比井浦(読み)ひいうら

日本歴史地名大系 「比井浦」の解説

比井浦
ひいうら

[現在地名]日高町比井

東高坪ひがしたかつぼ山の西麓に位置し、唐子からこ崎と産湯うぶゆ崎の間の入海に面する漁村。北は津久野つくの浦。「続風土記」は「浦の東南に日の御埼あり、村名是より起る、比井の井は日の字の余韻を加えて二字として称ふるなり」と記す。若一王子神社境内の経塚から発見された保元三年(一一五八)一〇月二三日の奥書をもつ法華経に「紀州海人郡比井郷」とみえる。慶長検地高目録によれば村高一一九石余。延宝六年(一六七八)の「日高鑑」では一〇町七反余、加子米一五石。家数八八とあるが内訳は本役四九・半役二一・無役一三・船大工一・庄屋年寄一・ありき一となっている。人数三五七、牛一二、船数一二(廻船七・漁舟三・磯舟二)、網数二帖ですべて地引。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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