化学辞典 第2版 「水処理」の解説
水処理
ミズショリ
water treatment
水質を飲料水やそのほかの利用目的に適するように処理すること.一般家庭の上・下水道水の処理から工場排水まで含まれ,水処理により一定の水質基準を保ち,ヒトの健康と自然環境の保全を目的に行われる.飲料水では水道法に定められた水質基準をもとに,ダムや湖,河川から導かれた水に対して,個体物質や懸濁物質を除去する物理処理,微生物などにより有機物質を分解除去する生物処理,さらに塩素,オゾン,各種凝集剤などを用いる化学処理が行われる.とくに,オゾン分解は,オゾンの強力な酸化力により廃水中の溶存物を酸化分解して浄化する方法をいう.過剰のオゾンは,水中で短時間に自己分解して酸素を放出するので二次汚染の心配がなく,殺菌,脱色,脱臭,除マンガン,シアン化物,フェノール,洗剤などの分解,廃水の最終処理などに用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報