気近し(読み)ケヂカシ

デジタル大辞泉 「気近し」の意味・読み・例文・類語

け‐ぢか・し【気近し】

[形ク]
近い。身近である。
「―・く臥せ給へるを」〈紅梅
親しい。親しみやすい。
「ただ、宮のさまぞ、―・うをかしげなる」〈・二七八〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「気近し」の意味・読み・例文・類語

け‐ぢか・し【気近】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「け」は接頭語 )
  2. 近い。距離的に近い意だが、「けはい」が感じられるという語感を伴うことが多い。
    1. [初出の実例]「もろともに草は植ゑしをにしぞまづ秋のけちかき色はみえける〈よみ人しらず〉」(出典:左大臣忠平前栽合(927))
  3. 日常的な生活環境に近い。また、世俗的な生活圏に近い。
    1. [初出の実例]「けちかき籬(まがき)うちをば、その心しらひをきてをなん」(出典源氏物語(1001‐14頃)帚木)
  4. 親しみやすい。近づきやすい。とりすましていない。うちとけている。
    1. [初出の実例]「宵になりにければ、いささかけちかき遊びなどして」(出典:平中物語(965頃)一)

気近しの派生語

けぢか‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

気近しの派生語

けぢか‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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