汚らふ(読み)ケガラウ

デジタル大辞泉 「汚らふ」の意味・読み・例文・類語

けがら・う〔けがらふ〕【汚らふ/×穢らふ】

[動ハ四]《動詞「けがる」の未然形+反復継続の助動詞」から》
人の死や葬儀に立ち会うなどして、身にけがれを受ける。
「―・ひたる人とて立ちながら追ひ返しつ」〈手習
喪に服する。
故宮御方につけつつ、さるべき殿ばら―・ひ給へり」〈栄花・峰の月〉
死ぬ。
「ある大徳だいとこ袈裟けさひきかけたりしままに、やがて―・ひにしかば」〈かげろふ・上〉

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精選版 日本国語大辞典 「汚らふ」の意味・読み・例文・類語

けがら‐・う‥ふ【汚う・穢う】

  1. 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙 ( 「ふ」は接尾語 )
  2. けがれに触れる。清浄でなくなる。人の死や出産などの不浄に触れる。
    1. [初出の実例]「漁父の餔歠(ほせつ)を溷(ケカラハ)しむ」(出典:漢書楊雄伝天暦二年点(948))
    2. 「けがらひたる人とて、たちながら、おひ帰しつ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)手習)
  3. 近親者が死んだために喪に服する。
    1. [初出の実例]「この夏は故宮の御方につけつつ、さるべき殿ばらけがらひ給へり」(出典:栄花物語(1028‐92頃)峰の月)

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