脱臭(読み)ダッシュウ(その他表記)deodorization

デジタル大辞泉 「脱臭」の意味・読み・例文・類語

だっ‐しゅう〔‐シウ〕【脱臭】

[名](スル)臭気を取り除くこと。

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精選版 日本国語大辞典 「脱臭」の意味・読み・例文・類語

だっ‐しゅう‥シウ【脱臭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 脱臭剤などによって臭気を除去すること。
  3. 油脂の精製工程の一つ。油脂に特有の臭気を除去すること。
    1. [初出の実例]「化学作業を以て脱臭脱色を為し」(出典:東京大正博覧会出品之精華(1914)〈古林亀治郎〉五)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「脱臭」の意味・わかりやすい解説

脱臭
だっしゅう
deodorization

油脂精製工程の一つで、油脂のもつ臭(にお)いを除くための操作をいう。純粋な油脂は無臭であるが、通常の油脂は原料からくる特有の臭いを有し、古くなれば酸敗による臭いをも有するに至る。また、水素添加油脂は一般に典型的な水素添加臭をもつ。このため、効果的な油脂の減圧水蒸気脱臭精製が行われる。油脂の減圧水蒸気脱臭では、アルデヒドケトンなどの有臭成分を揮発させ、かつ過酸化物、カロチノイドおよび他の色素を破壊し、遊離脂肪酸を減らす。ただしこの操作によりグリセリド加水分解することはほとんどない。回分法ついで半連続脱臭缶が大規模に用いられるようになった。数種の連続脱臭缶も広く用いられている。脱臭缶内は数段に仕切られ、220~250℃に加熱された油脂が最上段に入れられ、直接水蒸気が缶内に吹き込まれ、油脂が各段を漸次流下しているうちに、減圧脱臭が行われる。石油精製の際にも脱臭が行われる。すなわち、悪臭メルカプタンを酸化して二硫化物に変え、脱硫をして石油の脱臭工程を終える。

[福住一雄]

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百科事典マイペディア 「脱臭」の意味・わかりやすい解説

脱臭【だっしゅう】

臭気を抜くこと。冷蔵庫便所等の一般的な悪臭除去には活性炭等の吸着剤を使用。油脂工業では,減圧下で加熱蒸気または不活性ガスを吹き込む脱臭法が広く行われ,成分の不飽和脂肪酸が悪臭の原因となる魚油等の場合には水素添加して硬化油とすることにより脱臭を行う。石油工業では硫酸洗浄,水素化等により悪臭原因の硫黄化合物を除去する(脱硫)。
→関連項目防臭剤

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化学辞典 第2版 「脱臭」の解説

脱臭
ダッシュウ
deodorization

】油脂精製工程において,油脂の臭気を除去する操作.通常,減圧下で過熱水蒸気を吹き込み,有臭成分を水蒸気蒸留により除去する.【】石油工業におけるスイートニング別名として使われることがある.【】室内空気中の悪臭成分を触媒燃焼,またはオゾン酸化や光触媒を用いて分解除去すること.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「脱臭」の解説

脱臭

 臭気を取り除くこと.

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