油脂精製工程の一つで、油脂のもつ臭(にお)いを除くための操作をいう。純粋な油脂は無臭であるが、通常の油脂は原料からくる特有の臭いを有し、古くなれば酸敗による臭いをも有するに至る。また、水素添加油脂は一般に典型的な水素添加臭をもつ。このため、効果的な油脂の減圧水蒸気脱臭精製が行われる。油脂の減圧水蒸気脱臭では、アルデヒド、ケトンなどの有臭成分を揮発させ、かつ過酸化物、カロチノイドおよび他の色素を破壊し、遊離脂肪酸を減らす。ただしこの操作によりグリセリドが加水分解することはほとんどない。回分法ついで半連続脱臭缶が大規模に用いられるようになった。数種の連続脱臭缶も広く用いられている。脱臭缶内は数段に仕切られ、220~250℃に加熱された油脂が最上段に入れられ、直接水蒸気が缶内に吹き込まれ、油脂が各段を漸次流下しているうちに、減圧脱臭が行われる。石油精製の際にも脱臭が行われる。すなわち、悪臭のメルカプタンを酸化して二硫化物に変え、脱硫をして石油の脱臭工程を終える。
[福住一雄]
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【Ⅰ】油脂精製工程において,油脂の臭気を除去する操作.通常,減圧下で過熱水蒸気を吹き込み,有臭成分を水蒸気蒸留により除去する.【Ⅱ】石油工業におけるスイートニングの別名として使われることがある.【Ⅲ】室内空気中の悪臭成分を触媒燃焼,またはオゾン酸化や光触媒を用いて分解除去すること.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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