不浄(読み)フジョウ

デジタル大辞泉 「不浄」の意味・読み・例文・類語

ふ‐じょう〔‐ジヤウ〕【不浄】

[名・形動]
けがれていること。また、そのさま。「不浄な(の)身」「不浄な(の)金」
月経げっけい
大小便
便所。「不浄に立つ」→御不浄
[類語](1不潔不純汚いむさくるしい汚らしい小汚い薄汚いけがらわしいばっちいむさい埃っぽい泥まみれ不衛生尾籠びろう醜悪見苦しいみすぼらしいぼろいぼろぼろおんぼろよれよれがたがたぽんこつ老朽化汚穢おわい汚れ物汚濁けがれよごれ汚点汚染くすむ薄汚れる汚れるすすけるあかじみるまみれる油じみる汗じみるみっともないはしたない醜態老醜無様ぶざま不格好醜いしゅうばばっちいしどけない目障りむさいじじむさいかっこ悪いださい野暮野暮ったい泥臭い不細工田舎臭い不体裁グロテスク不器量弊衣破帽だらしない醜怪浅ましい見辛い見るに見兼ねる/(4便所化粧室洗面所手洗いトイレトイレットルームウオータークロゼットラバトリーレストルームWCかわや雪隠せっちん後架こうかはばか手水ちょうずお手水手水場不浄場ご不浄分別所ふんべつどころ浄房便室閑所用場西浄せいちん東司とうす

ふ‐ぞう〔‐ザウ〕【不浄】

[名・形動ナリ]ふじょう(不浄)」に同じ。
「今宵より―なることあるべし」〈かげろふ・下〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「不浄」の意味・読み・例文・類語

ふ‐じょう‥ジャウ【不浄】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) 清浄でないこと。心身の汚れていること。また、そのさま。けがれ。ふぞう。
    1. [初出の実例]「アマリニ、ドロニ ケガレテ ゴザヲモ fujǒni(フジャウニ) ナシタテマツラバ」(出典:天草本伊曾保(1593)狼と狐の事)
    2. [その他の文献]〔禅要経〕
  3. 女性のけがれ。月経。月のもの。ふぞう。
    1. [初出の実例]「かくてほどもなく、ふじゃうのことあるを」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
  4. 精液
    1. [初出の実例]「をんなのやくとて、をっとのふせうをうけとって、たいないに七月はんにまかりなる、みづこをうけとり申たよ」(出典:説経節・説経苅萱(1631)上)
  5. 大小便。
    1. [初出の実例]「見れば不浄をになへり」(出典:咄本・醒睡笑(1628)一)
  6. 便所。ごふじょう。
    1. [初出の実例]「一枚の紙も使ひやうだというて、字を書いて洟をかんで、それを火鉢で乾してから不浄へ用ひる」(出典:神楽坂(1935)〈矢田津世子〉三)

ふ‐ぞう‥ザウ【不浄】

  1. 〘 名詞 〙ふじょう(不浄)
    1. [初出の実例]「行ひもせばやと思ふ、こよひよりふざうなる事あるべし」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「不浄」の読み・字形・画数・意味

【不浄】ふじよう

けがれ。

字通「不」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の不浄の言及

【忌∥斎】より

…現代では禁忌ないしタブーに比定されるが,古典的には異常な神聖に対する消極的な忌避の態度や習俗ばかりでなく,積極的な交渉や謹慎のそれをも含む。原始古代の神聖観念には,崇高,清浄,偉大,強力など畏敬すべき神聖のほかに危険,邪悪,汚穢(おわい)など忌避すべき不浄な神聖も含まれており,基本的には異常な神秘として日常から隔離され俗的扱いを禁止される意味をもつ。その意味から日本語でいう〈清浄〉も〈不浄〉も単なる衛生観念ではなく,共に事象の神聖なあり方をさし,それへの対処には宗教的に特別の配慮を要する。…

【忌言葉∥忌詞】より

…忌言葉は山言葉沖言葉,正月言葉,夜言葉,縁起言葉などに分けられる。忌言葉は,宗教儀礼における〈忌〉の一つの形式で,神や神聖な場所に近づく際には不浄なものや行為を避けるだけでなく,それを言葉に出していうことも忌み,代用語を用いていい表したことから生まれたと考えられている。山言葉は猟師などが山中で使うのを忌む言葉であり,沖言葉は船乗りや漁師が海上で口にするのを忌む言葉をいう。…

【穢】より

…本来は宗教的な神聖観念の一つ。罪と災いとともに日本古代の不浄観念を構成し,これを忌避する,忌(いみ)または服忌(ものいみ)の対象をいう。記紀には穢,汚,汚垢,汚穢,穢悪などと表記され,またケガラワシともキタナシとも読まれる。…

【住居】より

…逆の言い方をすれば,世界観・宇宙観の存在が住居の上に宇宙の中心性を担いうるような秩序を描かせるのである。たとえばヒンドゥー教徒にあっては,浄・不浄という尺度が住居を貫く。住居の内部は浄なる状態で保たれる必要があり,かりに穢れをうけることがあれば,すみやかに浄化されなければならない。…

※「不浄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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