朝日日本歴史人物事典 「永山盛輝」の解説
永山盛輝
生年:文政9.8.15(1826.9.16)
明治初期の官僚。長野県の近代教育に尽力した。鹿児島藩士。男爵。幕末期に上京し国事に尽瘁し戊辰戦争で奥州各地を転戦する。維新後,会計官,大蔵省,民部省に出仕し,明治3(1870)年伊那県少参事,大参事となり廃県の結果筑摩県参事,6年には県権令に累進した。在任4年の間に,同県の教育普及に力を入れ学制施行(1872)前に郷学校百数十校を設けたという。また自ら学事奨励のため県内を巡回した。その記録『説諭要略』巻之1は有名。実用主義的,立身出世的教育観を説く。このほか筑摩県医学校兼病院,殖産関係では勧善社の創設などを行う。のち新潟県令,元老院議官,貴族院議員を歴任した。
(中野実)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報