民族統一戦線(読み)みんぞくとういつせんせん(その他表記)national united front

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「民族統一戦線」の意味・わかりやすい解説

民族統一戦線
みんぞくとういつせんせん
national united front

民族独立達成のためイデオロギーなどの違いを乗越えてその民族の共通の敵と戦うためにとられる戦術形態。 1930年代ファシズム勃興の過程にあって,ソ連共産党が全世界の共産党に対して広範な反ファシズム統一戦線を呼びかけたのがこの戦術形態の始りといわれる。民族統一戦線は主として封建的支配階級や外国支配に対してとられ,中国における国共合作,その後の抗日民族統一戦線などはこの具体的な現れである。第2次世界大戦後,アジア・アフリカ地域で植民地体制を打破して民族独立を獲得する闘争が勃興した際に,部族間の利害やイデオロギーの相違を乗越えて反植民地闘争統一戦線が結成されたのも同じ文脈でとらえることができる。反仏・植民地闘争を闘ったアルジェリア民族統一戦線などはその典型的な例であった。

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