永利城跡(読み)ながとしじようあと

日本歴史地名大系 「永利城跡」の解説

永利城跡
ながとしじようあと

[現在地名]川内市永利町

川内川支流隈之城くまのじよう川に注ぐ平佐ひらさ川とその支流前田まえだ川に挟まれた標高二一メートルを最高とするシラス丘陵に築かれた山城。「三国名勝図会」では城名を「ナガリ」とよんでおり、山田やまだ城ともいわれた。「薩隅日三州他家古城主来由記」には一四世紀半ば過ぎの城主を永利兼光とする。永利氏は正応元年(一二八八)以前に大蔵氏に代わり永利名主となっており(同年八月日「新田宮雑掌申状」神代三陵志)、正平一三年(一三五八)には島津道鑑(貞久)から永利友秀に勧童けどう・永利両名地頭職が去渡された(同年八月一二日「島津道鑑・師久連署避状案」入来院文書)。だが直後に永利又太郎入道祖性らは敵方についたため所領を没収されたらしい(年欠二月一九日「島津師久去状」同文書)。当城の城主が永利氏であったとすると、城主になったのは一四世紀半ば過ぎと思われるが確認できない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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