殖民区画原図(読み)しよくみんくかくげんず

日本歴史地名大系 「殖民区画原図」の解説

殖民区画原図
しよくみんくかくげんず

一千二一八点 北海道庁編

解説 もと区画原図といい、また殖民区画図原図ともいい、総称としての殖民区画図の中にも入る。一般殖民地において明治二二年以降、区画測設事業によって作製された基本的区画図。明治二九年の殖民地撰定及区画施設規定によれば、一万五千坪を小画とし、小画六個を中画、中画九個を大画とし、直角法によって区分し、中画の周囲に道路を布設した。区画の中に保存林・市街地・官庁・学校・寺社ほかの公共用予定地を設計することとし、区画施設を終了後、区画原図(一万分の一)を作製した。このほか全体の区画設計については区画設計図(二万五千分の一)、民有地・貸下地については実測図(二千分の一)などを作図するものとした。本図は事業終了後、担当部局をへて開拓記念館に移管され、その大部分一千二一八点を数える。縮尺は五千―二万五千分の一の各種あり、和紙に墨入れ、彩色。七〇×一〇〇センチの台紙裏打ちのうえ保存。マイクロフィルムで閲覧ができる。本図と一緒に開拓記念館に殖民区画外原図も移管された。これは台帳上三千三二三点の九〇パーセント二千九四九点が現存するが、その大部分の中身は、大正から昭和二〇年までの原野売払実測図である。以上の二原図とも手書きであるが、移住者増加や未開地処分需要の増大に対して、該当する諸原野の殖民地区画図(および増画図)が明治二六年以降印刷刊行され、版を重ねて流布した(縮尺二万五千分の一)。印刷図は約八〇〇種・三千四〇〇枚が確認されているが、その一部が道立文書館(一千四四二枚)、道立図書館(七三九枚)、北海道大学附属図書館(四四七枚)などに所蔵されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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