民主同盟(読み)みんしゅどうめい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「民主同盟」の意味・わかりやすい解説

民主同盟
みんしゅどうめい

日中戦争中期に、中国で結成された民主団体。正称中国民主同盟、略して民主同盟、民盟ともいう。国民党、共産党間の調停役として重要な役割を果たした。1940年の抗戦建国同志会母体に、41年の皖南(かんなん)事件(新四軍事件)後に諸党派を含めて、中国民主政団同盟を結成、「十大綱領」を発表。44年9月、中国民主同盟と改称、文化・教育界に支持をもち、一党独裁反対、民主連合政府樹立などを主張した。46年1月、政治協商会議に参加、国民党に民主同盟員の聞一多(ぶんいった)らが暗殺され、機関誌も停止させられた。47年国民党の弾圧激化で本部を香港(ホンコン)に移し、反国民党、親共産党色を強め、49年の中華人民共和国の樹立に貢献した。現在、人民政治協商会議の有力党派である。

[加藤祐三]

『平野正著『中国民主同盟の研究』(1983・研文出版)』『石島紀之著『中国抗日戦争史』(1984・青木書店)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語 研究

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android