民間有人飛行(読み)みんかんゆうじんひこう

知恵蔵 「民間有人飛行」の解説

民間有人飛行

英国民間会社ヴァージングループが、2008年からの民間宇宙旅行の受け付けを開始した。スタート時は週1便、将来的に1日1便の運航を計画している。同社は宇宙旅行の日本での販売権を取得し、手始めに7人分を募集する。費用は1人20万ドル、年齢は16歳以上、性別は問わない。搭乗前に米国で3日間程度の訓練を受ける。その6人乗りの宇宙船は、スペース・シップ・ワンの技術提供を受けて、ヴァージングループが開発する。米カリフォルニア州の空港を飛び立ち、高度100kmの宇宙空間に約25分間滞在し地球に帰還する。宇宙空間では安全ベルトを外し、機内で4〜5分間の無重力体験ができる。なお、軌道宇宙飛行レースとしてアメリカズ・スペース・プライズが立ち上がり、米国の民間宇宙飛行支援法の成立に後押しされるかたちで、米宇宙旅行業界によるプライベート・スペーストラベル連盟の発足FAA(米連邦航空局)の宇宙旅行ガイドラインの発表、イーロンマスクの再使用型軌道向け宇宙機ファルコンの開発、ブルー・オリジンの垂直離着陸式再使用型宇宙機の打ち上げ計画発表、ロケットプレーンやスペースアドベンチャー社の宇宙旅行ビジネスの企画が本格化した。また、カナダではダビンチ・プロジェクトの進展など、軌道飛行・弾道飛行の両方にわたって、民間による宇宙飛行の動きが活発化しつつある。

(的川泰宣 宇宙航空研究開発機構宇宙教育センター長 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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