日本大百科全書(ニッポニカ) 「江崎玲於奈賞」の意味・わかりやすい解説
江崎玲於奈賞
えさきれおなしょう
日本国内の研究機関において、ナノサイエンス、ナノテクノロジー分野の研究に携わり、顕著な業績を残した研究者に贈られる賞。毎年1回、原則として1名の研究者が選ばれる。副賞は1000万円。科学技術の振興と産業の活性化に寄与することを目的に、2003年(平成15)に創設された。名称は1973年(昭和48)にノーベル物理学賞を授与され、同賞の選考委員長を務める江崎玲於奈にちなむ。主催は一般財団法人茨城県科学技術振興財団、つくばサイエンス・アカデミー。選考は、国内の関連主要学会や研究機関、大学の長をはじめ、つくばサイエンス・アカデミー運営会議委員の推薦を受けた研究者を対象に、化学と物理学のノーベル賞日本人受賞者などで構成される選考委員会が行い、受賞者が選ばれる。
2004年の第1回受賞者は、半導体ナノエレクトロニクス素子の先駆的研究、とくに量子細線・量子ドット構造素子研究における先駆的貢献により、東京大学生産技術研究所の榊裕之(さかきひろゆき)(1944― )と同大学先端科学技術研究センターの荒川泰彦(やすひこ)(1952― )が受賞した。
なお、同賞の表彰とともに、茨城県内において科学技術の研究に携わり、顕著な成果を収めた研究者に対し、つくば賞、つくば奨励賞が贈呈されている。
[編集部 2016年7月19日]