不浄(読み)フジョウ

デジタル大辞泉の解説

ふ‐じょう〔‐ジヤウ〕【不浄】

[名・形動]
けがれていること。また、そのさま。「不浄な(の)身」「不浄な(の)金」
月経(げっけい)
大小便
便所。「不浄に立つ」→御不浄

ふ‐ぞう〔‐ザウ〕【不浄】

[名・形動ナリ]ふじょう(不浄)」に同じ。
「今宵より―なることあるべし」〈かげろふ・下〉

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大辞林 第三版の解説

ふじょう【不浄】

( 名 ・形動 ) [文] ナリ 
心身がきよらかでないこと。けがれていること。また、そのさま。 「 -の身」 「 -な金」
( 名 )
月経。 「かくてほどもなく、-のことあるを/蜻蛉
大小便。下肥しもごえ。 「見れば-をになへり/咄本・醒睡笑」
便所。ごふじょう。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ふ‐じょう ‥ジャウ【不浄】

〘名〙
① (形動) 清浄でないこと。心身の汚れていること。また、そのさま。けがれ。ふぞう。
※天草本伊曾保(1593)狼と狐の事「アマリニ、ドロニ ケガレテ ゴザヲモ fujǒni(フジャウニ) ナシタテマツラバ」 〔禅要経〕
② 女性のけがれ。月経。月のもの。ふぞう。
蜻蛉(974頃)中「かくてほどもなく、ふじゃうのことあるを」
③ 精液。
※説経節・説経苅萱(1631)上「をんなのやくとて、をっとのふせうをうけとって、たいないに七月はんにまかりなる、みづこをうけとり申たよ」
④ 大小便。
※咄本・醒睡笑(1628)一「見れば不浄をになへり」
⑤ 便所。ごふじょう。
※神楽坂(1935)〈矢田津世子〉三「一枚の紙も使ひやうだというて、字を書いて洟をかんで、それを火鉢で乾してから不浄へ用ひる」

ふ‐ぞう ‥ザウ【不浄】

※蜻蛉(974頃)下「行ひもせばやと思ふ、こよひよりふざうなる事あるべし」

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世界大百科事典内の不浄の言及

【忌∥斎】より

…現代では禁忌ないしタブーに比定されるが,古典的には異常な神聖に対する消極的な忌避の態度や習俗ばかりでなく,積極的な交渉や謹慎のそれをも含む。原始古代の神聖観念には,崇高,清浄,偉大,強力など畏敬すべき神聖のほかに危険,邪悪,汚穢(おわい)など忌避すべき不浄な神聖も含まれており,基本的には異常な神秘として日常から隔離され俗的扱いを禁止される意味をもつ。その意味から日本語でいう〈清浄〉も〈不浄〉も単なる衛生観念ではなく,共に事象の神聖なあり方をさし,それへの対処には宗教的に特別の配慮を要する。…

【忌言葉∥忌詞】より

…忌言葉は山言葉沖言葉,正月言葉,夜言葉,縁起言葉などに分けられる。忌言葉は,宗教儀礼における〈忌〉の一つの形式で,神や神聖な場所に近づく際には不浄なものや行為を避けるだけでなく,それを言葉に出していうことも忌み,代用語を用いていい表したことから生まれたと考えられている。山言葉は猟師などが山中で使うのを忌む言葉であり,沖言葉は船乗りや漁師が海上で口にするのを忌む言葉をいう。…

【穢】より

…本来は宗教的な神聖観念の一つ。罪と災いとともに日本古代の不浄観念を構成し,これを忌避する,忌(いみ)または服忌(ものいみ)の対象をいう。記紀には穢,汚,汚垢,汚穢,穢悪などと表記され,またケガラワシともキタナシとも読まれる。…

【住居】より

…逆の言い方をすれば,世界観・宇宙観の存在が住居の上に宇宙の中心性を担いうるような秩序を描かせるのである。たとえばヒンドゥー教徒にあっては,浄・不浄という尺度が住居を貫く。住居の内部は浄なる状態で保たれる必要があり,かりに穢れをうけることがあれば,すみやかに浄化されなければならない。…

※「不浄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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