毛筋(読み)けすじ

精選版 日本国語大辞典 「毛筋」の意味・読み・例文・類語

け‐すじ ‥すぢ【毛筋】

〘名〙
① 一本一本の毛。または、単に毛の意。〔羅葡日辞書(1595)〕
浄瑠璃八島(1639)三「高麗縁に、繧繝縁、錦の縁の畳を、たんたむらくも、けすぢを揃へて、まはりしきにぞ敷かれけり」
髪の毛をとかしたあとの櫛(くし)筋目
※狂歌・千とせの門(1847)乾「橋の名の永たいまいのさし櫛に毛すじ通して立てる帆柱
③ (「けすじほど」の形で、下に否定の語、あるいは意味を伴って用いる) きわめて微小なこと。ほんのわずか。
※黄表紙・御存商売物(1782)上「当世の穴をさがし、俳気もすこしあって、毛すじほどもぬけめはなく」
俳諧師(1908)〈高浜虚子三五「鶴子さんは自分から毛筋(ケスヂ)で鬢を膨らませ、鬢櫛で鬢を掻く」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「毛筋」の意味・読み・例文・類語

け‐すじ〔‐すぢ〕【毛筋】

1本1本の髪の毛。毛。
髪をくしけずった跡の筋目。「毛筋を立てる」
きわめて小さい物事のたとえ。「毛筋ほどの迷いもない」
毛筋立て」の略。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android