気色立(読み)けしきだつ

精選版 日本国語大辞典 「気色立」の意味・読み・例文・類語

けしき‐だ・つ【気色立】

〘自タ五(四)〙 (「だつ」は接尾語)
① きざしがみえる。発現のけはいが見える。
源氏(1001‐14頃)賢木「初時雨いつしかとけしきだつに」
徒然草(1331頃)一九「やや春ふかく霞みわたりて、花もやうやうけしきだつほどこそあれ」
懐妊、出産の徴候をみせる。
※栄花(1028‐92頃)様々のよろこび「かかる程に、この左京大夫殿の御上、けしきだちて悩しうおぼしたれば」
③ 心のうちを顔色やそぶりに示す。意中を表わす。
※源氏(1001‐14頃)明石「宮この人もたたなるよりは言ひしにたがふと思さむも心恥かしう思さるれば、けしきたち給ふことなし」
④ 気どる。改まった様子をみせる。様子ぶる。
※能因本枕(10C終)一〇四「題出して女房に歌よませ給へば皆けしきたちゆるがしいだすに」
物音話し声がして活気づく。
※すみだ川(1909)〈永井荷風〉六「夢中になって声をかける見物人のみならず場中一体が気色立(ケシキダ)つ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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