水口山(読み)すいこうざん(英語表記)Shuǐ koǔ shān

改訂新版 世界大百科事典 「水口山」の意味・わかりやすい解説

水口山 (すいこうざん)
Shuǐ koǔ shān

中国,湖南省南部,常寧県の北東35kmにある中国最大の鉛・亜鉛・銀の鉱山。上部古生層の石灰岩と黒雲母花コウ岩との接触部に形成された接触交代鉱床で,灰鉄輝石,ザクロ石から成るスカルン帯の中に,黄銅鉱黄鉄鉱を伴うセン亜鉛鉱,方鉛鉱の鉱体が存在する。銀は方鉛鉱に含まれる。

 水口山の採掘は明代に始まるが,1897年(光緒23),湖南巡撫の陳宝箴(1831-1900)が開発を推進して本格化した。その後,外国資本がはいって近代的方法による採掘がはかられた。ドイツ資本の瑞記洋行,礼和洋行がその代表であり,1930年には鉛7000t,亜鉛1万4000tの年産を誇った。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「水口山」の意味・わかりやすい解説

水口山
すいこうざん / ショイコウシャン

中国、湖南(こなん/フーナン)省中南部の常寧(じょうねい)県の南約30キロメートルにある中国最大の鉛・亜鉛・銀鉱山。上部古生層の石灰石と黒雲母花崗(かこう)岩との接触部に形成された接触交代鉱床で、閃(せん)亜鉛鉱、含銀方鉛鉱のほか黄銅鉱、黄鉄鉱を伴っている。明(みん)代から採鉱されたと伝えられるが、本格的な開発は1897年に湖南鉱務局が西洋技術導入による近代化を図ってからである。1978年に新鉱床が発見され、1980年代の生産は粗鉱日産1000トンと伝えられている。鉱石は北方15キロメートルにある松柏(しょうはく)精錬所などに送っている。

[房村信雄]

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