスク」はとくに有名。

グレコ・ローマン美術館 Greco-Roman Museum
〔所在地〕アレクサンドリア
〔開館年〕1892
〔特色、所蔵品〕イタリアの考古学者ボッティにより創設され、現在、考古局直轄。ローマ彫刻、工芸品など、アレクサンドリアの遺品を中心に展示。

コプト美術館 Coptic Museum
〔所在地〕カイロ
〔開館年〕1910
〔特色、所蔵品〕シマイカ・パシャの収集品から発足、1933年から国立。エジプトにおけるキリスト教(コプト)美術遺品を所蔵。

ルクソール美術館 Luxor Museum
〔所在地〕ルクソール
〔開館年〕1975
〔特色、所蔵品〕旧テーベ地区で発掘された古代エジプトの先王朝時代からイスラム時代に至る遺品を所蔵。小規模ながら近代的な設備をもつ。


〔チュニジア〕
バルド国立美術館 Musée National du Bardo
〔所在地〕チュニス
〔開館年〕1888
〔特色、所蔵品〕北アフリカ、マグレブ地方最大の美術館。世界一を誇るモザイクのコレクション、古代ローマから初期キリスト教時代の彫刻、陶器、建築断片など。


〔モロッコ〕
モロッコ考古美術館 Musée Archéologique
〔所在地〕ラバト
〔開館年〕1931
〔特色、所蔵品〕ボルビリス、バナサなど国内各地の遺跡からの出土品。


〔ヨーロッパ〕
〔アイルランド〕
アイルランド・ナショナル・ギャラリー National Gallery of Ireland
〔所在地〕ダブリン
〔開設年〕1854
〔特色、所蔵品〕1853年のダブリン博覧会の収益金をもとに発足。6000点の所蔵品のうち常時2000点を展示。アイルランド派、オランダ派、17世紀のヨーロッパ絵画がとくに優れている。

トリニティ・カレッジ図書館 Trinity College Library
〔所在地〕ダブリン
〔開館年〕1592
〔特色、所蔵品〕図書の収集は1601年から開始。アイルランド、ケルトの貴重な手写本5000点を所蔵。


〔イギリス〕
オックスフォード大学アシュモリアン美術館 Ashmolean Museum, University of Oxford
〔所在地〕オックスフォード
〔開館年〕1683
〔特色、所蔵品〕エリア・アシュモールのコレクションをもとに発足、のちオックスフォード大学の美術館となる。地中海域、エジプト、中近東の発掘品、ヨーロッパとイギリスの絵画、中国・日本の陶磁器など。

ウィリアム・モリス・ギャラリー William Morris Gallery and Brangwyn Gift
〔所在地〕ロンドン
〔開設年〕1950
〔特色、所蔵品〕詩人・社会主義者でもあった工芸家ウィリアム・モリスの少年時代の家に開設。モリスを中心とする美術工芸運動で生まれた作品、ラファエル前派の絵画などを展示。

ウェールズ国立美術館 Amgueddfa Cymru (National Museum Wales)
〔所在地〕カージフ
〔開館年〕1907
〔特色、所蔵品〕ウェールズに関する歴史的資料を集めた総合美術館。イギリスとヨーロッパの絵画、彫刻、装飾工芸も所蔵。

ウォーカー美術館 Walker Art Gallery
〔所在地〕リバプール
〔開館年〕1877
〔特色、所蔵品〕実業家W・ラスコーのコレクションを核に、当時の市長ウォーカーが建物を寄贈して発足。初期イタリア・ルネサンス絵画、フランドル、ドイツ、フランスの絵画、16~19世紀のイギリス絵画など。

ウォーレス・コレクション Wallace Collection
〔所在地〕ロンドン
〔開設年〕1900
〔特色、所蔵品〕歴代のハートフォード家の収集品を子孫のウォーレス卿(きょう)が国家に遺贈、国立美術館として発足。17、18世紀の絵画、ミニアチュール、彫刻、家具、武具、金銀製品、陶磁器など。

グラスゴー美術館・博物館 Kelvingrove Art Gallery and Museum
〔所在地〕グラスゴー
〔開館年〕1901
〔特色、所蔵品〕イギリスとヨーロッパ諸国の15~19世紀の絵画、ジョルジョーネ、レンブラント、印象派の作品、東西の工芸品。

コートールド美術館 Courtauld Institute Galleries
〔所在地〕ロンドン
〔開館年〕1932
〔特色、所蔵品〕ロンドン大学の美術史研究所であるコートールド美術研究所の付属美術館。1958年から一般公開。サミュエル・コートールドの印象派・後期印象派のコレクションがとくに有名。

スコットランド国立古代美術館 National Museum of Scotland
〔所在地〕エジンバラ
〔開館年〕1781
〔特色、所蔵品〕石器時代から現代に至るスコットランドの歴史的遺品。ケルトの石像彫刻、聖器具、楽器、武器などの工芸品等。

スコットランド・ナショナル・ギャラリー National Gallery of Scotland
〔所在地〕エジンバラ
〔開設年〕1859
〔特色、所蔵品〕15~19世紀のヨーロッパ、イギリス絵画の名品を展示。新館にはスコットランド絵画、図書館、版画室がある。

大英博物館 British Museum
〔所在地〕ロンドン
〔開館年〕1753
〔特色、所蔵品〕国立図書館と国立美術館からなる世界最大の博物館の一つ。19世紀なかばに現在の本館と図書館が完成。エジプト、ギリシア・ローマ、西アジア、東洋、版画・素描など9部門からなる。

ダリッチ美術館 Dulwich Picture Gallery
〔所在地〕ロンドン
〔開館年〕1811
〔特色、所蔵品〕イギリス最古の私立美術館。16~18世紀のヨーロッパ、イギリスの絵画を所蔵。

テート・ブリテン(テート・ギャラリー) Tate Britain (Tate Gallery)
〔所在地〕ロンドン
〔開館年〕1897
〔特色、所蔵品〕ヘンリー・テート卿(きょう)の寄贈によりナショナル・ギャラリーの別館として発足し、1955年独立機関となる。ターナーが国家に遺贈した油彩画、素描をはじめ、イギリス絵画、ヨーロッパの近代美術を所蔵。2000年テート・モダンを新設して20世紀以降の所蔵品を移し、16~19世紀の作品を展示するテート・ブリテンとなった。

バーミンガム市立美術館 Birmingham Museum and Art Gallery
〔所在地〕バーミンガム
〔開館年〕1867
〔特色、所蔵品〕イギリスの地方都市最大の総合美術館。絵画部にはヨーロッパの絵画、彫刻、イギリスの水彩画などがあり、ラファエル前派のコレクションが重要。古代ローマ、エジプト、中近東の考古学部門、バーミンガムの歴史・自然史部門も総括する。

ビクトリア・アルバート美術館 Victoria and Albert Museum
〔所在地〕ロンドン
〔開館年〕1852
〔特色、所蔵品〕世界最大級の美術工芸美術館。1899年、現名称に改称。建築と彫刻、絵画、挿絵、陶磁器、金属・木工品、インド美術、図書・造本など9部門に分かれ、世界最大規模の美術図書館を併設。

ブリストル市立美術館 Bristol's City Museum and Art Gallery
〔所在地〕ブリストル
〔開館年〕1905
〔特色、所蔵品〕ホガースがセント・メリー・レッドクリフ聖堂のために描いた祭壇画をはじめ、コンスタブル、ゲーンズバラらのイギリス絵画、イタリア、フランスの巨匠の作品。

ホワイトワース美術館 Whiteworth Art Gallery
〔所在地〕マンチェスター
〔開館年〕1889
〔特色、所蔵品〕ホワイトワース卿(きょう)の遺贈によるコレクションで発足し、のちマンチェスター大学の美術館となる。18世紀から現代のイギリス水彩画、ヨーロッパの巨匠の素描など。

マンチェスター市立美術館 Manchester Art Gallery
〔所在地〕マンチェスター
〔開館年〕1882
〔特色、所蔵品〕1829年に王立研究所として建てられた古典様式の建物に、ゲーンズバラ、ターナー、ラファエル前派などのイギリス絵画、ヨーロッパ絵画、銀器などを展示。

ロンドン・ナショナル・ギャラリー The National Gallery
〔所在地〕ロンドン
〔開設年〕1824
〔特色、所蔵品〕世界屈指の絵画美術館で、ヨーロッパの各時代、各派の絵画作品を網羅する。


〔イタリア〕
アグリジェント市立美術館 Museo Civico
〔所在地〕シチリア島アグリジェント
〔特色、所蔵品〕古代ギリシアの植民市アグリジェントの諸神殿、城門、墓を飾った彫刻や石棺、壺(つぼ)、コインなど。

アンブロジアーナ絵画館 Pinacoteca Ambrosiana
〔所在地〕ミラノ
〔開館年〕1928
〔特色、所蔵品〕1618年にミラノの大司教が創設した図書館が母体。キリスト教美術のコレクションに優れ、ラファエッロのバチカン壁画の下絵、レオナルド・ダ・ビンチの肖像画なども所蔵。

ウフィツィ美術館 Galleria degli Uffizi
〔所在地〕フィレンツェ
〔開館年〕1737
〔特色、所蔵品〕メディチ家のコレクションがトスカナ大公国に受け継がれたのを機に公開。現在は国立。イタリア・ルネサンスの絵画を中心に、マニエリスム、16世紀以降のヨーロッパ各国の作品を所蔵。

ウンブリア国立美術館 Galleria Nazionale dell'Umbria
〔所在地〕ペルージア
〔開館年〕1863
〔特色、所蔵品〕13世紀末から15世紀なかばにかけて建造された現市庁舎のパラッツォ・コムナーレの4階にあり、ペルジーノ、ピントリッキョらウンブリア派の絵画の代表作を収める。

カピトリーニ美術館 Musei Capitolini
〔所在地〕ローマ
〔開館年〕1471
〔特色、所蔵品〕カンピドリオ広場にあるカピトリーノとコンセルバトーリの二つの美術館の総称。いずれもミケランジェロの設計をもとに建造され、歴代教皇のコレクションを核にする。現在はローマ市立。

カーポディモンテ美術館 Museo e Gallerie Nazionali di Capodimonte
〔所在地〕ナポリ
〔開館年〕1738
〔特色、所蔵品〕1839年にほぼ100年を費やして完成したナポリ王の王宮に開設。18、19世紀のイタリア美術、ヨーロッパ諸国の武具、陶磁器、象牙(ぞうげ)と青銅の製品などのほか、1957年国立考古美術館から移管されたイタリアの重要な絵画作品を所蔵。

キヨソーネ東洋美術館 Museo d'Arte Orientale “Edoardo Chiossone”
〔所在地〕ジェノバ
〔開館年〕1905
〔特色、所蔵品〕画家E・キヨソーネが日本で収集した古美術品を核に発足。日本の絵画、3000点余の版画、陶磁器、根付(ねつけ)、漆工芸品、武具のほか、アジア諸国の美術品を所蔵。

シエナ国立絵画館 Pinacoteca Nazionale
〔所在地〕シエナ
〔開館年〕1816
〔特色、所蔵品〕前身は14世紀創建の邸宅に開設された美術学校の付属美術館。1932年に国家に移管し、正式公開した。13~17世紀のシエナ派の代表作と、イタリア各派の絵画を所蔵。

トリノ・エジプト博物館 Museo Egizio
〔所在地〕トリノ
〔開館年〕1824
〔特色、所蔵品〕ヨーロッパ屈指のエジプト博物館。B・ドロベッティのコレクションを核に発足。テーベ地方の出土品を所蔵。

ナポリ国立考古博物館 Museo Archeologico Nazionale
〔所在地〕ナポリ
〔開館年〕1816
〔特色、所蔵品〕ベスビオ火山の噴火で埋没したポンペイ、ヘルクラネウムなどからの発掘遺品と、ファルネーゼ家収集の美術品。18世紀なかばの創設。

パラッツォ・スピノーラ国立美術館 Galleria Nazionale di Palazzo Spinola
〔所在地〕ジェノバ
〔開館年〕1958
〔特色、所蔵品〕スピノーラ家の収集品と16世紀に建てられた邸宅が国に移管されて発足。ルネサンス絵画、オランダ、フランドル、ジェノバの画家たちの作品。

パラッツォ・ビアンコ美術館 Galleria di Palazzo Bianco
〔所在地〕ジェノバ
〔開館年〕1889
〔特色、所蔵品〕1565年に建造され1711年に白亜に改造されたブリニョーレ家の邸宅に付属。フランドル・オランダ絵画、ルネサンスから近代までのイタリア絵画、中国の陶磁器など。

バルジェッロ国立美術館 Museo Nazionale del Bargello
〔所在地〕フィレンツェ
〔開館年〕1859
〔特色、所蔵品〕フィレンツェの最初の行政官(ポデスタ)の邸宅として建てられ、のち警察長官(バルジェッロ)が住んだ建物。ルネサンスの代表的彫刻を所蔵。

パルマ国立考古学博物館 Museo Archeologico Nazionale
〔所在地〕パルマ
〔開館年〕1760
〔特色、所蔵品〕ファルネーゼ家創建のパラッツォ・デッラ・ピロッタにあり、青銅製品を主とするベレイアの出土品、古代彫刻がおもな所蔵品。3階は国立美術館。1階の図書室にはコレッジョのフレスコ画がある。

パルマ中国美術館 Museo di Arte Cinese e Etnografico
〔所在地〕パルマ
〔開館年〕1900
〔特色、所蔵品〕宣教師に中国を理解させる目的で開設され、ランペルティユ伯の寄贈品に、O・マニーニ神父が中国より持ち帰った美術品を加えた中国民俗美術館。

ピッティ美術館 Galleria Pitti
〔所在地〕フィレンツェ
〔開館年〕1919
〔特色、所蔵品〕パラッツォ・ピッティ内にあるパラティーナ絵画館Galleria Palatinaの通称。メディチ家歴代のコレクションを核に、トスカナ地方の16、17世紀の絵画、彫刻を所蔵。

ビラ・ジュリア美術館 Museo Nazionale di Villa Giulia
〔所在地〕ローマ
〔開館年〕1889
〔特色、所蔵品〕ジュリア峡谷のボルゲーゼ庭園にある教皇ユリウス3世が建てた別荘に、エトルリア文明の遺品を収蔵する。

ファエンツァ国際陶磁美術館 Museo Internazionale delle Ceramiche
〔所在地〕ファエンツァ
〔開館年〕1908
〔特色、所蔵品〕ファエンツァはイタリア最大の陶器の町。マジョリカをはじめ、ヨーロッパと東洋の陶磁器を所蔵。

フィレンツェ・アカデミア美術館 Galleria dell'Accademia
〔所在地〕フィレンツェ
〔開館年〕1784
〔特色、所蔵品〕P・レオポルドのコレクションをもとに発足。『ダビデ』や未完の『奴隷』などミケランジェロの代表作を所蔵。

フィレンツェ考古博物館 Museo Archeologico Nazionale
〔所在地〕フィレンツェ
〔開館年〕1870
〔特色、所蔵品〕エトルリアを主としたイタリアの考古遺品と「フランソワの壺(つぼ)」などのギリシア陶器を所蔵。

フィレンツェ大聖堂美術館 Museo dell'Opera di Santa Maria del Fiore
〔所在地〕フィレンツェ
〔開館年〕1891
〔特色、所蔵品〕サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の東側にあり、大聖堂、洗礼堂にあった彫刻や装飾品を展示。とくにルカ・デッラ・ロッビアとドナテッロの聖歌壇の浮彫りは有名。

ブレラ美術館 Pinacoteca di Brera
〔所在地〕ミラノ
〔開館年〕1809
〔特色、所蔵品〕美術学校のコレクションの公開の形で発足、1822年に独立。ミラノ周辺やベネチア派の絵画が中心。マンテーニャ『死せるキリスト』、G・ベッリーニ『ピエタ』、ラファエッロ『マリアの結婚』など。

ベネチア・アカデミア美術館 Gallerie dell'Accademia
〔所在地〕ベネチア
〔開館年〕1807
〔特色、所蔵品〕1750年に創設された美術学校の付属美術館として発足。ジョルジョーネ、ティツィアーノら15世紀から18世紀にかけてのベネチア派の絵画を所蔵。

ボルゲーゼ美術館 Galleria Borghese
〔所在地〕ローマ
〔開館年〕1616
〔特色、所蔵品〕ボルゲーゼ枢機卿(すうききょう)の収集品を中心に、同卿が1615年に建てた別荘に展示。ルネサンスから18世紀のイタリア絵画、彫刻を所蔵。

ポルディ・ペッツォーリ美術館 Museo Poldi Pezzoli
〔所在地〕ミラノ
〔開館年〕1881
〔特色、所蔵品〕ポルディ・ペッツォーリのコレクションと17世紀に建てられた邸宅が遺贈されて発足。ルネサンス絵画、フランドルやゴブランのタペストリー、装飾工芸品、家具など。

ボローニャ国立絵画館 Pinacoteca Nazionale
〔所在地〕ボローニャ
〔開館年〕1808
〔特色、所蔵品〕イエズス教団のカレッジを絵画館とし、ボローニャ派や、この地で制作したジョット、ラファエッロら14~17世紀の絵画を所蔵。

ラベンナ国立美術館 Museo Nazionale di Ravenna
〔所在地〕ラベンナ
〔開館年〕1885
〔特色、所蔵品〕サン・ビターレ教会に隣接し、古代から初期キリスト教、ビザンティンに至る彫刻、墓碑、建築浮彫り、各種工芸品などを展示。

ルッカ国立美術館 Museo “Sigimondo Castromediano”
〔所在地〕ルッカ
〔開館年〕1868
〔特色、所蔵品〕1578年建造の総督公邸で、パラッツォの数室も公開。南側の美術館にはフラ・バルトロメオの作品をはじめルネサンスから近代のイタリア絵画、18世紀の家具などを展示。

ローマ国立近代美術館 Galleria Nazionale d'Arte Moderna
〔所在地〕ローマ
〔開館年〕1883
〔特色、所蔵品〕第1回現代イタリア美術展を機に発足。1800年以降現代までのイタリアの絵画、彫刻とヨーロッパの現代美術を陳列。この分野における国内最大の美術館。

ローマ国立美術館 Museo Nazionale Romano
〔所在地〕ローマ
〔開館年〕1911
〔特色、所蔵品〕ディオクレティアヌス帝の浴場(テルメ)の遺跡を国家が購入し、美術館として発足。通称テルメ美術館。ローマ近郊出土の古代彫刻、古代ローマの石棺などを展示。


〔オーストリア〕
アルベルティーナ版画素描館 Graphische Sammlung Albertina
〔所在地〕ウィーン
〔開館年〕1776
〔特色、所蔵品〕アルベルト・フォン・ザクセン・テッシェン公の収集品を核に発足。デューラーやホルバインなど、14世紀以降の素描、版画、ポスターを所蔵。

ウィーン美術史博物館 Kunsthistorisches Museum
〔所在地〕ウィーン
〔開館年〕1891
〔特色、所蔵品〕ハプスブルク家の莫大(ばくだい)な財宝と美術品を核に収集を拡大した、世界屈指の美術館。絵画部を中心に、エジプト、古代美術、彫刻工芸、古楽器・メダル、武器などの部門からなる。

オーストリア絵画館 Österreichische Galerie Belvedere
〔所在地〕ウィーン
〔開館年〕1954
〔特色、所蔵品〕18世紀に建てられたベルベデーレ宮殿内にある。上宮にクリムト、ココシュカなどを展示する「オーストリア19、20世紀美術館」が、下宮に「中世美術館」と「バロック美術館」がある。

オーストリア工芸美術館 Österreichisches Museum für Angewandte Kunst
〔所在地〕ウィーン
〔開館年〕1864
〔特色、所蔵品〕15、16世紀のカーペットとタペストリー、リモージュのエナメル、ヨーロッパの代表的な陶磁器、版画、ミニアチュール、4000点の浮世絵など。

チロール州立美術館 Tiroler Landesmuseum Ferdinandeum
〔所在地〕インスブルック
〔開館年〕1823
〔特色、所蔵品〕チロール地方の中世彫刻、バロック絵画を中心に、先史・原始時代の遺品、中世の武器、金属工芸、象牙(ぞうげ)細工、陶磁器、ガラス工芸など。


〔オランダ〕
アムステルダム国立美術館 Rijksmuseum Amsterdam
〔所在地〕アムステルダム
〔開館年〕1885
〔特色、所蔵品〕オランダ最大の美術館。15~19世紀のオランダ派絵画の黄金時代をつくった風景画、風俗画を主体に、レンブラント『夜警』、フェルメール『手紙』などを所蔵。ほかに彫刻、工芸、東洋美術の部門がある。

アムステルダム市立美術館 Stedelijk Museum
〔所在地〕アムステルダム
〔開館年〕1895
〔特色、所蔵品〕モンドリアンなど19~20世紀の近・現代美術。

クレラー・ミュラー美術館 Kröller-Müller Museum
〔所在地〕オッテルロー
〔開館年〕1938
〔特色、所蔵品〕ベルギーの建築家バン・デ・ベルデ設計の建物に、クレラー・ミュラー夫人寄贈の270点のゴッホを含むコレクションを所蔵。

国立ゴッホ美術館 Rijksmuseum Vincent van Gogh (Van Gogh Museum)
〔所在地〕アムステルダム
〔開館年〕1973
〔特色、所蔵品〕市立美術館が所蔵していたゴッホの油彩、素描に、弟テオの遺贈による700点を加えて発足。ゴッホの作品を年代順に掲げ、またゴッホに関連する作家の作品、資料を展示。

ハーグ市立美術館 Gemeentemuseum Den Haag
〔所在地〕ハーグ
〔開館年〕1935
〔特色、所蔵品〕抽象画の先駆者モンドリアンの作品250点のほか、エッシャーの作品、楽器コレクションなど。

ボイマンス・ファン・ボニンヘン美術館 Museum Boijmans Van Beuningen
〔所在地〕ロッテルダム
〔開館年〕1849
〔特色、所蔵品〕ユトレヒトのコレクター、ボイマンスの遺贈により発足。1853年の大火で作品の大部分を失ったが、新たにフランドル、オランダ、フランス、イタリアの15世紀以降の作品を加え、1935年ストイル設計の現美術館を新築開館。ボス『放蕩(ほうとう)息子の帰宅』、ファン・アイク『三人のマリア』など。

マウリッツハイス美術館 Mauritshuis Museum
〔所在地〕ハーグ
〔開館年〕1822
〔特色、所蔵品〕ウィルヘルム2世の収集品をもとに王立ギャラリーとして発足。レンブラント『トゥルプ博士の解剖学講義』、フェルメール『デルフト風景』などを所蔵。

ライデン国立古代美術館 Rijksmuseum van Oudheden
〔所在地〕ライデン
〔開館年〕1818
〔特色、所蔵品〕エジプトの彫刻、工芸品、古代ギリシア・ローマの彫刻、陶器、ガラスや青銅工芸品、オランダの先史時代からの考古遺品など、ヨーロッパでもっとも充実した内容をもつ古代美術館。

ライデン市立美術館 Stedelijk Museum “De Lakenhal”
〔所在地〕ライデン
〔開館年〕1872
〔特色、所蔵品〕1641年建造のオランダ古典様式の旧毛織物館に開設。レンブラント、ロイスダールなどオランダの16~19世紀の絵画、15~18世紀の彫刻を所蔵。

ラムベルト・ファン・メールテン国立美術館 Museum Lambert van Meerten
〔所在地〕デルフト
〔開館年〕1909
〔特色、所蔵品〕1893年建造のメールテンの邸宅に開設された装飾美術館。16~19世紀の家具調度、デルフト陶器、タイルの壁面装飾など。


〔ギリシア〕
アクロポリス美術館 Acropolis Museum
〔所在地〕アテネ
〔開館年〕1878
〔特色、所蔵品〕パルテノンの一角にあり、アルカイック後期のコレ(少女像)や「アテナの浮彫り」など海外流出を免れたアクロポリス出土品を展示。

アテネ国立考古博物館 National Archaeological Museum
〔所在地〕アテネ
〔開館年〕1889
〔特色、所蔵品〕1829年アイーナ島に古代遺品を収集して創設。のちアテネに移され、現美術館を建設して1881年開館。テッサリアの新石器時代の出土品、キクラデス諸島の大理石像など先史からヘレニズムに至る古代ギリシア美術の宝庫。ポセイドン像、ミケーネの黄金マスク、サントリーニの壁画などはとくに有名。

イラクリオン考古博物館 Archaeological Museum, Heraklion
〔所在地〕クレタ島イラクリオン
〔開館年〕1904
〔特色、所蔵品〕クレタ島全土の出土品を所蔵し、ミノア文明を知るうえで重要な美術館。紀元前17世紀の象形文字(未解読)を刻印したフェストス円盤、牛とびのアクロバットの像、各時代の様式を示す壺(つぼ)、宝石類、クノッソス宮殿の壁画断片など。

オリンピア考古博物館 Archaeological Museum of Olympia
〔所在地〕オリンピア
〔開館年〕1970
〔特色、所蔵品〕オリンピアの発掘品を所蔵展示。ゼウス神殿の東西破風(はふ)、プラクシテレスの「ヘルメス像」、パイオニアスの「ニケ像」など。

コリント考古博物館 Archaeological Museum in Corinth
〔所在地〕コリント
〔開館年〕1932
〔特色、所蔵品〕5世紀のアポロン神殿のあるコリント遺跡の中にあり、当地で発掘されたコリント様式の壺(つぼ)、各時代の彫刻、モザイク、コインなどを所蔵。

デルフォイ考古博物館 Archaeological Museum, Delphi
〔所在地〕デルフォイ
〔開館年〕1903
〔特色、所蔵品〕アポロンの神託で名高いデルフォイの神域に古代ギリシアの各地からの献納品や、この地域の発掘品を所蔵展示。シフノス島の浮彫り、クレオビスとビトーンの青年像、青銅の馭者(ぎょしゃ)像など。

ビザンティン・キリスト教美術館 Byzantine and Christian Museum
〔所在地〕アテネ
〔開館年〕1914
〔特色、所蔵品〕彫刻、イコン、フレスコ画、染織品など初期キリスト教時代から13世紀に至るキリスト教美術の遺品。

ベナキ美術館 Benaki Museum
〔所在地〕アテネ
〔開館年〕1930
〔特色、所蔵品〕ビザンティンから近代までのオリエント、アジアの各種の工芸品。


〔スイス〕
アリアナ美術館 Musée Ariana
〔所在地〕ジュネーブ
〔開館年〕1884
〔特色、所蔵品〕G・レビリオのコレクションが市に寄贈され開設された陶磁美術館。国際陶磁アカデミー本部を置く。

ウィンタートゥール美術館 Kunstmuseum Winterthur
〔所在地〕ウィンタートゥール
〔開館年〕1848
〔特色、所蔵品〕市美術連盟の所蔵品と市の収集品をもとに発足。1916年現在の建物に移る。17~18世紀の当地の画家の作品、現代のスイス、フランス、イタリアの彫刻、版画など。

オスカー・ラインハルト・コレクション/オスカー・ラインハルト美術館 Sammlung Oskar Reinhart 《Am Römerholz》/ Museum Oskar Reinhart am Stadtgarten
〔所在地〕ウィンタートゥール
〔開設年〕1951
〔特色、所蔵品〕O・ラインハルトが国家に遺贈した収集品を二つの建物に収蔵。郊外の館(オスカー・ラインハルト・コレクション)には16、17世紀ヨーロッパ絵画と19世紀フランス絵画・彫刻が、市街の館(オスカー・ラインハルト美術館)には18世紀以降のオーストリア、スイスの絵画6000点がある。

セガンティーニ美術館 Segantini Museum
〔所在地〕サン・モリッツ
〔開館年〕1908
〔特色、所蔵品〕この町の山中で制作を続けたイタリア生まれの画家セガンティーニを記念する美術館。

チューリヒ国立美術館 Museum für Gestaltung Zürich
〔所在地〕チューリヒ
〔開館年〕1898
〔特色、所蔵品〕中世教会美術、ルネサンスの装飾品、武具、コインとメダルなどの工芸品をはじめとする総合美術館。

チューリヒ市立工芸美術館 Kunstgewerbemuseum der Stadt Zürich
〔所在地〕チューリヒ
〔開館年〕1875
〔特色、所蔵品〕1936年、現在地に移転。各国の各種工芸品、民俗美術、ポスター、版画、楽器など。

チューリヒ美術館 Kunsthaus Zürich
〔所在地〕チューリヒ
〔開館年〕1787
〔特色、所蔵品〕カール・モーザーが設計した1910年の建物。古代、中世彫刻、15~16世紀のスイス、ドイツ絵画、80点のホドラーの絵画、ジャコメッティの彫刻など。

バーゼル古代美術館 Antikenmuseum Basel und Sammlung Ludwig
〔所在地〕バーゼル
〔開館年〕1961
〔特色、所蔵品〕1856年開設されたバーゼル歴史美術館の古代部門が独立して発足。古代ギリシア・ローマ、エトルリアの彫刻や副葬品など。ギリシア陶器に優品が多い。

バーゼル美術館 Kunstmuseum der Öffentlichen Kunstsammlung Basel
〔所在地〕バーゼル
〔開館年〕1662
〔特色、所蔵品〕世界最古の公立美術館。アメルバッハ家のコレクションが中心をなす。ホルバインはじめ15、16世紀のドイツ絵画、全時代にわたるスイスの美術品など。

ビュルレ・コレクション Stiftung Sammlung E. G. Bührle
〔所在地〕チューリヒ
〔開館年〕1960
〔特色、所蔵品〕中世から15世紀の彫刻、17世紀以降のフランドル、オランダ、イタリアの絵画。

ベルン美術館 Kunstmuseum Bern
〔所在地〕ベルン
〔開館年〕1879
〔特色、所蔵品〕中世から近代に至るヨーロッパ絵画、彫刻を所蔵。クレーの収集では世界一。ベルン出身のホドラーの大作『夜と昼』、フラ・アンジェリコの『聖母子像』など。

リートベルク美術館 Museum Rietberg
〔所在地〕チューリヒ
〔開館年〕1952
〔特色、所蔵品〕かつてワーグナーが住んだウェーゼンドンク邸に、バロン・フォン・デル・ハイトの収集品を展示。インド、カンボジア、中国の仏像、地中海、中近東、アフリカ、エスキモー、南米の美術工芸品など。

ローザンヌ州立美術館 Musée Cantonal des Beaux-Arts
〔所在地〕ローザンヌ
〔開館年〕1841
〔特色、所蔵品〕パレ・ド・ルミヌの中にあり、アンカー、ホドラーらおもにスイスの作家の作品とオランダ、フランスの近・現代の作品を所蔵。


〔スウェーデン〕
イョーテボリ美術館 Göteborgs Konstmuseum (Göteborgs Museum of Art)
〔所在地〕イョーテボリ
〔開館年〕1923
〔特色、所蔵品〕スウェーデンはじめスカンジナビアの近世・近代の絵画、彫刻、素描のほか、レンブラントの作品、ヨーロッパ現代絵画。

ストックホルム国立美術館 Nationalmuseum Stockholm
〔所在地〕ストックホルム
〔開館年〕1792
〔特色、所蔵品〕グスタフ3世のコレクションとして王宮で公開され、1866年、現在の建物に移る。オランダ、フランドル、18世紀のフランス絵画。織物、陶磁器など、北欧の装飾美術の宝庫。

ストックホルム東アジア美術館 Museum of Far Eastern Antiquities
〔所在地〕ストックホルム
〔開館年〕1926
〔特色、所蔵品〕ヨーロッパ屈指の東洋美術館。中国部門に優れ、1974年には日本部門も開設。中核をなすのは地質学者で考古学者ヨハン・G・アンダーソンの中国での発掘品。


〔スペイン〕
エル・グレコ美術館 Museo del Greco (El Greco Museum)
〔所在地〕トレド
〔開館年〕1911
〔特色、所蔵品〕エル・グレコが1614年に没するまで住んだ家を、ベガ・インクラン公爵が再建したもので、『トレドの景観と地図』『バルトロメオ』などのグレコの作品のほか、ムリーリョ、スルバランの作品を展示。

カタルーニャ美術館 Museu Nacionale d'Art de Cataluña
〔所在地〕バルセロナ
〔開館年〕1934
〔特色、所蔵品〕カタルーニャ地方のロマネスク教会から集められた壁画、板絵、彫刻など、スペイン・ロマネスク美術の宝庫。

コルドバ美術館 Museo de Bellas Artes
〔所在地〕コルドバ
〔開館年〕1844
〔特色、所蔵品〕15、16世紀のスペイン絵画と彫刻、同時代のフランドル、ドイツ、イタリアの絵画を所蔵。コルドバの画家ロメロ・デ・トレスの作品を展示するロメロ美術館を付属する。

サンタ・クルス美術館 Museo de Santa Cruz
〔所在地〕トレド
〔開館年〕1958
〔特色、所蔵品〕建物は16世紀初頭創建の孤児収容施設旧オスピタル・サンタ・クルス。古代イベリア、ゴート、アラブの考古品、15~17世紀のスペインとフランドル絵画など。

サン・フェルナンド王立美術アカデミー美術館 Museo de la Real Academia de Bellas Artes de San Fernando
〔所在地〕マドリード
〔開館年〕1744
〔特色、所蔵品〕マドリード最古の美術館。ゴヤの『フェルナンド7世騎馬像』をはじめスルバラン、ムリーリョらスペイン美術アカデミー会員の作品を所蔵。

スペイン国立陶磁博物館 Museo Nacional de Cerámica
〔所在地〕バレンシア
〔開館年〕1947
〔特色、所蔵品〕バレンシア地方の陶器やタイルの紋章、先史時代から20世紀に至る内外の陶磁器を網羅した世界有数の陶磁美術館。

セビーリャ美術館 Museo de Bellas Artes de Sevilla
〔所在地〕セビーリャ
〔開館年〕1835
〔特色、所蔵品〕17世紀初頭建立の旧ラ・メルセド修道院を1839年に改装した建物。ムリリョの54点の作品群のほかスルバランらセビーリャ派の絵画。

ピカソ美術館 Museo Picasso
〔所在地〕バルセロナ
〔開館年〕1963
〔特色、所蔵品〕中世の回船問屋の建物に、少年時代のいわゆる「ピカソ以前のピカソ」を中心としたピカソの作品を所蔵。

プラド美術館 Museo Nacional del Prado
〔所在地〕マドリード
〔開館年〕1819
〔特色、所蔵品〕スペイン王家の収集品を核にフェルナンド7世により開設された世界第一級の美術館。フェリペ2世のティツィアーノのコレクション、エル・グレコ、ベラスケス、ゴヤなど、スペイン絵画を中心とするヨーロッパ絵画。

ミロ財団美術館 Fundació Joan Miró
〔所在地〕バルセロナ
〔開館年〕1975
〔特色、所蔵品〕ミロ自身の設計になる建物に彼の彫刻、絵画などを展示。図書館、野外彫刻展示場もある。

ラサロ・ガルディアーノ美術館 Fundación Lázaro Galdiaro
〔所在地〕マドリード
〔開館年〕1951
〔特色、所蔵品〕美術収集家ガルディアーノが収集品と邸宅を国家に寄贈して発足。七宝(しっぽう)、象牙(ぞうげ)細工、金工品などの華麗な工芸品のほか、ヨーロッパ絵画の重要作品を所蔵。

ロマン派美術館 Museo Romántico
〔所在地〕マドリード
〔開館年〕1924
〔特色、所蔵品〕ベガ・インクラン公爵により創立。1808~60年のロマン主義の画家の作品を当時の調度品とともに陳列。


〔セルビア〕
ベオグラード工芸美術館 Muzej Primenjene Umetnosti
〔所在地〕ベオグラード
〔開館年〕1950
〔特色、所蔵品〕染織、皮革製品、金属製品で代表される旧ユーゴスラビア地域の工芸品と、ヨーロッパの12世紀以降の工芸品。

ベオグラード国立美術館 Narodni Muzej, Beograd
〔所在地〕ベオグラード
〔開館年〕1844
〔特色、所蔵品〕先史時代の考古遺品、コイン、ビザンティン時代のフレスコ画、セルビアのイコン、19~20世紀のセルビア作家の作品、フランス印象派を中心とするヨーロッパ絵画。


〔チェコ〕
プラハ国立美術館 Národni Galeri v Praze
〔所在地〕プラハ
〔開館年〕1796
〔特色、所蔵品〕ルドルフ2世のコレクションを中核とし、シュテルンベルク宮その他の複数の建物に、ヨーロッパ美術とボヘミア地方のゴシック美術、ロマン派からキュビスムに至るフランス美術と、近・現代のチェコスロバキア美術作品を展示。


〔デンマーク〕
コペンハーゲン工芸美術館 Det Danske Kunstindustrimuseum
〔所在地〕コペンハーゲン
〔特色、所蔵品〕中世以降のデンマークの家具調度品、銀器、陶磁器、また15~19世紀のヨーロッパの木彫品と装飾美術品。

コペンハーゲン国立美術館 Statens Museum for Kunst
〔所在地〕コペンハーゲン
〔開館年〕1760
〔特色、所蔵品〕王室コレクションを核に発足。デンマークの近世と近代の絵画と彫刻、初期のドイツ、ネーデルラント、17世紀以降のオランダ、フランドル、フランス、スペインの絵画など。


〔ドイツ〕
アルテ・ピナコテーク Alte Pinakothek
〔所在地〕ミュンヘン
〔開設年〕1836
〔特色、所蔵品〕バイエルンの芸術を顕彰するためにマクシミリアン2世が創設。アルテ・ピナコテークは旧絵画館の意。ウィッテルスバッハ家の収集品を核に、15~18世紀の2万点に及ぶ膨大なコレクションに発展。とくに15、16世紀のドイツ絵画、17世紀のオランダ絵画に秀作が多い。往時の建物は第二次世界大戦で破壊され、1964年に再建。

カッセル国立コレクション Staatliche Museen Kassel
〔所在地〕カッセル
〔開設年〕1779
〔特色、所蔵品〕ウィルヘルムスヘーエ城内の絵画部門にはレンブラントをはじめ17世紀オランダ、フランドル絵画の重要なコレクションを、ヘッセン地方美術館には先史・原始美術、天文物理の資料を、新絵画館には18世紀後半以降の絵画を展示。

カールスルーエ国立美術館 Staatliche Kunsthalle Karlsruhe
〔所在地〕カールスルーエ
〔開館年〕1846
〔特色、所蔵品〕ドイツのルネサンス絵画、19世紀のドイツ・ロマン派、フランス印象派の作品のほか、ドイツの大衆絵画でなるハンス・L・トーマのコレクションを所蔵。

ケストナー美術館 Kestner-Museum
〔所在地〕ハノーバー
〔開館年〕1889
〔特色、所蔵品〕ゲーテ作『若きウェルテルの悩み』のロッテのモデルとなったケストナー夫人の息子がゲーテを記念して開設。古代エジプトをはじめ、ギリシア、ローマの遺品、中世の宗教美術、ヨーロッパの陶磁器、写本など。

ゲルマン国立美術館 Germanisches Nationalmuseum
〔所在地〕ニュルンベルク
〔開館年〕1852
〔特色、所蔵品〕ハンス・フォン・アウフゼスのコレクションを核に発足し、のちに現在地の14世紀末に建てられた修道院に移る。先史時代から現代に至るドイツ絵画と工芸品。

シュトゥットガルト国立美術館 Staatsgalerie Stuttgart
〔所在地〕シュトゥットガルト
〔開館年〕1843
〔特色、所蔵品〕14~17世紀のイタリア、オランダ、ドイツ絵画、フランスの近代絵画、ドイツ印象主義と表現主義作家の作品とバウハウスに関する資料。

装飾美術館 Kunstgewerbemuseum
〔所在地〕ベルリン
〔開館年〕1867
〔特色、所蔵品〕プロイセン文化財団所轄の国立美術館で、ティアガルテンに建設された。中世から18世紀までのヨーロッパの工芸品。

ダーレム美術館 Museum in Dahlem
〔所在地〕ベルリン
〔開館年〕1945
〔特色、所蔵品〕ベルリンの郊外ダーレム地区にあるのでこの通称がある。プロイセン文化財団の管轄下にあり、アジア美術館、民族博物館などからなる。

ドレスデン絵画館 Gemäldegalerie Alte Meister
〔所在地〕ドレスデン
〔開館年〕1722
〔特色、所蔵品〕ザクセン選帝侯のコレクションを核に発足。ツビンガー宮殿のゼンパー館にある世界屈指の美術館。第二次世界大戦で罹災(りさい)したが、ソ連から絵画が返還され、宮殿の再建を待って1960年に再開した。19世紀の古典主義から現代までのドイツ絵画、近代フランス絵画はアルベルティヌムのノイエ・マイスター絵画館に展示されている。

ニーダーザクセン州立美術館 Niedersächsisches Landesmuseum
〔所在地〕ハノーバー
〔開館年〕1852
〔特色、所蔵品〕絵画、自然科学、先史、民俗学の各部門からなり、絵画部門は中世の祭壇、彫刻、イタリア・ルネサンス、バロック、フランドル、ドイツ・ロマン派、19世紀のフランス絵画や版画を所蔵。

ノイエ・ピナコテーク Neue Pinakothek
〔所在地〕ミュンヘン
〔開設年〕1853
〔特色、所蔵品〕アルテ・ピナコテークに対し、18世紀末から19世紀の絵画を所蔵。ルートウィヒ1世のコレクションをもとに、フランス、イギリスの19世紀絵画、ドイツの20世紀の絵画、彫刻を加える。1981年、A・ブランカ設計の新美術館が開館。

ノルトライン・ウェストファーレン美術館 Kunstsammlung Nordrhein-Westfalen
〔所在地〕デュッセルドルフ
〔開館年〕1961
〔特色、所蔵品〕アメリカの資産家が州に寄贈した88点のクレーの作品を核に発足。フォーブから第二次世界大戦後のポップ・アートに至る20世紀絵画、マイセン磁器、カーペット、金銀細工など。

ハイデルベルク選帝侯美術館 Kurpfälzisches Museum der Stadt Heidelberg
〔所在地〕ハイデルベルク
〔開館年〕1879
〔特色、所蔵品〕1712年建立のバロック様式の選帝侯の館(やかた)に、ライン選帝侯家に関する資料、リーメンシュナイダーの『12人の使徒』など15~18世紀のドイツ絵画、彫刻、17世紀のオランダ絵画、先史時代の遺品を展示。

ハンブルク美術館 Hamburger Kunsthalle
〔所在地〕ハンブルク
〔開館年〕1869
〔特色、所蔵品〕ハンザ同盟の自由都市が創設した美術館。14世紀以降ハンブルクを中心に活躍した画家の作品、ロダン、マイヨールらの彫刻、ドイツ表現主義の作品など。

ハンブルク美術工芸館 Museum für Kunst und Gewerbe
〔所在地〕ハンブルク
〔開館年〕1877
〔特色、所蔵品〕エジプト、オリエント、ギリシアなどの古代美術、中世から現代までのヨーロッパの各種工芸品、日本の浮世絵や屏風(びょうぶ)など。

東アジア美術館 Museum für Ostasiatische Kunst
〔所在地〕ケルン
〔開館年〕1913
〔特色、所蔵品〕ケルン市美術館に属す。現在の建物は前川国男の設計。アドルフ&フリーダ・フィッシャーのコレクションを核に発足。中国明(みん)・清(しん)の文人画、日本の浮世絵、江戸時代の絵画を所蔵。

フォルクワング美術館 Museum Folkwang
〔所在地〕エッセン
〔開館年〕1902
〔特色、所蔵品〕美術収集家オストハウスがハーゲンに創設し、1922年エッセンに移された。創立以来ドイツ、フランスの19、20世紀美術に収集品を限定したため、ナチスによって「退廃芸術」とみなされ、多くの作品を失う。現在の建物は1960年の再建。

ブリュッケ美術館 Brücke-Museum
〔所在地〕ベルリン
〔開館年〕1967
〔特色、所蔵品〕1906年ドレスデンで結成された表現主義の団体「ブリュッケ(橋派)」の作家たちの油彩、水彩、素描、版画、彫刻を所蔵。

ペルガモン美術館 Pergamonmuseum (Antikensammlung, Pergamonmuseum und Altes Museum)
〔所在地〕ベルリン
〔開館年〕1830
〔特色、所蔵品〕正式名はベルリン国立博物館。プロイセン国立美術館創立100年を機に開館。中近東美術館、古代ギリシア・ローマ美術館、イスラム美術館、東アジア美術館、民族博物館が入った建物の通称。小アジアのペルガモンの大祭壇を復原する。

ベルリン・エジプト博物館 Ägyptisches Museum und Papyrussammlung
〔所在地〕ベルリン
〔開館年〕1830
〔特色、所蔵品〕プロイセン文化財団の所轄。シャルロッテンブルク宮殿正面の古典主義様式の建物で、第18王朝の彫刻「ネフェルティティの胸像」をはじめとする古代エジプトの考古遺品。

ベルリン絵画館 Gemäldegalerie
〔所在地〕ベルリン
〔開設年〕1830
〔特色、所蔵品〕東西ドイツ統合後、美術館の再編成計画により総合文化センターの一角に建てられた大美術館。ダーレム美術館とボーデ美術館から移された14~18世紀の名作絵画を中心に展示。レンブラントほか、北ヨーロッパ、フランドル、イタリア、フランス絵画など。

ベルリン新国立美術館 Neue National Galerie
〔所在地〕ベルリン
〔開館年〕1968
〔特色、所蔵品〕ドイツ表現派、シュルレアリスト、ピカソ、ミロの名作のほか、アンディ・ウォーホルなどの現代美術、彫刻など20世紀の美術作品。

ボーデ美術館 Bodemuseum
〔所在地〕ベルリン
〔開館年〕1904
〔特色、所蔵品〕先史・原始美術館、エジプト美術館、初期キリスト教・ビザンティン美術館、絵画館、彫刻館が入った建物の通称。カイザー・フリードリヒ美術館が前身で、旧蔵品の大半はベルリンのダーレム美術館が所蔵。

ボン市立美術館 Städtisches Kunstmuseum Bonn
〔所在地〕ボン
〔開館年〕1882
〔特色、所蔵品〕アウグスト・マッケとライン地方の表現主義作家の作品、第二次世界大戦後のドイツ絵画と彫刻、ヨーロッパ諸国の現代作家の版画、素描など。

マイセン国立陶磁器美術館 Museum der Porzellan-Manufaktur Meißen
〔所在地〕マイセン
〔開館年〕1916
〔特色、所蔵品〕1710年に創設された国立マイセン陶磁器製作所に付属する美術館。創設期から現在までのマイセンの陶磁器のほか、日本の柿右衛門(かきえもん)、中国磁器などを展示。

レンバッハ美術館 Städtische Galerie im Lenbachhaus
〔所在地〕ミュンヘン
〔開館年〕1929
〔特色、所蔵品〕19世紀末のミュンヘンの画家レンバッハの邸宅に、レンバッハ、カンディンスキー、表現主義作家などによるドイツ近代絵画を展示。

ローマ・ゲルマン美術館 Römisch-Germanisches Museum
〔所在地〕ケルン
〔開館年〕1946
〔特色、所蔵品〕古代ローマの遺跡をそのまま美術館として保存し、ワルラフ‐リヒャルツ美術館のローマ部門と先史博物館を合併して発足。1~5世紀のローマ・ガラスのコレクションが重要。

ワルラフ‐リヒャルツ美術館 Wallraf-Richartz Museum
〔所在地〕ケルン
〔開館年〕1861
〔特色、所蔵品〕ケルン大学総長F・F・ワルラフが中世美術のコレクションを、資産家J・H・リヒャルトが建設資金を市に寄付して誕生。ケルン派をはじめとする中世から現在までの絵画、19~20世紀の彫刻を所蔵。


〔ノルウェー〕
オスロ工芸美術館 Kunstindustrimuseet i Oslo
〔所在地〕オスロ
〔開館年〕1876
〔特色、所蔵品〕中世から現代に至るノルウェーと北欧の工芸品を展示。月暦を織り出した「バルディスホルのタペストリー」など。

オスロ・ナショナル・ギャラリー Nasjonalgalleriet, Oslo
〔所在地〕オスロ
〔開設年〕1836
〔特色、所蔵品〕19、20世紀のノルウェー絵画や彫刻、北欧諸国やフランスの近代作家の作品を所蔵。ムンクのコレクションが重要。

ムンク美術館 Munch-museet
〔所在地〕オスロ
〔開館年〕1963
〔特色、所蔵品〕ノルウェー最大の画家ムンク生誕100年を記念して開館した、ムンクの作品を展示する市立美術館。


〔バチカン〕
バチカン美術館 Musei Vaticani (Vatican Museums and Galleries)
〔所在地〕バチカン
〔特色、所蔵品〕バチカン宮にあり、美術館はピオ・クレメンティーノ美術館、絵画館など6部門でなる。ほかにボルジアの間、システィナ礼拝堂も公開。


〔ハンガリー〕
ブダペスト工芸美術館 Iparmüveszeti Múzeum
〔所在地〕ブダペスト
〔開館年〕1872
〔特色、所蔵品〕14~20世紀のヨーロッパの家具、陶磁器、タイル、ガラス、染織品と、ハンガリーの刺しゅう、レース、皮革製品など。

ブダペスト美術館 Szépmüvészeti Múzeum
〔所在地〕ブダペスト
〔開館年〕1896
〔特色、所蔵品〕古代とルネサンス以降の絵画に優品をもつ。エジプト、ギリシアの彫刻や陶器などの古代美術、中世美術、近世美術の部門からなる。

ホップ・フェレンツ東洋美術館 Hopp Ferenc Kaletáziai Müvészeti Múzeum
〔所在地〕ブダペスト
〔開館年〕1919
〔特色、所蔵品〕収集家ホップが東洋美術のコレクションと邸宅を国家に寄贈して発足。根付(ねつけ)、浮世絵などの日本の美術品も所蔵。


〔フィンランド〕
アテネウミン美術館 Ateneumin Taidemuseo
〔所在地〕ヘルシンキ
〔開館年〕1887
〔特色、所蔵品〕フィンランド最大の美術館。彫刻家バイネ・アールトネン、画家マグヌス・エンケルなど18世紀以降のフィンランド作家の作品、および16世紀以降のヨーロッパ絵画、版画を所蔵。

フィンランド国立美術館 Suomen kansallismuseo
〔所在地〕ヘルシンキ
〔開館年〕1893
〔特色、所蔵品〕フィンランドの古代から現代までの民俗資料、装飾美術品、家具調度品など。


〔フランス〕
アングル美術館 Musée Ingres
〔所在地〕モントーバン
〔開館年〕1843
〔特色、所蔵品〕建物は1664年建立の古城。当地出身のアングルの油彩とデッサンのほか、ルネサンスから19世紀までの絵画の流れを系統的に展示。

アンジェ美術館 Musée des Beaux-Arts, Angers
〔所在地〕アンジェ
〔開館年〕1797
〔特色、所蔵品〕15世紀建造のダダムの館(やかた)の中にあり、当地出身のダビット・ダンジェの作品、フランス18世紀の作品を中心に絵画、彫刻、レリーフ、メダルなどを所蔵。

オーギュスタン美術館 Musée des Augustins
〔所在地〕トゥールーズ
〔開館年〕1793
〔特色、所蔵品〕旧オーギュスタン修道院に開設された充実した地方美術館。初期キリスト教の石棺、浮彫り、柱頭彫刻、イタリア・ルネサンス、フランドル、フランス19世紀の絵画など。

オルセー美術館 Musée d'Orsay
〔所在地〕パリ
〔開館年〕1986
〔特色、所蔵品〕旧オルセー駅を増改築した建物。1848年から1914年までの絵画、彫刻、装飾美術、写真など、19世紀美術を収集展示するパリの代表的美術館。

オルレアン美術館 Musée des Beaux-Arts d'Orléans
〔所在地〕オルレアン
〔開館年〕1823
〔特色、所蔵品〕旧市庁舎から1984年に新築された現在の建物に移る。17~19世紀の肖像画のコレクションのほか、パステル画の収集でも有名。

ギメ美術館 Musée National des Arts Asiatiques Guimet
〔所在地〕パリ
〔開館年〕1889
〔特色、所蔵品〕リヨンの実業家エミール・ギメのコレクションを核に発足。1945年国立となり、フランス政府所有のアジア関係の美術品をすべてここに統合した。

クリュニー中世美術館 Musée National du Moyen Age
〔所在地〕パリ
〔開館年〕1884
〔特色、所蔵品〕14世紀に建てられたシャトー(城館)建築に、19世紀の収集家ソムラールの収集品を核とする中世美術を、当時の雰囲気のなかに展示。『一角獣を伴う貴婦人』のタペストリー(16世紀)はとくに有名。

国立陶磁器美術館 Musée National de Céramique
〔所在地〕セーブル
〔開館年〕1824
〔特色、所蔵品〕王立磁器工場として開設され、現在も製造を続けている国立陶器製造所に付属する。セーブル磁器を中心に、各時代のヨーロッパ、イスラム、中国の陶芸品を所蔵。

シェレ美術館 Musée des Beaux-Arts Jules Chéret
〔所在地〕ニース
〔開館年〕1928
〔特色、所蔵品〕19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したポスター画家ジュール・シェレの作品や印象派の作品、浮世絵などを所蔵。

シャガール聖書美術館 Musée National Message Biblique Marc Chagall
〔所在地〕ニース
〔開館年〕1973
〔特色、所蔵品〕画家シャガールが寄贈した『聖書のメッセージ』連作17点を含むこの作家の450点の作品を展示する国立美術館。

シャルトル美術館 Musée des Beaux-Arts, Chartres
〔所在地〕シャルトル
〔開館年〕1833
〔特色、所蔵品〕18世紀の司教の館(やかた)に開設。16世紀から18世紀の工芸品、タペストリー、中世の象牙(ぞうげ)浮彫りをはじめ、この地方の考古、民俗学資料。

ストラスブール美術館 Musée des Beaux-Arts, Strasbourg
〔所在地〕ストラスブール
〔開館年〕1801
〔特色、所蔵品〕1742年建立のローアン城内にあり、14~19世紀のフランス、イタリア、スペイン絵画を陳列。城内には考古美術館と装飾美術館もある。

装飾美術館 Musée des Arts Décoratifs
〔所在地〕パリ
〔開館年〕1883
〔特色、所蔵品〕1905年開館。ルーブル宮のマルサン館にあり、中世から現代に至る東洋、西洋の工芸品を所蔵。

チェルヌスキ美術館 Musée Cernuschi
〔所在地〕パリ
〔開館年〕1896
〔特色、所蔵品〕E・チェルヌスキ(1821―96)のコレクションをもとに、彼の私邸に開設。古代中国の銅器、中国と日本の陶磁器、書画などアジアの美術品。

ディジョン美術館 Musée des Beaux-Arts, Dijon
〔所在地〕ディジョン
〔開館年〕1787
〔特色、所蔵品〕フランス最古の美術館の一つ。ブルゴーニュ大公の宮殿内に開設。彫刻部門は14世紀から19世紀まで、絵画部門はブルゴーニュをはじめフランス各地の中世から近代までの作品を所蔵。

ナンシー派美術館 Musée de l'école de Nancy
〔所在地〕ナンシー
〔開館年〕1963
〔特色、所蔵品〕建物はナンシー派のパトロンであったE・コルバンの館(やかた)。当地出身のエミール・ガレを中心とするアール・ヌーボーのガラス器、陶器、家具などを展示。

ナント美術館 Musée des Beaux-Arts de Nantes
〔所在地〕ナント
〔開館年〕1800
〔特色、所蔵品〕第二次世界大戦後の1951年再開館。イタリア、フランドル、フランスの12世紀以降の絵画のうち、印象派以降の現代美術、ナントの銅版画のコレクションが重要。

バランシェンヌ美術館 Musée des Beaux-Arts, Valenciennes
〔所在地〕バランシェンヌ
〔開館年〕1909
〔特色、所蔵品〕北方絵画、18世紀のフランス絵画と、カルポーの彫刻200点を所蔵。

パリ国立図書館 Bibliothèque Nationale de France
〔所在地〕パリ
〔特色、所蔵品〕宮廷所蔵品を核に1666年設置。13万6000点に上る手写本は中世、オリエント、ギリシア、ラテンに及び、質量ともに世界最大。ほかにメダル、地図、浮世絵版画の大コレクションを所蔵。

パリ市立近代美術館 Musée d'Art Moderne de la ville de Paris
〔所在地〕パリ
〔開館年〕1961
〔特色、所蔵品〕建物は1937年の万国博の電気館で、当時デュフィが描いた大壁画が残っている。パリを中心とするフォーブから現在に至る作家の作品を展示。

ピカソ美術館 Musée Picasso
〔所在地〕パリ
〔開館年〕1979
〔特色、所蔵品〕17世紀建造のサレ館に、ピカソの作品と、彼の収集した美術品を所蔵。

ファーブル美術館 Musée Fabre
〔所在地〕モンペリエ
〔開館年〕1825
〔特色、所蔵品〕国内屈指の地方美術館。画家ファーブルがアルバニー公夫妻から受け継いだコレクションをもとに発足。フランス18世紀の巨匠の素描と水彩画、ルネサンス以降の絵画など。

ブザンソン美術館 Musée des Beaux-Arts et d'Archéologie
〔所在地〕ブザンソン
〔開館年〕1694
〔特色、所蔵品〕フランス最古の美術館で、1972年に全面改築。絵画と考古学部門からなり、ロマネスクからゴシックの祭壇画、ルネサンス以降の絵画、エジプト、ギリシアおよびブルゴーニュ地方の考古遺品など。

プチ・パレ美術館 Musée du Petit Palais
〔所在地〕パリ
〔開館年〕1900
〔特色、所蔵品〕パリ市の購入品とデュテュイ兄弟からの寄贈品で開設。18~19世紀の美術工芸品を中心に、エトルリアの青銅製品、14世紀のミニアチュールなど。

ボナ美術館 Musée Bonnat
〔所在地〕バイヨンヌ
〔特色、所蔵品〕当地に生まれた画家レオン・ボナを記念する美術館。ボナ収集のレンブラント、ゴヤなどの絵画400点、デッサン2000点、古代ギリシア、中世の彫刻、ボナの作品を所蔵。

ボルドー美術館 Musée des Beaux-Arts, Bordeaux
〔所在地〕ボルドー
〔開館年〕1801
〔特色、所蔵品〕国内屈指の地方美術館。この地方出身のルドン、マルケらの絵画、デッサンをはじめ、オランダ絵画、18~19世紀のフランス絵画など。

ポンピドー・センター Centre national d'art et de culture Georges Pompidou
〔所在地〕パリ
〔開設年〕1977
〔特色、所蔵品〕旧中央市場の跡地に建造された近代建築で文化庁直属。4、5階には1947年開設のパリ国立近代美術館Musée National d'Art Moderneが移転し、フォーブ以降の20世紀の代表的作品を展示。ほかに工業デザインセンター、図書館などがある。

マチス美術館 Musée Matisse
〔所在地〕ニース
〔開館年〕1963
〔特色、所蔵品〕17世紀に建てられたアレーヌ荘の2階に、この地に没した画家マチスが市に寄贈した作品を展示。

マルセイユ美術館 Musée des Beaux-Arts, Marseille
〔所在地〕マルセイユ
〔開設年〕1802
〔特色、所蔵品〕1870年に建造されたパレ・ロンシャン内に開設。当地出身のドーミエの作品をはじめ、ルネサンス以降のヨーロッパ絵画を時代別に展示。

マルモッタン美術館 Musée Marmottan
〔所在地〕パリ
〔開館年〕1932
〔特色、所蔵品〕建物、コレクションともに美術史家P・マルモッタンが遺贈。フランス学士院に所属。第一帝政時代の美術品、中世の写本、モネ『印象――日の出』を含む印象派の作品を所蔵。

リヨン市立美術館 Musée des Beaux-Arts
〔所在地〕リヨン
〔開館年〕1801
〔特色、所蔵品〕17世紀後半に建てられた古典様式の旧ベネディクト派修道院に開設。ギリシア、ローマ、中世、ルネサンス、17~19世紀のフランス彫刻、ヨーロッパの中世とルネサンス以降の絵画を所蔵。

ル・アーブル美術館 Musée des Beaux-Arts, “André Malraux”
〔所在地〕ル・アーブル
〔開館年〕1845
〔特色、所蔵品〕近代的な現在の美術館を1961年に新築開館。印象派の作品と、この地方の海景を描いたブーダン、デュフィの作品を所蔵。

ルーアン陶磁器美術館 Musée de la Céramique
〔所在地〕ルーアン
〔開館年〕1983
〔特色、所蔵品〕16~19世紀のルーアン陶器を含むヨーロッパ陶磁器を所蔵。

ルーアン美術館 Musée des Beaux-Arts
〔所在地〕ルーアン
〔開館年〕1801
〔特色、所蔵品〕当地出身のジェリコーの作品をはじめ、1800点に上るヨーロッパ絵画を所蔵。

ルーブル美術館 Musée du Louvre
〔所在地〕パリ
〔開館年〕1793
〔特色、所蔵品〕フランス最大の国立美術館。フランソア1世以来の国王コレクションを核に発足。古代から19世紀に至る30数万点の収蔵品を各部門に分け、年代、地域別に展示。

ロダン美術館 Musée Rodin
〔所在地〕パリ
〔開館年〕1919
〔特色、所蔵品〕彫刻家ロダンの邸宅と作品を国家に寄贈して発足。邸内と庭園に彼の彫刻、デッサン、ロダン収集の美術品を展示。

ロートレック美術館 Musée Toulouse-Lautrec
〔所在地〕アルビ
〔開館年〕1922
〔特色、所蔵品〕13世紀に建造された大司教館内に開設。当地出身のロートレックの900点の作品を所蔵。


〔ブルガリア〕
ブルガリア国立考古博物館 National Archaeological Museum
〔所在地〕ソフィア
〔開館年〕1879
〔特色、所蔵品〕ブルガリアとバルカン半島の先史時代の彩文土器、古代ギリシア・ローマ時代の黄金、青銅製品、ビザンティン教会の遺品、14~16世紀のイコン、コインなど。


〔ベルギー〕
アントウェルペン王立美術館 Koninklijk Museum voor Schone Kunsten
〔所在地〕アントウェルペン
〔開館年〕1890
〔特色、所蔵品〕聖ルカ組合と、王立アカデミーのコレクションを核に発足。ファン・アイク、ルーベンス、イタリアの14~15世紀の作品を所蔵。ブリュッセルのベルギー王立美術館と並びフランドル派の収集で重要。

王立歴史美術館 Musée Royaux d'Art et d'Historie
〔所在地〕ブリュッセル
〔開館年〕1835
〔特色、所蔵品〕王立装飾美術産業博物館が前身で、1929年、現在名に改称。先史、エジプト、古典古代、フランドルの各種工芸品、歴史資料など。

シュミット・ファン・ゲルダー美術館 Museum Smidt Van Gelder
〔所在地〕アントウェルペン
〔開館年〕1950
〔特色、所蔵品〕ファン・ゲルダーが18世紀の館(やかた)とコレクションを市に寄贈して発足。セーブルやマイセンの磁器、18世紀のオリエントの貴金属細工品、ベルギーのタペストリーなどを所蔵。

聖ヨハネ病院メムリンク美術館 Hospitaalmuseum Sint-Jans hospitaal
〔所在地〕ブリュージュ
〔開館年〕1150
〔特色、所蔵品〕13世紀創立の聖ヨハネ病院内に開設。メムリンクの『聖女カテリーナの神秘の結婚』、聖ウルスラの聖遺物箱などを所蔵。

ベルギー王立美術館 Musée Royaux des Beaux-Arts de Belgique
〔所在地〕ブリュッセル
〔開館年〕1801
〔特色、所蔵品〕1842年市立から国立へ移管。古典美術館(オランダ、フランドルの15~19世紀の絵画)と近代美術館(フランス、ベルギーの現代作品)からなる。

ヘント美術館 Museum voor Schone Kunsten
〔所在地〕ヘント
〔開館年〕1902
〔特色、所蔵品〕ブリューゲル、ボスらのフランドル画家を中心に、15世紀以降のヨーロッパの絵画、彫刻など。

ミダルハイム野外彫刻美術館 Middelheimmuseum (Openluchtmuseum voor Beeldhouwkunst)
〔所在地〕アントウェルペン
〔開館年〕1950
〔特色、所蔵品〕ナハテガレン公園内ミダルハイムにベルギー現代彫刻家の作品を展示。美術館オランジェリー館を併設。

リエージュ考古・装飾美術館 Musée d'Archéologie et d'Art Décoratifs de Liege
〔所在地〕リエージュ
〔特色、所蔵品〕考古学美術館は17世紀初頭建造の豪商クルティウスの邸宅で、この地方の考古美術品を展示。装飾美術館は銀行家ウィレンズが建造した旧オテル・ダンサンブールで、18世紀の家具調度、絵画、タペストリーなどを展示。


〔ポーランド〕
クラクフ国立美術館 Muzeum Narodowe w Krakowie
〔所在地〕クラクフ
〔開館年〕1879

〔特色、所蔵品〕14~18世紀のポーランド絵画と彫刻、20世紀美術、版画、細密画、コインなどの部門からなり、日本の古美術、東洋の陶磁器、ヨーロッパ絵画でなるチャルトルスキ・コレクションを所蔵。

ワルシャワ国立美術館 Muzeum Narodowe w Warszawie
〔所在地〕ワルシャワ
〔開館年〕1862
〔特色、所蔵品〕エジプト、ギリシア・ローマの古代美術品、中世から近世に至るヨーロッパおよびポーランドの絵画、家具、陶磁器、版画、コインなど。


〔ポルトガル〕
グルベンキアン美術館 Museo Calouste Gulbenkian
〔所在地〕リスボン
〔開館年〕1969
〔特色、所蔵品〕アルメニア生まれのC・グルベンキアン・コレクションをもとに発足。ヨーロッパ美術のほか14~18世紀の中国陶器、日本の浮世絵など。

ポルトガル国立現代美術館 Centro de Arte Moderna José de Azeredo Perdigão (Centre for Modern Art)
〔所在地〕リスボン
〔開館年〕1979
〔特色、所蔵品〕1850年以降のポルトガル美術。

マチャード・デ・カストロ国立美術館 Museu Nacional de Machado de Castro
〔所在地〕コインブラ
〔開館年〕1911
〔特色、所蔵品〕旧司教館内にあり、名称はポルトガルの代表的彫刻家に由来する。中世の聖像コレクションではポルトガル随一。ほかにコインブラ派の彫刻、教会美術品などを所蔵。

リスボン国立古代美術館 Museu Nacional de Arte Antiga
〔所在地〕リスボン
〔開館年〕1884
〔特色、所蔵品〕1882年の装飾美術展を機に修道騎士団のコレクションをあわせて発足。15、16世紀のポルトガル絵画、貴金属工芸のほか、日本との交流の歴史を物語る南蛮屏風(びょうぶ)や中国・日本の工芸品を所蔵。


〔ルーマニア〕
ルーマニア美術館 Muzeul National de Artǎ al României
〔所在地〕ブクレシュティ
〔開館年〕1950
〔特色、所蔵品〕ルーマニアの10~16世紀のフレスコ画、イコン、彫刻、陶器、染織品、銀製品、ルーマニア現代作家の作品など。


〔ロシア〕
エルミタージュ美術館 State Hermitage Museum
〔所在地〕サンクト・ペテルブルグ
〔開館年〕1920
〔特色、所蔵品〕1764年エカチェリーナ2世のコレクション展示に始まる世界最大級の美術館。1805年帝室美術館となり、1917年の革命後、国有化された。国内外美術約300万点を所蔵。

東方美術館 State Museum of Oriental Art
〔所在地〕モスクワ
〔開館年〕1918
〔特色、所蔵品〕ロシア唯一の東方美術館。中近東、日本の版画を含むアジアの美術・工芸品。

トレチャコフ美術館 State Tretyakov Gallery
〔所在地〕モスクワ
〔開館年〕1881
〔特色、所蔵品〕トレチャコフ兄弟がコレクションと建物を市に寄贈して発足。革命後国有となる。所蔵品はロシアおよびソ連の中世より現代に至る絵画が中心で、とくにイコンの収集が重要。

プーシキン美術館 State Puschkin Museum
〔所在地〕モスクワ
〔開館年〕1912
〔特色、所蔵品〕モスクワ大学付属美術研究所が前身。1937年に現在名に改称。古代彫刻、イコン、フランス印象派など13世紀から現代に至るヨーロッパ絵画。

ロシア美術館 State Russian Museum
〔所在地〕サンクト・ペテルブルグ
〔開館年〕1895
〔特色、所蔵品〕美術アカデミーとエルミタージュから移されたロシアの美術作品を核に発足。中世のイコン、18~20世紀の国内作家の代表作を所蔵。


〔北アメリカ〕
〔アメリカ合衆国〕
エール大学美術館 Yale University Art Gallery
〔所在地〕ニュー・ヘブン
〔開館年〕1832
〔特色、所蔵品〕大学美術館としてはアメリカ最古。古代ギリシア・ローマ、中世美術、アフリカ彫刻などJ・トランブル寄贈のコレクションと、大学がシリアで発掘調査した考古遺品など。

オルブライト‐ノックス美術館 Albright-Knox Art Gallery
〔所在地〕バッファロー
〔開館年〕1862
〔特色、所蔵品〕バッファロー美術アカデミーの収集品を核とし、1905年、J・J・オルブライトが建物を寄贈し、現在の美術館を開館。印象派以降のフランスおよびアメリカ美術と、現代美術の収集に優れる。

ガードナー美術館 Isabella Stewart Gardner Museum
〔所在地〕ボストン
〔開館年〕1903
〔特色、所蔵品〕収集家ガードナー夫人により開設。美術史家ベレンソンの助言で購入した、イタリア・ルネサンスの絵画、彫刻、家具、工芸品など。

カーネギー美術館 Carnegie Museum of Art
〔所在地〕ピッツバーグ
〔開館年〕1895
〔特色、所蔵品〕鉄鋼王アンドリュー・カーネギーにより創設。フランス・ルネサンス風の建物に、フランス印象主義、ドイツ表現主義、アメリカの近・現代の作品を展示。

カリフォルニア大学バークリー校美術館 University of California, Berkeley, Art Museum
〔所在地〕バークリー
〔開館年〕1970
〔特色、所蔵品〕大学美術館としては世界最大。H・ホフマンの絵画コレクションと建設資金の寄贈を受けて発足。11のギャラリーに東西美術を展示。フィルムアーカイブを併設。

グッゲンハイム美術館 Guggenheim, Solomon R., Museum
〔所在地〕ニューヨーク
〔開館年〕1939
〔特色、所蔵品〕実業家ソロモン・グッゲンハイム収集のカンディンスキー、クレーら非具象絵画を主体に発足。印象派以降の近・現代の絵画、彫刻。かたつむり状の外観と螺旋(らせん)状の展示場で有名な現在の建物はF・L・ライトの設計。

クリーブランド美術館 Cleveland Museum of Art
〔所在地〕クリーブランド
〔開館年〕1916
〔特色、所蔵品〕第二次世界大戦後、日本に滞在して研究を重ねた前館長シャーマン・リーの努力で東洋美術の収集では世界屈指。ほかに初期キリスト教からゴシックまでの教会美術品、18世紀のフランスの家具と陶器、ベネチアのガラス製品など。

クロイスターズ The Cloisters
〔所在地〕ニューヨーク
〔開設年〕1938
〔特色、所蔵品〕メトロポリタン美術館の別館。ロマネスク様式の建物に、南フランス、スペインからの僧院や礼拝堂を移築し、ロマネスク、ゴシック美術の遺品を収める。

コーコラン美術館 Corcoran Gallery of Art
〔所在地〕ワシントン市
〔開館年〕1874
〔特色、所蔵品〕コーコラン収集のアメリカ美術を展示する美術館として発足。アメリカのデザイン、工芸と、オランダ、フランス、イギリスの美術を紹介。

コーニング・ガラス美術館 Corning Museum of Glass
〔所在地〕コーニング
〔開館年〕1951
〔特色、所蔵品〕アメリカの代表的な工芸ガラス、スチューベン・グラスの工場を含む、コーニング・ガラスセンター内に開設。2万点の所蔵品でガラスの歴史を紹介する世界最大のガラス美術館。

サイモン美術館 Norton Simon Museum of Art
〔所在地〕パサディナ
〔開館年〕1924
〔特色、所蔵品〕旧パサディナ美術館。現在名は1974年、美術館の経済危機を救ったN・サイモンに由来。G・シェイアー寄贈のドイツ表現主義絵画が中心。

サンフランシスコ・アジア美術館 Asian Art Museum of San Francisco, The Avery Brundage Collection
〔所在地〕サンフランシスコ
〔開館年〕1969
〔特色、所蔵品〕国際オリンピック委員会会長であったブランデージの日本美術コレクションを中心に、1万点の東洋美術を所蔵。

シカゴ美術館 Art Institute of Chicago
〔所在地〕シカゴ
〔開館年〕1893
〔特色、所蔵品〕アメリカ屈指の美術館。ヨーロッパ、アメリカの絵画、彫刻、工芸、版画、日本の浮世絵版画など。印象派、後期印象派のコレクションはとくに有名。

セントルイス美術館 St. Louis Art Museum
〔所在地〕セントルイス
〔開館年〕1907
〔特色、所蔵品〕1904年のセントルイス国際見本市の際の美術館を転用して開館。中世末期のイスパノ・モレスクの絵画、ゴシックの木彫、工芸、ベネチア派絵画、北方絵画、中国、エジプトの古代美術など。

ニューヨーク近代美術館 Museum of Modern Art
〔所在地〕ニューヨーク
〔開館年〕1929
〔特色、所蔵品〕通称MoMA(モマ)。美術品の収集だけでなく、現代の視覚芸術を啓蒙(けいもう)する目的で、写真、建築、ポスター、映画フィルムなどを収集展示。

ネルソン‐アトキンズ美術館 Nelson Gallery of Art and Atkins Museum of Fine Arts
〔所在地〕カンザス・シティ
〔開館年〕1933
〔特色、所蔵品〕W・R・ネルソンとM・アトキンズが建設資金と用地を提供。紀元前3000年から現代に至る全世界の美術品。前館長シックマンが収集した中国美術の収集に優れる。

ハーシュホーン美術館・彫刻庭園 Hirshhorn Museum and Sculpture Garden
〔所在地〕ワシントン市
〔開設年〕1966
〔特色、所蔵品〕実業家ハーシュホーンの6000点に上る19世紀以降の絵画、彫刻コレクションをもとに発足。ドーナツ状の4階建て建物に、彫刻展示の庭園が付属する。

ハンティントン美術館 Huntington Library, Art Collections and Botanical Gardens
〔所在地〕サン・マリノ
〔開館年〕1919
〔特色、所蔵品〕鉄道王H・E・ハンティントンが収集した美術品、図書をそれぞれ美術館、図書館に収蔵。美術館は17~19世紀の欧米絵画を中心とするが、ゲーンズバラ『ブルー・ボーイ』などイギリス絵画の収集にも優れる。

フィラデルフィア美術館 Philadelphia Museum of Art
〔所在地〕フィラデルフィア
〔開館年〕1876
〔特色、所蔵品〕前身はペンシルベニア美術館と美術工業学校。古代ギリシア建築を模した壮大な建物は1928年に完成。イタリア・ルネサンスのジョンソン・コレクション、現代美術のアレンスベルク・コレクションなど50万点余の所蔵品を有す。分館にロダン美術館がある。

フィリップス・コレクション Phillips Collection
〔所在地〕ワシントン市
〔開設年〕1918
〔特色、所蔵品〕収集家ダンカン・フィリップスにより開設。エル・グレコ、ゴヤをはじめ近現代のヨーロッパ、アメリカ絵画を所蔵。

フォッグ美術館 Fogg Art Museum
〔所在地〕ケンブリッジ
〔開館年〕1895
〔特色、所蔵品〕ハーバード大学創立250周年を記念して設置された大学付属美術館。中国の青銅器、18~19世紀のイギリス、フランスの絵画、素描など。

フリーア美術館 Freer Gallery of Art
〔所在地〕ワシントン市
〔開館年〕1923
〔特色、所蔵品〕デトロイトの実業家フリーアが収集した東洋美術のコレクションを国家に寄贈して発足。ボストン美術館と並ぶアメリカの代表的日本美術研究センター。

フリック・コレクション Frick Collection
〔所在地〕ニューヨーク
〔開設年〕1920
〔特色、所蔵品〕H・C・フリックが収集したルネサンスから近世へかけての欧米の絵画、彫刻などを自邸に公開する。

ブルックリン美術館 Brooklyn Museum of Art
〔所在地〕ニューヨーク
〔開館年〕1890
〔特色、所蔵品〕プレ・コロンビアの彫刻、中南米、エジプトの古代美術品の収集で知られ、ヨーロッパ、アメリカの衣装、染織、現代のグラフィック・アートも所蔵。

ペンシルベニア美術アカデミー Pennsylvania Academy of the Fine Arts
〔所在地〕フィラデルフィア
〔開設年〕1805
〔特色、所蔵品〕アメリカで最初に開設された美術学校に付属するこの国最古の美術館。後期ビクトリア様式の建物は1876年に開館。アメリカ美術のコレクションのうちとくに19世紀後半が充実。

ホイットニー美術館 Whitney Museum of American Art
〔所在地〕ニューヨーク
〔開館年〕1930
〔特色、所蔵品〕女流彫刻家ガートルード・V・ホイットニーが若い芸術家を援助し、その作品を紹介するため開設したホイットニー・スタジオが前身。アメリカの現代美術作品を所蔵。

ボストン美術館 Museum of Fine Arts, Boston
〔所在地〕ボストン
〔開館年〕1876
〔特色、所蔵品〕メトロポリタンに次ぐ米国第二の総合美術館。収集品はギリシア・ローマの古典美術や印象派の絵画など各分野に及ぶ。とくに東洋美術部門はフェノロサやビゲローの収集品を擁しており、質量ともに欧米随一の内容を誇る。

ミネアポリス美術研究所 Minneapolis Institute of Arts
〔所在地〕ミネアポリス
〔開設年〕1883
〔特色、所蔵品〕レンブラントの『ルクレチア』などルネサンス以降のヨーロッパ絵画を中心に、東洋美術、装飾美術を所蔵。

メトロポリタン美術館 Metropolitan Museum of Art
〔所在地〕ニューヨーク
〔開館年〕1870
〔特色、所蔵品〕アメリカ最大の美術館。絵画、彫刻、武器、衣装、家具など、世界各地の文化遺産を網羅する。所蔵品数は300万点以上に上る。

モーガン図書館 Morgan Library
〔所在地〕ニューヨーク
〔開館年〕1924
〔特色、所蔵品〕ルネサンス様式の建物は1906年建造。財閥J・P・モーガンが収集した、中世、ルネサンスの手稿本、彩飾写本、稀覯本(きこうぼん)、14~19世紀の素描や版画を所蔵。

リングリング美術館 John and Mable Ringling Museum of Art
〔所在地〕フロリダ州サラソタ
〔開館年〕1927
〔特色、所蔵品〕サーカス団のリングリング兄弟の末弟ジョンが創設。イタリアのパラッツォを模した建物にイタリア・バロックの作品を所蔵。世界中から集めたサーカスに関するコレクションもある。

ロサンゼルス州立美術館 Los Angeles County Museum of Art
〔所在地〕ロサンゼルス
〔開館年〕1910
〔特色、所蔵品〕アメリカ西部最大の美術館。先史から20世紀までの作品のなかでも、インド、ネパール、イスラム美術、近代彫刻部門が充実。所蔵品のうち20世紀以前はアシュマンスン・ギャラリーで、近代美術と特別展はハマー館で展示。

ワシントン・ナショナル・ギャラリー National Gallery of Art
〔所在地〕ワシントン市
〔開設年〕1941
〔特色、所蔵品〕アメリカを代表する美術館。当時の財務長官A・メロンのコレクションをもとに発足。13世紀以降の絵画を中心とするヨーロッパ、アメリカの美術品を所蔵。


〔カナダ〕
ウィニペグ美術館 Winipeg Art Gallery
〔所在地〕ウィニペグ
〔開館年〕1912
〔特色、所蔵品〕カナダ美術、ルネサンスのドイツ絵画、16世紀ブリュッセルのタペストリー、ヨーロッパ現代美術、世界最大のイヌイット美術のコレクションを所蔵。

オンタリオ美術館 Art Gallery of Ontario
〔所在地〕トロント
〔開館年〕1900
〔特色、所蔵品〕15~18世紀のヨーロッパの作品と、カナダ、アメリカの現代作家の作品。ムーアの作品収集では屈指のヘンリー・ムーア彫刻センターがある。

カナダ・ナショナル・ギャラリー National Gallery of Canada
〔所在地〕オタワ
〔開設年〕1880
〔特色、所蔵品〕1960年、現在のローン・ビルディングに新築移転。14世紀以降のヨーロッパ絵画、アメリカ現代美術と、18世紀から現在に至るカナダ人作家の作品を所蔵。

ハミルトン美術館 Art Gallery of Hamilton
〔所在地〕ハミルトン
〔開館年〕1914
〔特色、所蔵品〕画家ブルースの遺族寄贈の30点の油彩を核に発足。国内最大といわれる4000点のカナダ絵画が中心。

バンクーバー美術館 Vancouver Art Gallery
〔所在地〕バンクーバー
〔開館年〕1931
〔特色、所蔵品〕イギリスを中心に17世紀以降のヨーロッパ絵画、カナダの絵画・彫刻、アメリカ現代絵画など。

モルトウッド美術館 Maltwood Art Museum and Gallery
〔所在地〕ビクトリア
〔開館年〕1977
〔特色、所蔵品〕ビクトリア大学付属美術館。1964年にイギリスの彫刻家E・モルトウッドが寄贈した彼女の作品、東洋陶磁器、衣装など。

モントリオール美術館 Montreal Museum of Fine Arts
〔所在地〕モントリオール
〔開館年〕1860
〔特色、所蔵品〕カナダ最古の美術館。スペイン、オランダ、イギリス、カナダの絵画、彫刻、工芸品と、中国、ペルーの原始美術遺品を所蔵。桃山、江戸期の香合(こうごう)3500点からなるクレマンソー・コレクションがある。

ロイヤル・オンタリオ博物館 Royal Ontario Museum
〔所在地〕トロント
〔開館年〕1912
〔特色、所蔵品〕考古学、自然科学系の五つの博物館を現在の建物に収めて開館。全20部門からなり、美術部門はヨーロッパ、アメリカの近・現代の美術品を所蔵。系統的な中国美術の収集が注目される。


〔中央・南アメリカ〕
〔アルゼンチン〕
アルゼンチン国立美術館 Museo Nacional de Bellas Artes
〔所在地〕ブエノス・アイレス
〔開館年〕1895
〔特色、所蔵品〕スペイン支配時代からのアルゼンチンと南米の考古美術品を中心に、近代のアルゼンチン、ヨーロッパ、アメリカ絵画などを所蔵。

国立東洋美術館 Museo Nacional de Arte Oriental
〔所在地〕ブエノス・アイレス
〔開館年〕1966
〔特色、所蔵品〕中国、日本、ペルシアの陶磁器を中心に、アジア各地域の美術品を所蔵。


〔ブラジル〕
サン・パウロ美術館 Museu de Arte de São Paulo
〔所在地〕サン・パウロ
〔開館年〕1947
〔特色、所蔵品〕南米随一の美術館。新聞社社主でありイギリス大使を務めたシャトーブリアンにより開設。ルネサンス以降のヨーロッパ絵画、マジョリカ陶器、メキシコのリベラやシケイロスの作品など。国際ビエンナーレの開催で知られる。

ブラジル国立美術館 Museu Nacional de Belas Artes
〔所在地〕リオ・デ・ジャネイロ
〔開館年〕1937
〔特色、所蔵品〕ポルトガル王室がブラジルに移った際携行した美術品を主体に発足。ヨーロッパ15~18世紀の絵画と、20世紀のブラジル人作家の作品を所蔵。

リオ・デ・ジャネイロ近代美術館 Museu de Arte Moderno do Rio de Janeiro
〔所在地〕リオ・デ・ジャネイロ
〔開館年〕1948
〔特色、所蔵品〕ピカソ、マチス、ダリなど19世紀後半以降の現代作家およびブラジルの現代作家の作品を収集。1978年の火災後、近代的な現在の建物を再建。


〔ペルー〕
天野博物館 Museo Amano
〔所在地〕リマ
〔開館年〕1964
〔特色、所蔵品〕天野芳太郎(あまのよしたろう)(1898―1982)によって開設。チャンカイの出土品をはじめ、中央アンデス海岸地方の織物、陶器などを所蔵。


〔メキシコ〕
国立近代美術館 Museo do Arte Moderano
〔所在地〕メキシコ・シティ
〔開館年〕1964
〔特色、所蔵品〕建物はメキシコの建築家ペドロ・ラミレスの設計。リベラ、オロスコ、シケイロス、タマヨなどメキシコの芸術家の作品を展示。


〔オセアニア〕
〔オーストラリア〕
ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館 Art Gallery of New South Wales
〔所在地〕シドニー
〔開館年〕1874
〔特色、所蔵品〕ニュー・サウス・ウェールズ・アカデミーを母体として発足。イギリスのビクトリア朝絵画、オーストラリアの現代絵画と彫刻、ヨーロッパ、東洋の工芸品など。

ビクトリア・ナショナル・ギャラリー National Gallery of Victoria
〔所在地〕メルボルン
〔開設年〕1861
〔特色、所蔵品〕ビクトリア芸術センター内にあるオーストラリア最大の美術館。実業家フェルトン・ビスケットの資金で収集した作品を核に、オーストラリアの19~20世紀の絵画、彫刻、古代ギリシア・ローマの作品を所蔵。

南オーストラリア美術館 South Australian Museum
〔所在地〕アデレード
〔開設年〕1856
〔特色、所蔵品〕1843年建造のエリザベス朝様式の建物に、オーストラリア南部の絵画、彫刻、ポスターなどを展示。先住民に関する世界最大のコレクションがある。


〔ニュージーランド〕
オークランド市立美術館 Auckland Art Gallery
〔所在地〕オークランド
〔開館年〕1888
〔特色、所蔵品〕実業家マッケルビーが収集品と美術館建設資金を遺贈して発足。19、20世紀のニュージーランドの作品、アメリカ、ヨーロッパの近・現代美術作品を所蔵。

カンタベリー美術館 Canterbury Museum
〔所在地〕クライストチャーチ
〔開設年〕1867
〔特色、所蔵品〕1864~1904年に建てられたゴシック様式の大聖堂建造に関する資料、先住民美術、東洋美術の遺品、ヨーロッパの工芸品などを所蔵。

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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