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宇宙船 うちゅうせんspacecraft

翻訳|spacecraft

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

宇宙船
うちゅうせん
spacecraft

地球を回る軌道上で,あるいは地球の引力圏を脱出して,宇宙飛行を行うよう設計された飛行体の総称。 spacecraftという語は,有人無人のいずれをも含むが,ボイジャーなど無人のものは「探査機」と訳し,旧ソ連のソユーズやアメリカのアポロなどのような有人のものは「宇宙船」と訳すことが多い。 J.ベルヌなどの小説にあるように,宇宙飛行についてのごく初期の考えでは,宇宙船は流線形の乗物とされていたが,宇宙空間には大気がないので,流線形であることの利点はなく,実際には宇宙船の使命によって種々の形のものが設計されている。 1957年に最初の宇宙船スプートニク1号が,61年には最初の有人宇宙船ボストーク1号が打上げられた。宇宙船は基本的には推進力をもたず,打上げ用ロケットによって必要な速度を得ている。しかし,軌道修正などの目的で小さなロケットを装備することが多い。宇宙船は数百万個の部品から構成され,設計はきわめて複雑で,構成部品は高度の小型化と 99.9999%以上の信頼度の達成とを要求される。有人宇宙船の場合には,さらに精巧な生命維持装置が必要である。

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デジタル大辞泉の解説

うちゅう‐せん〔ウチウ‐〕【宇宙船】

地球を周回するか、他の天体へ行くことを目的とする有人の飛行体。

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百科事典マイペディアの解説

宇宙船【うちゅうせん】

もともとは宇宙空間を飛行する人工の飛行物体の総称として使われた言葉。厳密な定義があるわけではなく,時代や国によってイメージにもかなりの差異がみられるが,有人・無人を問わずみずから航法制御,通信などの機能をもち,宇宙空間を目的地へ向かって飛行するものを宇宙船と呼んでいる場合が多い。
→関連項目宇宙医学ボストーク

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世界大百科事典 第2版の解説

うちゅうせん【宇宙船 space craft】

元来は宇宙空間を飛行する人工飛行物体の総称として用いられた言葉であり,海洋における船の概念を宇宙にもあてはめたものと思われるが,その定義は国や時代によって差異がみられる。過去において,ソ連(現ロシア)では小型の人工衛星に対してもこの用語が使われ,一方,アメリカではアポロ宇宙船などの主として有人のものに対して用いられていた。しかし,宇宙空間を飛行する人工飛行物体の種類が多くなるにつれ,これらの中には宇宙船とはいえないようなものもある。

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大辞林 第三版の解説

うちゅうせん【宇宙船】

宇宙空間に打ち上げられ、長時間人間を乗せて運航する飛行体。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

宇宙船
うちゅうせん
spaceship

宇宙機のなかで、とくに人の乗るものをいう。宇宙船の最初は、1961年4月12日のウォストーク(ボストーク)1号であり、搭乗者はソ連のガガーリン、近地点181キロメートル、遠地点327キロメートルの楕円(だえん)軌道を描き、1時間48分の所要時間で地球を1周した。その後ソ連、アメリカから多くの宇宙船が打ち上げられ、大気圏外を飛行した。
 宇宙船はその基本的な条件として、第一に、人間の生命が維持される環境が確保されていなければならないし、第二に、無事に回収される対策ができていなければならない。第一の環境問題について、生命の保持に不可欠な酸素に関しては、アメリカとソ連とでは異なった考え方をもっていた。アメリカは、空気中の窒素は呼吸には不必要とみなし、酸素だけですむとした。しかし純粋に酸素だけでは発火の危険があるので、アポロ宇宙船では酸素を3分の1気圧とした。これによって搭載重量は減少できるし、内部の圧力の減少のために耐圧の問題も楽になるのである。これに対しソ連は、使用するロケットの推進能力に余裕があったためであろうが、空気と同じ成分のものを1気圧で使う方針をとった。また、呼気に含まれる二酸化炭素の除去も重要である。それには、二酸化炭素を吸収する物質(ゼオライトが多く用いられる)を用意し、二酸化炭素を吸収させては、それを船外に放出させることを繰り返す。そのほか、温度や湿度なども適当な範囲内に調整しておかなければならない。したがって宇宙船は、居住区と機械室ならびに推進装置室とに分けてつくられる。なおアメリカとロシアの共同のアポロ・ソユーズ(ドッキング)テスト計画(ASTP)、スペースシャトル計画および国際宇宙ステーションでの居住区については、地球表面上の1気圧と同様の環境維持が行われている。
 第二の回収について、その作業は、まず居住区を他の部分から切り離し、そこに設けてある逆噴射ロケットで減速して着陸降下経路に入れ、地球大気へ再突入させる。超高速で、しだいに濃密となる大気に減速しながら突入して行くので、衝撃波が発生し、高速飛行体の周辺、とくにその前面は2000℃を超す高温となる。居住区をその熱から守るために、耐熱材を厚く張ったり、その表面にプラスチックを混入してそこを融けやすくし、それによって熱を吸収し放熱するなどのくふうがなされた。これを融除法(アブレーション)方式という。今後の宇宙船の主力となるスペースシャトルでは、回収を数十回にわたって行うために、新しくセラミックの耐熱材を開発し、そのタイルを機体表面に張るなどの熱防御システム(TPS)が使用されている。
 スペースシャトルの出現によって、同一の宇宙船(オービタ、OV)を何回も往復させて宇宙空間で大型の国際宇宙ステーションを組み立て、運用できるようになった。[新羅一郎・久保園晃]

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世界大百科事典内の宇宙船の言及

【人工重力】より

…遠心力は赤道上でもっとも大きくなるが,そこにおいてさえ地球引力の1/290にすぎないから,重力のほとんどは地球の引力である。宇宙船がエンジンを作動しない状態で飛行を続けているときは,特定惑星を中心とする求心運動を行っており,この場合,惑星引力と宇宙船運動による遠心力はつり合っている。地球周回運動をする宇宙船では地球引力と遠心力がつり合っており,地球引力圏を脱出して火星などの惑星に向かう宇宙船では太陽引力と遠心力がつり合っている。…

※「宇宙船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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