俳諧師(読み)ハイカイシ

  • (通称)
  • 書名

世界大百科事典 第2版の解説

俳諧の宗匠。《江戸鹿子》(1687)などの地誌類に諸師諸芸または諸職の一つとして登録されている。《人倫訓蒙図彙》(1690)は能芸部にあげて,俳諧の法式が貞徳,立圃(りゆうほ)に始まることを述べ,〈その流れを汲みて棟梁する者を点者と号す〉というが,《誹諧京羽二重》(1691)では点者,俳諧師,作者を区別している。広義には点者をふくみ,狭義には点者を除く職業俳人をいうか。それに対して,アマチュアの俳人を作者という。
歌舞伎舞踊の曲名常磐津。1838年(天保9)3月江戸中村座初演。4世中村歌右衛門が帰坂以来6年ぶりのお目見得三変化所作事《三幅対和歌姿画(さんぷくついわかのすがたえ)》の一。作詞3世桜田治助。作曲5世岸沢式佐。振付2世藤間勘十郎。俳諧師といっても太鼓持めいた通人の描写で,日傘,瓢簞,遠眼鏡,矢立,短冊小道具を用いての見立ての振りがおもしろく,軽業綱渡りまで見せる。皮肉でしゃれた江戸の味を残す作品。

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大辞林 第三版の解説

俳諧を職業とする人。また、俳諧に巧みな人。俳諧宗匠。点者。業俳ぎようはい

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

高浜虚子(きょし)の長編小説。1908年(明治41)2月18日より7月28日まで『国民新聞』に連載。09年1月民友社刊。初心は小説にあった虚子は明治30年代後半写生文より小説に熱中したが、短編集『鶏頭』(1908)出版後の初めての長編。主人公塀和(はわ)三蔵に託した自伝性の濃い青春小説。俳句に熱中した京都の高校時代、東京より来遊する俳人たち、上京後の女義太夫(ぎだゆう)へのあこがれなど、正岡子規(しき)、内藤鳴雪(めいせつ)、藤野古白、新海非風、五百木飄亭(いおぎひょうてい)、竹本小土佐らをモデルにした。原作は90回本。女義太夫への痴情部分を除いた改訂の78回本もあるが、原作本が優れている。[福田清人]
『『定本高浜虚子全集5』(1974・毎日新聞社)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

[1] 〘名〙 俳諧③を職業とする人。また、俳諧に巧みな人。
※隔蓂記‐慶安五年(1652)四月二四日「立圃者誹諧師也」
[2]
[一] 歌舞伎所作事。常磐津。三世桜田治助作詞。五世岸沢式佐作曲。二世藤間勘十郎・藤間男女太郎振付。四世中村歌右衛門の三変化「三幅対和歌姿画(さんぷくついわかのすがたえ)」の一つ。天保九年(一八三八)江戸中村座初演。俳諧師がふくべを携えて花見の踊りをする。
[二] 長編小説。高浜虚子作。明治四一年(一九〇八)発表。作家志望の学生塀和(はわ)三蔵の俳句との出会いと、その仲間を通して青年期の人生彷徨(ほうこう)を描いた自伝的作品。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典の解説

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
三幅対和歌姿画
初演
天保9.3(江戸・中村座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

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