改訂新版 世界大百科事典 「江古田植物群」の意味・わかりやすい解説 江古田植物群 (えごたしょくぶつぐん) 東京都中野区江古田付近を流れる妙正寺川の谷間を埋めた洪積世(更新世)末期の堆積物中に含まれる化石植物の総称。下位の針葉樹(イチイ,アオモリトドマツ,エゾマツ,コメツガ,カラマツ,チョウセンマツなど)を組成とする植物群(年平均気温が現在より7~8℃低い。2万~3万年前)と上位の広葉樹を組成とする植物群(年平均気温は現在とほぼ同じ)とに二分される。下位の針葉樹を主体とする植物群は,第四紀最後のウルム氷期に生育したものと考えられ,この地域の植生が,現在の北海道中~北部の状態と似ていたことを示している。執筆者:木村 達明 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by