水月観音(読み)スイゲツカンノン

デジタル大辞泉 「水月観音」の意味・読み・例文・類語

すいげつ‐かんのん〔‐クワンオン〕【水月観音】

三十三観音の一。補陀落山ふだらくせん水辺の岩上に座し、水面の月を眺めている姿の観音

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精選版 日本国語大辞典 「水月観音」の意味・読み・例文・類語

すいげつ‐かんのん‥クヮンオン【水月観音】

  1. 三十三観音の一つ官位財宝や旅行中の安穏を得たいと祈願すれば、霊験があるとされる。その形像は一定しないが、水辺の岩上に座し、手に楊柳(ようりゅう)と瓶を持つ。
    1. [初出の実例]「水月観音。或云、此観音玄弉三蔵出流沙現観音也、云云。形像世間流布様々也。為本尊修行事之歟。只化現菩薩也。云云」(出典阿娑縛抄(1242‐81頃)九五)

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世界大百科事典(旧版)内の水月観音の言及

【観音】より

…密教の聖観音では,胎蔵界曼荼羅観音院に描かれる,左手に蓮茎を持つ姿の像が多く造られた。変化観音には前述の六観音のほかに白衣観音と水月観音が,画技をよくする禅僧によって水墨画として鎌倉・室町時代に多数描かれた。これらは礼拝の対象となる本尊画とみなされるより筆者の精神の表出が注目されていた。…

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